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2013年8月

全国学力テスト

今年の4月に実施された「全国学力テスト」の結果が、28日に各新聞に一斉掲載された。

今年も北海道や沖縄県が変わらず下位であったことを考えると、あまりパットした話題はない。算数(小6)の結果も、平均正答率がA問題77%、B問題59%と、これも定番のようだ。

【中日新聞】

整数や分数、小数の四則計算はできているが、わり算や割合の意味を理解し、実生活で考えられる場面に課題が見られた。(以下記載省略)

『わり算の意味を理解していない』ということは、「わり算の文章題」、「あまりのあるわり算」の指導不足と思われる。

珠算教育も一般的には、この2点を指導しない。したがって、計算はできるが意味が分からないという事態を招く恐れがある。これは指導者として大いに反省すべきことであるが、授業で教えなければ永久に改善されることはない。

SSKCLUBは、「わり算の意味」、「あまりのあるわり算」、「割合」まで教える『テキスト』が揃っている。後は指導力を身に付ければ、学力は向上すると思われる。

写真は2008年に掲載された「全国学力テストの社説」のスクラップである。あれから5年、毎年50億円を使っても効果が出ないことを証明しているような記事になってしまった。

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アリの一穴

先日、一通のメールが届いた。

会員ではないが実名である。

その内容を掲載します。

教材には、何も不満はないのですが・・・ しかし教材だけで、教室によっては、そろばんの経験がない方が指導していて、 (指導者は、そろばんの経験がなくても採用されます。)暗算の指導もなければ、そろばんのかけ算わり算の指導も出来ない、そんな、 そろばん教室がどんどん増えていて、子ども達が可哀想です。 ただ、教科書をさせているだけで、読み上げ算もないし、暗算もしません。指導者は、ただ答合わせをするだけです。 生徒は、集中力がなく、あばれている子もいるし、ただひたすら教科書の問題を解くだけで、1時間終わります。そろばん経験者としては、そろばんってもっと楽しいのに、と、悔しい限りです。すみません、そちらでは、こういう苦情は関係ないと思いますが、子ども達が本当に可哀想で、これから伸びる才能を潰している現状にどうしようもなくメールさせて頂きました。
最近は、社会におけるそろばんの需要が減ったこともあって、級に拘らなくても算数の計算に役立てば「OK」という保護者様が増えた。
その結果、このような塾が乱立するようになったと思われる。
このメールは、珠算塾の先生を「プロ意識の無さ、能力の無さ」と警告しているので重大だ。
いくら生徒と教材があっても、指導者が素人では、生徒が増えてもいずれ淘汰されてしまう。これは時間の問題であろう。
珠算人は、長い間、伝統、組織に胡坐をかいてしまった。これが研究者の枯渇に繋がっていることは紛れもない事実だ。
したがって、全く予想もつかないところから、珠算の崩壊が進んでいることも認識した方がよい。
正に「アリの一穴」である。

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全珠連富山県支部指導者講習会

昨年、全珠連富山県支部から「8月25日に幼児教育について講話して頂けないか」と、依頼があった。

久しぶりの外部講習会、SSKCLUB本部講習会もないので、「分かりました」と即答。今月になって『KIDSスペシャル』を中心に資料づくりを始めた。

珠算教育は、個々の珠算塾の集まりなので、「私」という立場が強い。しかし、算数教科書に『そろばん』が掲載している以上、「公」という立場も含まれる。

生徒集めだけに捉われて幼児を教えても、社会性(公)を含んでいないと、幼児教育は続かない。特に幼児期は、人生の中でも成長率が高いので、誤った指導は重大な責任となる。

今回はその点も含めて講話したので、少し耳が痛かったかもしれない。

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定位法について

数は1~9の自然数と0の整数で構成されている。現在使われている数字は、0がインドで発明されたので、正確には「インドアラビア数字」という。十進位取り記数法は、0の発明によってできた表記法である。

★ 記数法は305(0を使う)

★ 命数法は三百五(0を使わない)

世の中には便利なモノがたくさん溢れているが、便利なモノほどメカニズムが複雑にできている。0も1~9より便利に使えるので、メカニズムはやはり複雑だ。

一般的に珠算は、「一つもない時、0を用いる」と定義付けている。この定義だけでは、「10倍」や「空位の0」が説明できなくなる。

そこで、「定位法」という形式的な方法をマスターさせ、10倍の意味を正当化する。しかし、それは同時に意味も理解しているとは言い難い。

定位法はある種のアルゴリズムなので、10倍概念・小数を学習後に教えることが大切である。

つまり、「算数で通用しないものは、算数で役立たない」ということである。

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会報36号発送

「盆休みは終わったが、毎日暑い日が続くのでなかなか休み気分から抜け切らない」と、よく耳にする。自分はこの状態が続くと、逆にストレスが溜まり始めるので、自然に仕事モードにスイッチが入るようになっている。つまり、仕事に対するコンプレックスは、もともとないということである。

