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2011年2月

合成分解の過ち

珠算の3+2は、「2は5を入れて3はらう」という運珠法を使って計算をするが、3+2は、記号や数字を使って意味を伝えているわけで、「3と2でいくつですか?」ということである。

ところが従来の珠算では、3+2は「5を入れて・・・はらう」となり、これでは既に計算で求めるべき答えを先に教えているようなものである。

さらに3+3の計算になると、「5は3といくつ?」「3といくつで5?」という変な質問をする。この声掛けを式で表すなら3+□=5は5-3のことだから、たし算が突然ひき算に変身してしまう。

これを1年生に強要すること自体が無理難題。できないのは当然であろう。

ひき算の5-3も「2を入れて5をはらう」と教えてもらうが、これも答えを教えているようなものだ。

ところが、3+7や10-3は、記号通りの運珠であるため、何ら問題なく理解できる。そこで合成分解は「10の方が簡単」というふざけた論理が成り立つ訳だ。

さらに30+20の計算も「2は5を入れて3はらう」で済まされる。

じゃぁ、3+2と30+20は同じなのか???

10を3+2集めたものであるという考えが根底にあれば問題ないが、それには量感を伴った数(かず)を教えておかなければならない。

そろばんで全てを処理させようという、強引な指導が、結果的に珠算が算数に化合されない理由である。

算数では「数理的な考察力を養う」と謳っているが、それは3+2、30+20の因果関係を解明していくことに他ならない。それにはその道筋を伴った指導やテキストが必要なのである。

『KIDS』で育った児童が凄いのは、計算が速くできることではない。

計算の仕組みが鮮明になるからである。

これが実は一番計算に役に立つ訳!この認識なくして珠算の発展は無い。

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栃木県本部講習会

日曜日、無事栃木県本部講習会が終わり、ホッとしているところである。

入会間もない先生方が多いので、専門用語は省いて話したが、正直100%上手く伝わったとは思っていないので、講習会はできるだけ積極的に参加してください。

「ぱちぱち日記」にも掲載されているように、1時間目に話した「合成分解の概論」は、今回初めて話したが、初心者には、「SSKCLUB」と「一般的珠算」との相違点、または、算数との類似点をしっかり認識して頂かないと、『テキスト』は上手く使いこなせないわけである。

ただ、漠然と合成分解を教えるのと、目的や意図することを考えて教えるとでは、全く異なった結果になるのは言うまでもない。

これから珠算界がどのような道に進んでも、SSKCLUBの理念は揺らぐことは決してない。世の中の子どもたちの幸せを願っている教育に、政治や経済の影響などを考える方が邪道であろう。

さて、明日は「愛知学習会」で『KIDS』の講習会がある。内心少々疲れているので体が重いが、頑張って話してくるつもりである。

※8月には、またまたBigな講習会の依頼があり、今年も前進あるのみ!

※もう一つ、来週の月曜日に『KIDSパズル解説&解答書』第100弾を発売します。

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知識と学習

先日、『かけ算2』の解説&解答書を発売したが「九九を覚えさせるか?」「数理的に理解させるか?」どちらが児童の思考力に大きく影響するかは、今更言うまでもないことである。

基本的に、珠算は数理的に捉えさせることが難しいが、これは従来の教材(指導法)のことを指している。

では、「数理的に理解させる」ということはどういうことなのか?

かけ算を例に挙げるなら、九九(1桁のかけ算)は、たし算の「同数累加」から拡張され、わり算(等分除)へと繋がっていくが、この時に大切なことは、それぞれの演算同士の関係が、適切に知識の中に埋め込まれているかどうかである。

つまり、たし算はたし算、かけ算はかけ算と独立しないことである。

「学習は気づくことから始まる」が、指導者が児童に対して気づかせる配慮がないと、「学習」にはならない。このように考えると、珠算をいくら背伸びして頑張っても、肝心な中身(ソフト)が間違っていれば、努力は無駄に終わることになる。

これに気づくかどうかは、結局指導者の知識であり、珠算と算数との関係を理解できるかどうかだ。

日曜日の「栃木県本部講習会」(49名参加)は、『2A』~『3A』を講習するが、今回はSSKCLUBの指導と従来の指導の違いをズバリ斬るつもりでいる。耳の痛い話でもあるが、これも将来に繋がる発展的な改革なのでお許し頂きたい。

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KIDSパズル解説&解答書

昨日、『KIDSパズル解説&解答書』を書き上げることができた。3年で44冊を制作したことは、予定より早かったと思う。

人間は誓いや決まりをつくることが好きだが、実行することは苦手な生き物である。これに打ち勝つには公言するしかない。一見乱暴な様だが、公言することでやらない訳にはいかなくなるので、ある意味、理に叶った公約となる訳である。

