合成分解について
一般的に1学年の算数で、合成分解は「泣きどころ」と言われている。その要因は、加法の場合、1+9 2+9 3+9・・・と、被加数分解をしてから「1と9で10」という合成が含まれている点である。
ひき算は、10-9 11-9 12-9・・・と、減法と加法が混合(減加法)しているが、減法が優先しているため、計算の構造は加法より簡単である。
そろばんの場合、「1をはらって(ひいて)10を入れる」操作が、動作を伴っているために、「ひき算」と混乱する可能性が高い。さらに1と9、2と8、3と7・・・の数観念(合成分解)が定着していなければ、なおさら計算は難しくなる。
珠算では、補数を見つけさせる場合、「9のともだちはいくつ?」「9といくつで10になる?」という変な質問をする指導者が多い。また、「加法九九」を使う場合もある。「9のともだち」や「加法九九」は、数理が伴っていないので、覚えるしか手がない。
では、算数では如何だろうか?合成分解に関わらず、「9は10よりいくつ小さい数か?」や「10は8よりいくつ大きい数か?」まで指導するのが常識である。4+8の場合、「8は10よりいくつ小さい数か?」これが理解できていれば、すんなり「2をはらう」という意識が働く。まさに、自然の摂理である。
1学年の児童に合成分解を理解させるには、指導者の知識の豊富さがかなり大きいことを認識しておくことが大切であろう。
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