読み書き、そろばん
現代語での「ヨム」は、本や雑誌等の「文字(文章)を読む」ことを指す。したがって、一般的に「読み書きそろばん」とは、「文字を読んで、書いて、計算する」という解釈になる。
しかし、昭和前期に発行された『日本方言大辞典』によれば、「ヨムとは数エル意味を含んでいる」と記載されている。つまり、県によって「数える」ことを「読む」と解釈している。 (紙を読む→紙を数える)
その県とは南西諸島・香川・徳島・高知(一部)・愛媛(一部)・兵庫・奈良・石川・富山であるが、地図を見ると一本の線上に並ぶ。これは海上文化の影響だと思われる。
また、万葉集の中で「カク」は、「絵を画く」という一例はあるが、「文字を書く」という例は、歌には出てこない。したがって、「ヨミ・カキ」とは、漢字が伝来し、そ れを使いこなす前に、数に対応して古くからあった言葉となる。
後世「読み書き、そろばん」という基礎能力は、無文字の時代から存在した「数の能力」ということになる。
「数を数えて 式に書いて 計算する」 これが 歴史的な「読み書き、そろばん」である。
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