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2012年9月

誤答は早めに対処すること

『ABACUS 6』は、『ABACUS 5』や『ABACUS 7』と比較すると、新たに「わり算」のような演算を習うこともないし、「もどし算」や「九立商」のような、難しい計算の仕組みを理解することもない。

つまり、基本的には『ABACUS 6』は、『ABACUS 5』の拡張されたテキストと考えてもよい。特にわり算においては、ほとんどの児童が「むりなく かくじつに」通過してくる。

したがって、『ABACUS 6』は、かけ算の「パターン1~4」を理解させることに集中すればよい。ところが誤答がP15・17に出る(意図的)。この2ページの通過率を如何に上げるかがポイントである。

P15は、「パターン1~3」、P17は「パターン1~4」の混合計算であるから、誤答が出た場合は、「きちんとした意味をしっかり理解させた上で、学習を積んであげなかった」と、先生自身が反省すべきであろう。

どんな計算でも混合すれば計算は難しくなる。その逆にどんなに難しい計算でも、分解して意味を理解すれば、簡単な計算になるということだ。

この原理を指導者が理解していなければ、誤答を見つけても修正することはできない。つまり、上手く修正することが指導者の能力となるのだ。

したがって、誤答が出た場合は、速やかに計算を分解して仕組みを再認させることに努めることが大切である。

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小数のかけ算・わり算

9月20日の読売新聞(8時5分のニュース)で、「小数のかけ算・割り算、小6の半数近く理解せず」と配信された。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120919-00001570-yom-soci

「ゆとり教育で算数力が落ちた」と言われたが、ゆとり教育から脱却してもこのような結果が出るというのは、昔から「小数はできない」ということだ。これは、むしろ当たり前の結果だろう。

ここで問題なのは、「全国学力テスト」でも指摘されているように、「計算の意味を分からせることが改善されていない」という事実である。叫ぶのは簡単だが、結果を出すのは難しい。

常々私も「計算の意味はしっかり教えることが、計算を上手く処理することだ」と言っている。

計算が速くできることと、計算が分かることは全く別次元の話で、現代社会では計算の意味が分かることの方が大切とされている。その上に計算が速くできるならば問題はないのである。

「天地明察」のように、確かに算術とそろばんはしっかり分離しているが、小数のような計算は、むしろ算数とそろばんが融合された方が上手く理解できるようになる。

融合された珠算教育は、400年後のSSKCLUBに引き継がれていることを理解して欲しい。

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問題解決学習

幼児がモノを数える場合、『KIDS5』P12のような植木鉢や木の本数は、基本的に計数して答えるのが一般的である。しかし、モノが集まれば「集合」という考えが大切であることも理解させなければならい。

そこで、横の数を数えさせてから、「横8個、縦3個並んでいる植木鉢は全部で何個あるか?」を発問することも大切である。中には「24」と答える幼児もいるが、ほとんどは答えられない。

次に「もっと簡単に集めて数える方法はないか?」と問うことで思考が働く。はじめから「10こずつ数えて」という発問では、問題を解決する能力は養われない。

「10が2つ 1が4つで 24」と理解できれば、これは24を構成的に捉えたことになる。その後に鉢に番号をつけて 24番目が全体の数と一致する「基数性」が理解できれば、24を相対的に捉えたことになる。

このように計数から数の構成を導くには、問題を自主的に解決する能力が必要となる。これは数学の基礎ともなる能力なので、指導者は「なんでもかんでも教え過ぎない」という姿勢も大切である。

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順序位置数

『KIDS3』P17は、基数性(基数と序数の一体化)の他に「順序位置数」の学習を含んでいる。

順序位置数とは、例えば○○○●○○の場合、●は、左から4番目で、右から3番目の数である。この時、●の前に「○が3こ」、●の後に「○が2こ」ある。その後に「●はなんこある」という質問をすると、「4こ」「3こ」という誤答が予想される。この順序位置数は、その場所にある数なので、「1こ」しか存在しない。

