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2019年2月

数概念・数観念の重要性

整数の理解は、ものの個数を数える(計数)操作が基本である。

次に一つの数を合成分解により構成的に捉えるように指導することが重要である。

数の合成分解は、数概念・数観念の形成にも欠かせないので、幼児期~1学年(前期)は『KIDSテキスト』を中心に展開するのが大切である。

例えば、計数そろばんの「5」は、10個の珠を二つに分解されたもので、それを合成すれば10となる。

また、8を10に関連付けて、「8は10より2小さい数」とみたり、式で10-2と表わしたりすることで、数を多面的に考えるようになる。

つまり、幼児期~1学年(前期)に合成分解(珠算)で躓くのは、計算より数の認識ができないことが要因となる。

そろばんを使って、早く学習を進めても理解が伴なわなければ、学習困難に陥るのは時間の問題であり、さらにモチベーションも下がる。

こんなつまらないことで悩んでいる指導者は、一刻も早く頭を切り替えて、「問題解決」するよう、学び直す(リカレント教育)ことを勧める。

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方法知と内容知

学問には「方法知」と「内容知」という考え方がある。

方法知は学び方を学ぶ能力。内容知は知識やスキルそのものである。

方法知はダイナムズムであり、場面や状況によって変わるが、内容知は既に体系化、固定化された知識。

つまり、方法知は属人的(個人に依拠)であり、内容知は普遍化・一般化されたものである。

例えば、珠算の「3+4」は、「5入れて1をはらう」という計算は普遍的だが、「5入れて1をはらう」については、運珠法を覚えなくても数理的な理解(数観念)があれば解ける。

また、かけ算も計算の構造(分子積)を認識しながら学習すれば、乗加法則が「むりなく」理解できるようになる。さらに、筆算の構造も理解しやすくなる。(領域一般性)

『SSKCLUB』のテキストは、全てにおいて方法知と内容知を融合させて編集されている。

したがって、テキストを学べば「算数(数学的考察力)がUPする」のは自然なことである。

 (平成29年告示 学習指導要領)

計算の仕方を学ぶ際には意味を踏まえないまま公式などを暗記させたり計算を形式的に速く処理できることを技能と求めたりするなど、形式的な学習指導に終わるのではなく、計算の仕方の基に原理・原則があることや、原理・原則をうまく使って形式的な処理の仕方が考え出されることを理解することなどが大切である。 

必要な知識及び技能を身に付けることで終わるのではなく、その身に付けた過程を通して数学的な見方・考え方が更に豊かで確かなものになっていくことも大切にしたい。

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