これで、『テキスト』と『解説&解答書』で100冊となった。

ただ、これで終わりとは思っていない。むしろこれからが「珠算改革」の始まりである。

今年も「全国大会(石川県)」で、『メートル法(2学年用)』の講義を予定し、現在テキストを試作中である。

また、『ブログ3』も全国大会で発売するので、今期の事業計画も予定通り進んでいることになる。

先月、長崎で「オーラ診断」をした時「オレンジイエロー」と判定され、計画的な性格や研究者向きという診断で、今の仕事は、ある意味「天職」かも知れないと思った。

とりあえず、長い「定期テスト」が終わった心境であり、次回の「栃木本部講習会(49名参加)」まで、充電できるようにのんびり過ごします。

栃木は初の開催地でもあるので、関東の先生方、どうぞよろしくお願いします。

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競技大会

今日は「愛知県珠算競技大会」の開催日であったが、もう7年、ずーと不参加である。

競技会の好きな先生にとっては、自分が日頃書いていることに反論があるかも知れないが、言論の自由もあるので、ブログには率直な自分の思いを書くつもりである。

競技会は、必ず「誰かが勝って、誰かが負ける」

法曹界では「ゼロサム・ゲーム」と言うが、これと等しい仕組みがある。その反対に「相手が欲しいものを相手に与えれば、双方とも幸せになる」という「プラス・サム」という考えもある。現代社会においては、圧倒的に「プラス・サム」の方が重要視されていることは言うまでもない。

世の中は「競争原理」が蔓延っているが、「そろばん=算数」という願いを保護者様方が望んでいる以上、そろばんの技能は普通でよいのではなかろうか?

「そろばんがずば抜けて上手くならない」悩みより「簡単な計算ができない」悩みの方が、指導者としては重大問題であり、算数ができない子を持った親の気持ちは深刻であろう。

今日、『ザ・かけ算2』の印刷が終わり、来週の月曜日に発売する予定で、ほぼ計画通りに進んでいる。

自分の限界を定め、いつでも方向転換できるよう柔軟的な能力を鍛え上げるには、どのような点に注意すればよいのだろう?

それはズバリ、決まりきった習わしを惰性で行わないことである。習わしに巻き込まれるような、「生温い」人生感では、ふと振り返った時に結局何も残らなかった空しさや後悔の念に苛まれるに違いない。

最近は特に、そんな気がしてならない。

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知事・市長選

日曜日は愛知県知事及び名古屋市長選が行われ、開票1分後に当確が出た。これなら開票速報番組なんて要らないじゃん!

愛知県から全国へ改革発信ができたことは個人的にも嬉しいが、この先心配もある。特に大村知事は、隣の碧南市出身で西尾高校卒であるため、非常に身近な人間なので想いも一入である。

今、政界も相撲界も波乱尽くめだ。珠算界も同様に長い歴史と文化があるため、心配であることは言うまでもない。

従来の珠算の概念を壊すことは容易なことではないが、SSKCLUBのようなクリエーティブな組織は、新しいアイデアを試せる自由がある。

一般的に珠算人にとって、「イノベーションは費用がかかる」と思われがちであるが、長期的にみれば非常に安値になるし、真面目に取り組めば必ず成功率の高い教育である。

つまり、SSKCLUBの基本的な理念を学べば、子どもや保護者様から協力的な環境(信用)が得られる。更に、この教育が世の中から認められるようになれば、必然的にモチベーションは上がり、人生に転機が訪れる。

今まで珠算教育に閉塞感があった先生も、「生き甲斐が見つかり、精神的に健康になった」と言われることが多い。

やはり仕事に対する姿勢は非常に大切であり、自分の志した道を諦めずに進めば何とかなるものだと、選挙を見て強く感じた。

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99作目完成

『かけ算2解説&解答書』の原稿が完成した。

あとは『KIDSパズル』を残すのみになったので、今回はいつもより集中できた。

児童も大人もゴールが見えると、自然にエンジンがかかるものである。この点においては『テキスト』にもいえることで、学習心理上20ページ構成は、かなりの効果があると思われる。

今『メートル法』(2学年)も書いているが、「人間は忘れる動物」なので、如何に意識して継続できるかが大切であろう。

最近ネットで「ダイエットは毎日の体重を記録すると、意識が働いて食べ過ぎにブレーキがかかる」とあった。

『テキスト』や『ブログ』も記録すると、意識が働き継続できるようになる。

『ブログ』は、「ぱちぱち日記」や「SSKCLUBとともに」もあるので、どうしても書かないと「ヤバイっすよ」状態になる。

ふとしたきっかけで始めたブログだが、今日まで続けてこれたのは、この2名の存在が大きい。やはり仲間やライバルは必要である。

言い換えると会員が250名いることは、非常に勉強しやすい環境にいるということだ。

さて、残り1冊、来週から書き始めるが、富山県本部講習会が『パズル』なので、なんとか間に合うように仕上げたい。

これで晴れて100冊になる。万歳!

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栃木県本部講習会

今月20日に「栃木県本部講習会」を宇都宮市で開催する。

昨日、参加者名簿が送られて来たが、今期から開催することになったにも関わらず、昨日現在で47名の申し込みがあった。47名とは何とも驚きの数である。

10年前の全国大会が25名だったことを考えると、プチ全国大会のようなものである。参加者がほとんど3年未満ということもあって、今回は「初心者向けの指導法」に講習内容を切り替えることにした。

新学期が近いこともあって、テーマが『ABACUS2~3』なので、より充実した内容にするためにも責任重大である。

特に1時間目は、「ABACUSの概論」(初めて話す内容)を予定しているので、この段階で理解できれば『テキスト』はスムーズに教えられるであろう。

聞く方も話す方も一体化した講習は難しいが、プロである以上妥協したくない。

これから開催までの3週間、内容を入念に練り上げていくつもりなので、楽しみに待っていてください。

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