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2012年5月

文化的な珠算

全国大会まで、あと1ケ月となった。6月は三重・茨城・石川(金城幼稚園)の3本の講習が控えているので、なんとか無事に終わりたい気分である。

また、今年の「プロジェクト」の添削も昨日で終わり、少し気持ちが楽になった。それにしてもレポート内容がかなりレベルアップしているので、それと並行してかなり自信がついたことが感じられる。これは添削をしていても嬉しいことである。

一般的に珠算界には、難しい規定も無く、指導も自由なところがある。そもそもそろばんは元禄時代に自由人が作ったものであるから、文化的な特色が色濃く出たのも頷けるところだ。

今、元禄時代の指導者と現代の指導者を比較することは難しいが、珠算法の新しい発明が今更あるとは思えないので、昔の方がレベルの高い人間が多いと思われる。

指導方法は教材が変わればレベルUPするが、自由な発想が無ければ、文化としての立場は揺らぐだろう。したがって、今後の珠算が生き延びるには、昔の伝統的考えをしても発展は無いことを早く気づいた方がよいと思う。

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テキスト修了

3月から始まった『KIDS1』が修了した。(年長児の場合、KIDS1と分類は、3か月の学習期間を要する)

毎回『KIDSテキスト』が修了した時点で、保護者様には、コメントと「修了パンフレット」を付けて返還する。

実際に、わが子がどんなことを習っているのか?どんな学習状態なのか?を知る権利がある。それに応えられなければ、教育がエゴ化してしまう危険性がある。

ということで、今回は、保護者様から添えられた手紙を紹介します。

いつもお世話になりありがとうございます。毎回、「すごく楽しかった」と喜んで帰って来ます。三重丸が貰えたのも嬉しかった様です。いつも先生のブログを楽しみに読まさせて頂いております。素晴らしい先生に、直接御指導して頂き感謝しております。今後とも宜しくお願い申し上げます。

幼児期は、そろばんの技術より、むしろ数(かず・すう)の本質を指導することが大切である。数(かず・すう)の本質は、「3このりんご」の数(かず)を見た瞬間に「3」の数(すう)と認められることであり、この数の本質を取り出すには思考力が必要となる。

つまり、誰もが共通して認めることができるものが本質であるから、そろばんの五珠は「数の本質」とは言えないことになる。

直観された五珠の不確かな意味を、誰もが納得できる本質に変えることは、数を普遍的な意味に転換しない限り無理である。これを「五珠の本質観取」と言う。

したがって、幼児期にそろばんの計算ばかりを教え込むと、本質よりむしろ自由な教育へ陥ることがある。ただし、この統一性の無い自由な教育で上手くいく幼児もいるが一般的ではないので、危険が伴う事実も指導者は認識すべきであろう。

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岐阜県本部講習会

朝晩まだ冷え込みが厳しい高山で、岐阜県本部講習会が開催された。会員が少ない中、全国から30名も集まったわけであるから素晴らしい。

今回は、『わり算1・2』『小数1・2』の4本で、全てのページを解説することは不可能だったので、要点をまとめて講話した。

『わり算1』は、『ABACUS5』と関連した「計算の意味・仕組み」の基本的なテキストである。また、『わり算1』は、かけ算と可逆的な意味合いが深いので、算数的な観点からも、とても重要なテキストである。

また、『わり算2』は、同数累減から拡張された包含除と「あまりのあるわり算」をバランスよく編集しているので、わり算がわからない3学年には最適なテキストとなる。

つまり、『かけ算1・2』と『わり算1.2』で、整数の四則計算は完成される。したがって、この4冊の中の1冊でも欠けて教えると、その後に習う小数の計算にも大きな影響を及ぼすことになる。特に小数は、「量と測定」・「数量関係」・「単位の換算」なども絡んでくるので、根底にある「数と計算」は、整数の範囲の学習段階で完璧にしておかなければならない。

わり算のあまりの意味は、そろばんを使うと計算過程ではっきりと見えるので、この場面で教具としてのそろばんの価値を、十分発揮することが大切である。

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そろばんの布数について

そろばんに布数する場合、1~4と5~9では、明らかに後者の方が難しい。従来のそろばんの場合、ここで何度も練習をして布数の定着を狙う。

しかし、実際の所1学年では、数を布数するだけではダメで、具体物⇔そろばん⇔数字が三位一体化され、尚且つソロバンが中間変数として機能しないと、計算の意味は理解できない。

計算の意味が分からなければ計算はできないとなると、必然的に「合成分解も理解できない」ということになる!

布数がままならない児童が合成分解をスラスラ解けることは、実際問題かなり厳しいと思われる。

『ABACUS1A』のP20の□の中に、数を入れる問題があるが、この後に、数→そろばん・具体物→そろばんという流れで「おいたり はらったりする」と、5の認識も強化される。

五珠は確かに「1が5つ集まった数」であるが、それには図のように、混合した数を認識する能力が必要である。この手順無しに、「5珠だからひとつで5を表すから覚えてね。」と何十回吠えても、「1に見える限り5と認識するのは厳しい」のである。

一般的な珠算教育において布数する学習は無いが、布数の学習は「ひき算」にも同化できる点を考えると、数字だけが数だ!と思い込む指導は危険な落とし穴のオンパレードである。

要するに、指導者がこの点をよく理解していないと、低学年は初歩の段階で躓くのである!