こんなことを書くと、「お前は変人か?」と言われるかもしれないが、事実だから仕方がない。

そんなわけで、今日は『会報36号』の発送準備が完了、明日発送します。

 「お楽しみに!」 

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かけ算九九

KIDS(年長)から入会した1年生のSちゃん。

現在、『ABACUSドリル3』と『かけ算1』を学習。かけ算九九は、意味と記憶が大切なので、『珠算ノート』で「2×1=2、2×2=4・・」と記数した後、命数(九九を唱える)で確認する。

写真はSちゃんが自ら(指導はしていない)「20、30、40、50」と答えを書いたものである。このような証明的解答は、児童が算数思考になっていないとできないので、絶えず学習に道筋をつけて(論理)指導することが大切である。

1年生はかけ算が未学習である。したがって、『かけ算1』を流すような学習では、「意味」と「九九」がしっかりと定着せずに終わる可能性が高い。よく観察して指導にあたることだ。

「2×1~2×9」を、一通りマスターした後は、答えだけえを記数させると、「倍数概念」が捉えられるようになる。

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読み・書き・そろばん

「読み・書き・そろばん」は、教育の根本を成すものと言われている。そろばんを文字どおりに解釈すれば「計算は大切」となるが、計算の定義は「数字をきちんと把握し、正確に答えを出す」という意味。

ソロバンは数字を読んで計算し、答えは珠を数字に書き写せば完成となる。(書き写しは位を読まないで数字を書く)

書き写しは整数(分離量)の範囲では通用するが、連続量は単位が存在するので全く機能しなくなる。

『ABACUS5 P1』で、2340をそろばんに布数して位をつけて読ませる。(命数法)

次に命数した数を数字に変換(記数法)するが、「数の構成」を同時に理解させなければ、読み書きの意味がなくなる。

また、『長さ』『時計』は、連続量(単位)を使って計算するので、いつも単位を読んで計算しなければ正答は難しい。

このように考えると、「読み・書き・そろばん」というのは、三つの要素が上手く連動して初めて成立するものである。

したがって、基礎学習の段階から「数(かず)・数(すう)及び量を、きちんと理解させることが重要となる。

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長野の一日

夏の空と歴史の色が上手く調和している松代に立ち寄った。昼間は西尾と同じ太陽が照りつけ暑かったが、夕方は盆地のせいなのか、山から吹く風が涼しくて心地よさに正直驚いた。

松代は真田家ゆかりの地であるが、佐久間象山の生誕地でもある。象山は大河ドラマ「八重の桜」で知ったが、正直「佐久間象山って誰?」という低知識だった。象山の妻(順子)は勝海舟の妹で、松陰や竜馬も深く関わっていたらしい。これだけでも凄い人物であるが、記念館へ行くとさらに驚きの発明品が沢山あった。

さて、毎年8月は、竹原珠算学校へ職員研修をしているが、振り返ればもう10年の時が流れている。今年は久しぶりの『KIDS2~5』だったが、内容は基本を崩さず、算数と『ABACUS』へ繋がることを強調して講話した。竹原先生から「昔に聞いたKIDSとかなり展開が違うので凄く勉強になった」と褒められた。確かに同じ話を2回する必要はないので、かなり意識して講話したつもりである。

ただ、『KIDSスペシャル』が時間の都合上、来年となったことは残念であるが、1年間、講話した内容をしっかり幼児にアウトプットして欲しい。

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記号化の意味

たし算の「2こと3このりんごをあわせる」合併の問題は、2+3=5が立式できるが、これは、たし算の意味を「+」という記号を用いて言葉(概念)で表現しているのである。また、「+」は、「ふえるといくつ」という増加にも用いられるので、合併と増加を統合する「シンボル」にもなる。

つまり、児童が文章を読み取って、「+、-、×、÷」を選んで演算を決定するということは、文章を記号に転化して情報処理能力を活発に働かせているということなのである。

算数は、記号化の他に、一般化や特殊化、抽象化、単純化など沢山の考え方がある。この根底には、算数を創造し、発展させる役割があるので、指導者は効果的に使用することが極めて大切である。

珠算教育も記号化されたものを処理するのではなく、記号化できる学習に転化することが重要なのである。

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