実数のみの計算は危険
『テキスト』と一般的な『珠算教材』の違いは、『テキスト』は、「物体」→「実数」のプロセスがあるが、『珠算教材』は、はじめから実数を扱う点である。大多数の珠算の先生は、『テキスト』の体系に反対意見があるようだが、この根拠は何だろうか聞いてみたい。
例えば、「りんご2こと、3こを あわせて なんこ」かは、計数そろばんを使えば、幼児でも問題なくできる計算である。ところが、そろばんを使うと、「五珠」がネックとなる。
つまり、計数そろばんの5とそろばんの5は、明らかに物体が違っているのである。計数そろばんの5は、具体的分離量であるが、そろばんの5は、抽象的分離量(虚数的分離量)である。これを幼児にいきなり「5と理解せよ」ということは、ある意味無謀なことである。
また、2mや5dLなどは、この世に存在しないもので、それらはいつも物の「長さ」や、「かさ」としてしか実在しないものである。これに小数を含んだら、さらに難しい世界に入り込んで行く。0.2、1/2という実数だけを処理できても、それは単なるその場しのぎにしかならない。
何れ児童は算数から数学や自然科学、さらに日常生活においても、物体から量を扱うのだから、整数も小数を教える場合をふまえて指導し、実数からの導入は慎んだ方がよいだろう。
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