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計数そろばんと数観念

写真の①の三角形を見て、大人は三角形の上に紙がのっていると見なすことができる。

イギリスのバウアー(ミネソタ大学教授)が幼児に行った「知覚」の実験でも、条件づけをすると、①=② ①≠③ ①≠④という結果が統計的に証明されている。欠損していても△と見なすことができるのは、見ている対象そのものが持っている性質に反応できるということに他ならない。さらに、この性質を構造化していくことが知覚であり、知覚から認識が獲得できるわけである。

計数そろばんは、布数した数の下に絶えず10の補数が見えることで、普通のそろばんに移行しても問題なく補数を認識できるようになるし、無理に「たし算九九」を覚える必要もないのである。これは、△の図と同様に、構造が違えば知覚も認識も異なるので、「7+3」「10-7」などの10の合成分解は、計数そろばんの方がはるかに優れていることになる。

例えば、「7」を普通のそろばんに布数した時と、計数そろばんに布数した時を比較すると、普通のそろばんは7の下に2個の珠が見え、計数そろばんの下には3個の珠が見える。実際にこの違いを見た児童にとっては、普通のそろばんと計数そろばんは「構造が違う」だけでは済まされない重要な問題なのである。なぜなら、普通のそろばんを「9までの数を表す9珠そろばん」と考えるなら、相対的な10をイメージすることが1回もない(永久にない)からである。

相対的な数が知覚できない段階で、これを「認識して欲しい」と言い聞かせても無理だろうし、いくら言葉で「7といくつで10」と質問されても、イメージが湧くはずがない。つまり、数観念は獲得できないということだ!そろばんが「9珠そろばん」でOKなのは、「関係概念」と「数観念」を獲得した後である。

そろばんは機能的に優れた教具であるが、優れているが故に間違った使い方や誤った指導をすると児童が困惑するので、この点を十分に考慮しながら導入して欲しい。

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