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2013年9月

岡山県本部講習会

甚大な被害をもたらした先週の台風と打って変わって、岡山県本部講習会(22日)は、雲ひとつない快晴の中開催された。

今回のテーマは、かけ算とわり算を基にし、「算数論理とは一体どのようなものなのか」を紐解きながら講話した。もちろん、従来の『テキスト』の講義とは展開がまったく異なるので、かなり難しかったと思われる。

一般的に論理の基本は、「正しい」か「正しくないか」を、はっきり判断することであり、「白黒はっきりさせる」ということである。

例えば、『ABACUS7B』の「もどし算」と「九立商」を形式的に暗記学習で指導すると、意味や仕組みが分からないまま計算することになるので、出た答えが本当に合っているかどうかさえわからなくなる。

また、わり算はかけ算と可逆的な関係なので、「もどし算」や「九立商」は、かけ算から導入すれば、「答えは間違いなく正しい」という論理が成立する。

数学は「仮説」から「真説」が証明でき、誰でも使える「定理」が派生するが、『テキスト』はこの算数論理を基に作られているので、従来の問題集にありがちな作問とは比べようがない。

つまり、SSKCLUB方式で学べば、「珠算教育は数学的な捉え方ができない」という固定概念は、間違いなく払拭できるということだ。

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数感覚

「数と計算」領域の中に、「数についての感覚を豊かにする」(数感覚)がある。これは、いろんな計算場面において、直観的に判断する数学的センスのことである。

珠算の場合、計算処理を主としているので、「数感覚」の議論は必要ないが、学習内容を変えれば、数感覚も自然に習得できるようになる。

例えば、「0.2×4」の計算、「0.2は0.1が2こある」とみたり(相対数)、「0.2が5つ集まれば1になる」という考えは、直観的に理解できることが望ましい。

また、0.8L=8dLという単位の換算も数感覚があれば誤答は防げる。

さらに、「これは何算で計算するのか」という演算決定も、簡単な計算を基にして要素を抽象して成立することから数感覚が必要となる。

このように数感覚は、いろいろな場面を通して身につくものなので、計算処理に執着せず、いろんな考えを促すことが重要である。

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教育講演会

 11月2日(土) 金城幼稚園(石川県金沢市)において、教育講演会が開催される。

 今回の内容は次の通りである。

(1) 幼児の実践指導(数観念・十進位取り記数法)

(2) 保護者向け講演会

(3) 算数についての質疑応答

 ※ SSKCLUB会員の受講は許可しています。

 普段、保護者様へSSKCLUBのメッセージを伝えることは難しい。そこで、簡単な内容だが、参考になればと思い文章を書いてみた。

 ★ SSKCLUBは教育珠算!

「学習指導要領」の改訂で、1年生の計算が分からない児童が増えています。これは数の理解不足が大きな要因です。計算は覚えさせても限界があります。例えば、4+6、10-6、4+□=10等の関連した問題は、数の意味の理解が基になっています。仮に1桁同士の計算を記憶させてできるようになっても、2桁以上になれば限界に達し、計算が停止するのは時間の問題です。

また、児童は一人ひとり能力が違います。それぞれの能力に合った教材を使用し、学習と発達が一致していないと学習が停滞する可能性が高くなります。

 1年生は、今後の算数を左右する重要な学習がたくさんあります。したがって、2年生でも1年生の計算が理解していなければ、再度1年生の数の認識から再学習した方が早く計算が分かるようになります。

 算数は1年生、2年生と分けるより、1本の線で結ばれている関連性の強い学問と捉えるべきです。つまり、「意味をつけて計算を教える、これに徹しない限り、効果は得られないということです。

 このような観点から、SSKCLUBの教材は「算数」を基に作られています。従来の『そろばんのお稽古教材』の殻を破って、『教育珠算教材』と、認識して下さい。

 

 

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数理的とは何だ!

講習会等でよく使う「数理的にとらえる」という言葉。いったいどういう意味なのか説明したいと思う。

「数理」の定義は、事象の中に数学的な概念を認め、それを数学的な考察や処理の対象として把握することである。(難しい!)

具体的な例を挙げると、次の問題がそれに当たる。

『順序数』『連続量』『小数』『正の数・負の数』等を数直線上に表わす。

数直線は連続した数を表わす教具(抽象的教具)として大切な役割を担っている。

数直線を使えば、連続した整数や小数、負の数が一定に保たれるようになる。さらに「単位の換算」「10倍概念」まで結びついて拡張されるのだ。

したがって、「そろばんを使って単位の換算」を教える場合、構造を教えない限り数理的な考察はできないということになる。

『計数そろばん』『チップ』『パズル』の使用は、数観念と十進構造が視覚的に理解できる具体的教具。

具体的教具を使うことで、一、十、百の位が数直線と同様に構造的に理解できるようになる。合成分解も記号と操作が数理によって一致して初めてできるようになるのである。
さらに、「1こ5円のアメを4こ買った時の代金」等の演算も、「代金=単価×個数」という定義を数理的にモデル化したものである。

このように『テキスト』は、あらゆる箇所で数理的考察が用いられている。
「正答ならばOK」という考えは、数学的な思考力の芽を摘んでしまい、現代の算数では通用しないことなのだ。

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KIDSの操作活動

チップや計数そろばんのような半具体物を操作すると、「具体物」と抽象的な「言語」や「記号」を結ぶ中間的な働きが得られる。この働きが数の意味を理解する上で核となり、幼児でも算数がスラスラできるようになるのだ。

また、この半具体物の操作は、くり返すことで自力で答えを見つけるようになり、算数の「筋道」を見つけたり、考え方を説明できる「メタ認知」にまで繋がっていく。

『KIDS』で使われている計数そろばん、チップ、パズル、カードは、数量や図形についても概念形成が得られる。それには指導者が発達段階に応じた思考活動を上手く導くことがポイントとなる。(難しい!)

従来の珠算教育では有り得なかった夢のような幼児教育。(自負!)

教具を上手く使いこなして実現できるように頑張ってほしい。(願い!)

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岐阜県本部講習会

最近の天候不順と台風(温帯低気圧)の中、岐阜(高山市)本部講習会が終わった。ただ、帰宅途中、豪雨に遭遇したので、無事帰宅できてよかった。  ( ̄◆ ̄;)

今回は『ABACUS7』と『分数』だが、ほとんどの先生が何回も聴講しているので、恒例の『新ネタ』からスタートとした。

『ABACUS7』は、『ABACUS6』の包含問題(22×12→222×12)で構成されている。また、22×62、22×26は、22×12、2×66のどちらにも共通する要素を含むので、集合論から考えると、「A∩B」となる。

このように基本的な計算は、数を統一した方が数学的な意味が捉えやすくなる。これが「量より質」という意味である。

「計算は鍛えて速く解答をさせる」ことと、「計算の意味を理解させて数学力を養う」のでは、教育体系が初めから違う。したがって、結果も評価も違って当たり前なのだ!

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