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関東学習会

昨日「関東学習会」に参加させてもらった。自分が主宰している学習会だが、これは学習会というより、「講習会」といっていいだろう。テキストの指導を忠実に伝えられたり、質問も適確に回答できるということは、やはり、中島先生の講習会の受講数やレポートの数の多さからも頷けるところだ。

自分の知らないことを教えてもらう場合、決して「評論家」にならないことが重要である。ここを間違えると、一気に思考回路が乱れるようになる。講習会は、話し手と聞き手の協力がなければアウトであろう。

今回の学習会で、一番驚いたことは、この学習会に実に80名弱の先生が参加したことである。九州や四国、ましてや中国地方から関東に足を運ぶことは簡単なことではない。やはり、これも中島先生の人望だと思う。これは自分も見習わなくてはならない点であろう!

今回は30分間、講話させて頂いたが、いつもの本部講習会とは違った感じで少々緊張もしたが、やはり場慣れた席は気持ちが楽になる。

これからは、東京から発信される「SSKCLUB本部講習会」があってもいいと改めて思った。指導者の育成こそが珠算教育の発展であることを願って、関東学習会がまた日曜日に開催されるならば、是非参加したいと思った!

来年は、東京でSSKCLUB全国大会を開催するので、是非とも関東圏の先生方の協力をお願いします。

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平成24年度 育成プロジェクト募集

平成24年度 育成プロジェクトの募集をします。

1、申込期間 平成24年5月1日~8月31日まで

2、レポートは、平成24年9月~25年5月31日までの本部講習会の受講内容を対象とします。

3、原稿は「ワード」で書き、本部事務局へEメールで送って下さい。(※他の書式の場合は添削しません。)

4、レポートの提出期限は、講習日から一週間です。(講習が連続する月もあるので締切り厳守でお願いします。)

5、申請方法は、SSKCLUB幹事の中島えいこ先生に「育成プロジェクト申請書」を請求し、本部事務局へ提出して下さい。(FAX・メール可)

6、参加資格は、第1期生(平成23年度)を除くSSKCLUB会員。

平成23年度の育成プロジェクトも、あと岐阜県本部講習会を残すだけとなった。この1年間のメンバーのレポートを読むと、かなり力が付いてきたと思う。人間は何か約束事があると、力を発揮しようと思うので、プロジェクトは最短で勉強ができる最良の場である。

組織が大きくなることと、個人の指導力が伸びることの相関は無い。むしろ集団で共同作業すると、一人あたりの作業量が低下する。(人数が多くなればなる程、他の誰かがやってくれるだろうと思い、一人の出す力が弱くなるため)これを「社会的手抜き(リンゲルマン効果)」という。

今期も今月末で終わるが、1年間を振り返ってみて自分自身の勉強量はどうでしたか?講習会以外にも勉強できる場はあるので、継続して学びましょう。要は行動あるのみ!です。

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草莽の有志

ゴールデンウィークはしっかり充電したので、全国までの残り4本の本部講習会と、来年の『新テキスト』の執筆に全力を出したい。

来週末に開催される「関東学習会」と、7月に開催される「全国大会」は、沢山の先生が一同に集まって頂ける。これは、主宰者としては非常に喜ばしいことである。

もともとSSKCLUBは、「草莽の有志」の気持ちで立ち上げた勉強会なので、会員の資格や講習会の受講については、原則自由としている。ただし自由であるが故に、組織の充実については厳しい気持ちで臨んでいるわけである。

最近は色々なところからオファーもくるが、SSKCLUBはあくまでも珠算教育の発展のための勉強の場なので、無理して有名になったり組織が大きくなることは願っていない。あくまでも自然であれば良しとしている。

人間は好きな仕事をしている時に「幸せ」を感じる動物だから、講習会や全国大会は大変有意義なものとなる。組織が大きくなると、志した精神がいつの間にか崩れるのが常であるが、幕末の新選組(近藤勇)のような結末にならないように気をつけたい。

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5の分解

算数のひき算においては、「ひき算はどんな時に用いるのか」の次に「ひき算の計算はどのようにするのか」という意味をかなり重要視している。

例えば60-40の場合、具体的な問題から「おつり」や「残金」を求めるように指示される。ところが珠算の場合、60-40は「1入れて5はらう」という法則(運珠法)を使う。これは一見、便利そうに感じるが、意味を伴っていないので全く想像もつかない誤答が多くでる。特に1学年あたりでは、最悪の結果となる場合が多い。

そろばんは5珠を使うことから、50-40と60-40では意味が異なる。50-40は、おつりと残金が一致するが、60-40は、50円を払って10円のおつりをもらい、残金を20円としなければならない。

このおつりと残金の意味が分かれば、日常生活においても、ひき算を用いる時に効果的に用いることができる。60-40=20という答えだけを捉えると、算数と珠算は同化されているように感じられるが、児童はこれを同化することができないから誤答が出るわけである。

「正答が出れば良い」というより、そのプロセスを理解させた方が、算数力は格段にUPする。

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