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2011年1月

わり算2解説&解答書

『わり算2解説&解答書』を本日発売します。当初、水曜日を発売予定としていたが、印刷機の不調で少し遅れました。何とか月末に間に合ってよかったです。

さて、「わり算」と言えば、かけ算の可逆的な演算(等分除)とひき算(包含除)の意味があるが、珠算は「意味づけを無視」するのでアルゴリズム的指導に陥りやすい。このアルゴリズムは、「動機づけ」と深く関わっているので、「意味づけ」を教える時は、「早く覚える」ことを強要したらアウトである。

さらに「あまりのあるわり算」と「わりきれるわり算」を統合的に教えることは、筆算でも重要な学習であるので、珠算も「あまりのあるわり算」を教えた方が良い。

珠算は「そろばん」を使って計算することから、「あまり」がイメージとして捉えられる。つまり、操作がイメージとして内面化することを助長するわけである。

この世の中「わり切れない」ことの方が多いから、小数が必要になってくる。この小数もやがて「わり算」へ還元されるわけであるから、わり算は非常に大切な演算になることは言うまでもない。

明治時代に一時「五則計算」と言われた時があるが、それは「わり算には等分除と包含除の2種類がある」という意味からである。したがって、わり算の意味は、他の演算に比べ非常に難しいので、指導者が安易に捉えていると、わり算を嫌いになる児童が増える恐れがある。

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珠算の改革

昨日、愛知県支部の機関紙『そろばん愛知』が届いた。その中で参与のH先生の文章に目が止まったので紹介します。

「そろばん」の将来を深く考え、憂慮している先生も大勢おられますが、具体的に何のような行動を起こせば良いかも、まったく五里霧中であり、目標をつかめず、良く理解出来ないうちに時勢が移ってしまっているのが現状ではないでしょうか?

社会は既に、職人技を求める『実務型珠算』から、人間形成に貢献する『学習型珠算』に求める目的が変わって来ていることに、気がつかないのか、気が付いていても、自分たちが変わろうとしないのか、変われないのか、問題の根は深いところに存在すると思われますが、百年一日の如きの態勢では、「そろばん」は何れ過去のものとして、消えて行くことは必定です。

2001年新世紀到来と騒がれてから既に10年が経過しました。この十年間に何か変わったことが有ったでしょうか?連盟の会員の著しい減少と、会員の老齢化以外に何も変わったことは起きていません。(以下略)

確かに「珠算の改革」が必要であることは、珠算人であれば誰でも理解していることだが、具体的に何をどうすればよいのか、これは非常に難しいことであろう。

ましてや改革するには、とてつもない時間が必要となる。SSKCLUBも10年かかって辿り着いたわけである。しかし、SSKCLUBの同志は、珠算人口の中で全体の2%に過ぎないことも認識することが大切である。

SSKCLUB以外にも同じ志を持っている先生がいることは嬉しいが、もう一歩踏み込んで同じ仲間として共に学ぶことがでるならば、「改革」はもっと早く実現できる。

「珠算の改革」はなぜ重要なのか?それは子どもの幸せに繋がるからである。

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長崎県本部講習会

23日に長崎県本部講習会が開催された。長崎県の会員が増えたことから、初めて市内で開催した。

今後は福岡と長崎の両県で、年2回講習会を開催する予定なので、両方参加可能であれば『テキスト』も早くマスターできるようになるであろう。会員の皆さんは、是非とも参加して勉強して欲しい。

今回の『ABACUS7』は、珠算教育では重要な「2桁のわり算」「もどし算」「九立商」を含んだ内容である。これを無理なく、確実に教えるには「数学的思考」をふまえた方が絶対に良い。つまり、形式的な指導(アルゴリズム的な教え方)をすると、著しく思考力は低下するということだ。

『7A・B』を上手に指導できれば、今まで苦労して教えていたことがまるで夢のように解決してくる。珠算をクリエーテイブな教育と考えるかどうかは指導者と教材で決まる。

昨年の「竜馬伝」にあやかり、前日「亀山社中」を訪れたところ、偶然に「勝海舟役の武田鉄矢さんと長崎市長」に遭遇。(亀山社中の名誉館長に就任記者会見とTV・新聞取材)

ちゃっかりサインと握手もしてもらい、サプライズなプチ観光になりました。

土・日曜日と快晴で、晴れ男は更にハッピーな講習会となりました。

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わり算2

土曜日~月曜日まで、「長崎県本部講習会」のため不在になるので、『わり算2』を急いで書き上げた。これで長崎へ気持ちよく出かけられる。

発売は2月を予定しているが、これから印刷製本作業に入るので後日また連絡します。

ここまで『解説&解答書』を書いてくると、正直ネタ不足に悩んでいるが、残すところ『かけ算2』と『KIDSパズル』の2冊なので、なんとか知恵を絞って書くつもりである。

『わり算2』がスムーズに学習できる児童を見ていると、まず『ABACUS6』のわり算でつまずくことは皆無である。1桁のわり算が基本になっているから当然と言えば当然である。

ところで、「わり算」と「除法」は同じ意味であるだろうか?