この法則をきちんと理解すると、必然的に「偶数」「奇数」の素地的な意味が理解できるようになる。

P17終了後、おはじきを使って、9、10の順序位置数の学習をすると、「3口のたし算」「10の保存概念」が具体的操作を通して内面化される。

『テキスト』から離れて、学習を拡張することは、指導者が「何を身につけさせるか」をしっかり理解しておくことが重要である。

明日は、三重県本部講習会(KIDS4・5)が開催されるので、このことをふまえて具体的に講話したいと思う。

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分子積

「分子積」って何だろう?「積」とは違うのか?その点が曖昧な指導者は多いはずだ!また、分子積の重要性を軽視していないだろうか?

『ABACUS4』からかけ算、『ABACUS5』からわり算が始まる。導入時は、必ず図解を使って分子積を提示している。

234×2は、200×2=400  30×2=60  4×2=8 →400+60+8=468 と展開している。

一般的に計算は形式的な操作が強いが、導入時点から計算の意味を教えないで、形式的な指導に先走りすることはあまりにも乱暴である!

これは「九九=かけ算」と思い込んでいる珠算イデオロギーが昔から蔓延しているからであろう。200×2が「2×2」と思い込ませれば、分子積は九九の積と同化してしまう。先生が「そう言っている」から、児童はそれが正しいと思い込むのは当たり前だろう!

筆算でも、分子積はきちんと書いて指導している。珠算はそろばんを使って教えるから「0」が知覚で認識できないのは分かるが、分子積を教えないという理由はどこにも無い。

ましてや導入から「両落し」の計算を教えていたら、筆算との関連を根こそぎ絶っているようなものだ!

算法が違えば「そろばんは算数に役に立つ」どころか、負の学習にもなりかねない。この点をよく考えて分子積と分配法則を上手く使って指導して欲しいものだ。

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基数性

『KIDS 3』P9に「8ばんめ」「8にん」を塗る問題がある。一般的にモノを数えた時の最後の数詞が全体の数を表していることを「基数性」と言う。幼児期は、概念定着していないので、この原理は正直いって難しい。また「同じ数」の理解も「異数」より難しい。

したがって、基数性のような原理は、何度も繰り返しながら学習させることも大切であるが、写真のように集合数を捉えた後に順序数を付け加えることで、順序数が独立数として理解できるようになる。順序数は「8ばんめの8」であるが、数は1つである。この原理が理解できることは、数直線・連続量・時計の問題に影響を及ぼす。

1学年で、時計やものさしが読めないのは、実は、この基数性がしっかりと定着していないからである。

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群馬県本部講習会

長野・福岡・群馬と講習会が3週続いたが、無事終わることができてほっとしている。
今回のテーマは広島県本部講習会と同じであるが、内容はかなり異なっている。

具体的に言えば、『わり算1』と『Lesson5』の学習の進め方を中心にしたことだ。

そこで、『わり算1』と『Lesson5』を次のように展開して欲しい。

『ABACUS ドリル4 (№5~10)』修了後、『わり算1』を学習開始(P1~12まで学習)→『Lesson5』を学習開始(P1~7まで学習)→『わり算1』に戻る(P13~16まで学習)→『Lesson5』に戻る(P8~10まで学習)→『わり算1』に戻る(P17~18まで学習)→『Lesson5』に戻る(P11~20まで学習)→『わり算1』に戻る(P19~20)

上記の様に、『わり算1』と『Lesson5』を交互に学習を進めることから、今後はテキストを切り替えるページに、上記のことを明記して改訂します。

また、『わり算2』は、『わり算1』と『Lesson5』が修了後に開始する。(修了時期は『Lesson6』と併用となっても構わない。)

とくに『わり算2』は、「あまりのあるわり算」がメインなので、解説書を熟読してから指導して欲しい。

※ 解答の「・・・」→「あまり」と訂正して下さい。

わり算はかけ算がベースなので、その基となる「分配法則」(分子積)をしっかり理解させることがかけ算とわり算の安定に繋がるのである。

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