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九立商

「2桁のわり算」は算数でも難しいとされている。それは暗算力(2桁×1桁)を問われることと、もどし算・九立商が含まれるからである。

算数には、これが「もどし算」、これが「九立商」という定義づけはない。珠算は昔から形式的な指導法をするため、「2桁のわり算」→「もどし算」→「九立商」という数理的な関連性は無視して「定義中心」で学んでいく。だが、これでは『テキスト』のように「九立商」は「もどし算」という考えはできない。

昔、有名な大先輩に「もどし算」の指導法を聞いたところ、「もどし算は手品のように教える」と言われた。この発言には20代の自分でも「ドン引き」であった。じゃあ「もどし算」は「騙すことなのか?」と言われても仕方がないだろう。

『ABACUS7B P16』のような「2桁のわり算」→「もどし算」→「九立商」の関連づけた問題を解くことにより、「なぜもどすのか?」「なぜ9が立つのか?」を理解してくる。逆に言えば、135÷15は「10こ買えないから 1こ少ない9個になる」という論理的な考えができるようになる。「初めから9こ買えるからね」と言われても、児童は「10こ買った時、150円になるんだ」という考えができなければ、「先生が何を言っているのかさっぱり分からない」ということになる。

形式的に教えた方が「手間がかからない」と思うかもしれないが、誤答が増えて直す手間の方が遥かに問題であろう。

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