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2019年3月

熟達者

熟達者には、定型的熟達者、適応的熟達者、創造的熟達者がいる。一般的なそろばんの先生は定型的熟達者をさす。

適応的熟達者は、状況に応じて知識や技能を柔軟的に組立て、新たな学習法を発明する者である。

例えば、九九は覚えているのにも関わらず、意味を見出すことができず、「かけ算拒否」をする子がいる。(※九九とかけ算は根本的に異なる)

こういう場合、先生が頭ごなしに「覚えろ」「よく考えろ」と言わず、子どもに気づかせる教材を提供する等、工夫して指導することが大切である。

思考の向上は、問題解決できるような教材でなければ、「絵空事」で終わるのが落ちである。

適応的熟達者は、深層構造まで考えて知識を使いこなせるので、低いレベルの児童に合わせて、自分の知識(思考プロセス)を理解できるように伝えることができる。

SSKCLUBは、適応的熟達者のプロ集団なので、安心して子どもを任せられるということである。

【算数スペシャル2年下P23】

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定量的に捉える

今、『ドリル6&7』を改訂中ですが、先生方に伝えたいことがあります。

『ABACUS6』の乗算(2桁×2桁)は、とても難しいと思っていませんか?

「特にP17以降!」

これは誤答が多いから難しいと判断していませんか?(感覚で判断!)

そこで、2桁×2桁の4パターンの作問を数値(確率)に表してみると、難しさの要因が見えてきます。これを※定量的な捉え方といいます。

※何かの性質を数字にして、その数字をモノサシの上に置くこと。

2桁×2桁は、九九の積、分子積、部分積が複雑に絡み合っています。更に乗加位置が九九の積によって異なります。そこで、九九と分子積(パターン4)を一度バラバラにして、頻度と誤答の確率をデーター化すると、「どのパターンの組み合わせが難しいのか」が分析できます。

たくさん練習をしなくても、数理的に原理・原則が理解できれば、乗加法則は意味記憶として保持でき、適応的熟達者になれるのです。

「珠算を定量的に捉える」とは、「むりなく・かくじつに」計算が習得できるということです。

「お分かり頂けたでしょうか?」

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