『わり算2』では、その違いを簡単に触れながら、「あまりのあるわり算」を数学的に捉えて解説しているので、難しいかもしれないが、しっかり勉強してほしい。

テキスト+解説書=98冊 残り2冊で 100冊となる。

今期の事業計画も着実に進んでいる。

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繰り上がり・繰り下がり

10以上の数の理解で大切なのは、「10が何個と1を何個あわせた数」と「1を何個あつめた数」という捉え方である。

具体的な提示として『ABACUS1BのP12』でお金を使って、「1円玉が22個」と「10円玉が2個と1円玉2個」の金額を示している。

このような「数の構成」は「1円玉12個で12円」の金額を「10円玉1個と1円玉2個」で表せることが「繰り上がり」に繋がり「10円玉1個と1円玉2個で12円」の金額を「1円玉12個」で表せることが「繰り下がり」に繋がっていく。

つまり、「一の位の10」を、「十の位の1」とするのが、「繰り上がり」で、「十の位の1」を「一の位の10」にするのが、「繰り下がり」ということである。

一般的に珠算の「繰り上がり・繰り下がり」は、「合成分解(運珠法)」で簡単に片づけられてしまうが、これは「そろばんの構造」から、「1が10個」という捉え方ができないためである。

『KIDS』は、計数そろばんを使って、「相対的な10」からスタートさせている。この意味が理解できれば、1学年でも「10の合成分解」がスムーズに行うことができるのだ。

つまり、「運珠法」はいらなくなるということで、不要なことは覚える必要もないため、児童はストレス無く学習できるようになる。このように「繋がっているものが見える能力」を養うことができるのが、「SSKCLUBの指導者講習会」である。

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0の認識

十進数は、0~9までの10個の異なる数字(記号)と位取りで、無限の数を表わすことができる。

そろばんは数字と違って構造上「0」が見えないので、203、500のような「空位の0」が捉え難い。(203の0は、十の位が0であることを表し、500は5が百の位であることを表すために0が必要となる。)

また、『KIDS』や『ABACUS1A』で出てくる0は、「無の0」と言って、みかんが3個・2個・1個と個数が無くなった時に用いる0である。同様に、野球の試合などで「0点」も「無の0」である。

算数で大切なのは、「無の0」と「空位の0」であるが、問題は0をどう具体化するかであろう。

そろばんの0は実際に見えないため、数理的に捉えさせることが重要であり、それに気付いて教えているかは重大なことである。

さらに『ABACUS11』で教える「正の数・負の数」は、数直線を使って、「基準の0」から教えるので、珠算の「マイナス計算」とは意味が異なる。

「無の0」→「空位の0」→「基準の0」とスパイラルに教えることで、0の認識はより深まっていくのである。

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新生ぱちぱち日記

新年を機に、「ぱちぱち日記」のブログが移転した。

新生ぱちぱち日記は、完全にSSKCLUB会員限定の記事となる。良かれと思うことは柔軟に受け入れ、方向転換し改善していく所が、実に中島先生らしい。

本日、ぱちぱち日記移転後、はじめてのブログ公開となり早速読んだが、なかなか鋭いところに目を付けていると思った。

かけ算においては、教科書にもしっかりと「0」のかけ算が掲載されているにもかかわらず、珠算では、たし算やひき算に「0」の計算を含む問題が存在しない。

しかし、これはただ単に「習慣」に過ぎないことであり7=2+5+0も、数学的にはあり得ることなのである。この段階から「0」の意味をしっかり理解させないと、『KIDS』の「十進位取り記数法」にも理解不足が生じる。

また、10においても「1が10個集まった数」と「10のかたまりが1つ」と見る両方が存在している。これがスムーズに行われないと、繰り上がり、繰り下がりに混乱が生じることは言うまでもない。

つまり、「珠算の合成分解」の理解は、「十進位取り記数法」の理解なのである。

さらに、珠算は「そろばん」の構造上、「五二進法」を使うが、これは「5を含む表し方7=5+2」であるから、一見合理的に見えても、幼児にとってはあまりにも難し過ぎる。これを無理強いすれば間違い無く、思考力の低下を招く恐れがある。

したがって、『KIDS』テキスト以外の知識を入れると、とんでもない障害を起こすこともあるので、シンプルに的を外さない指導法が一番!ということである。

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KIDSスペシャル解説&解答書

明日『KIDSスペシャル解説&解答書』の発売を開始します。

『KIDSスペシャル』は、『KIDS1』~『KIDS5』までの総まとめ的なテキストであるが、解説は今回初めて語るところも多いので、その点を注意して読んで欲しい。

重要ポイント

P4発達心理から考察した計数そろばんの布数の利点

P5基数(集合数)と序数(順序数)・基数詞と序数詞の意味 

序数には「可算量」という量の意味も含む。この可算量により、基数と序数の関係が一層理解を深めることになる。

P6加法のアルゴリズムについて

P11十進位取り記数法と五二進法の関連について

そろばんに布数した「7」は5珠を使うことから、幼児が数を認識しにくいのは当たり前である。「7」は3である。このような観念的思考をどう捉えるかが、指導者の思考力である。

P15お金の計数と序数詞について

P16水道方式と『KIDS』の関連性について

チップもタイル(水道方式)も、大切にしているのは「量感」である。そろばんに布数した数をいくら「命数」できても、それは「量感」を伴うわけではない。

P20数学的な立場から見た「加減算」

このページは、特に重要である。

以上、簡単に述べたが、論じたところを意識して読んで頂くと、頭の中に入り易いと思われる。頑張って勉強して下さい。

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謹賀新年

あけましておめでとうございます。

今年もSSKCLUBをよろしくお願いします。

本日、『会報28号』は届きましたでしょうか?

また、沢山の年賀状を頂きありがとうございます。

(一部 旧住所で投函されていますので訂正をお願いします。)

さて、SSKCLUBの仕事は、5日から再開します。

まずは『KIDSスペシャル』を発売しますのでご期待下さい。

では、よい正月をお過ごし下さい。

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