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2010年11月

評価と幸福

先週の福岡講習会に初めて参加された会員の先生から「SSKCLUBの深さに驚愕しました。」というメールを頂いた。

正直とても嬉しいことである。

また、「ぱちぱち日記」http://ameblo.jp/nakajyuku/entry-10721587276.html のように、保護者様からもお褒めの言葉を頂いたことで、SSKCLUBの教育が算数教育にも大きく貢献していることが分かり、ここにSSKCLUBの本質を見た気がする。と同時に、会員の中でこのような人材が育ってきたことは、著者としても大変誇らしいことである。

さらに「SSKCLUBとともに」http://with-sskclub.blog.ocn.ne.jp/blog/や「ワークスそろばん教室」http://i-watanabe.jp/のような個性的な先生方にも支えられ、SSKCLUBは情報化テクロノジーの発達により、会員の先生の間にも友情が深まっている。

SSKCLUBは入会も自由で、封建的な制度も無い、効率的な情報珠算団体である。自分の得意としている仕事が、社会から高い評価を得るということは、言い換えれば「限界効用の逓増」にも繋がる。

「好きなことをやって仲間を増やし、子どもを幸せにして社会的評価も得る」これぞまさしく、先生も子どもも幸福になれる教育ということであろう。

SSKCLUBの輪は今後も大きく広がって行くが、この教育一本で貫く先生に幸多かれ!と強く願う。そして、講習会に参加した先生方は、私の講義内容を「腕と頭」に叩き込んで日々の授業に本気で臨んで欲しい。

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KIDS分類

先週は小倉で『KIDS1~3』、一昨日は愛知スペシャルで『KIDS1Ver.2』を講習した。今日の授業も、今月入会した年中児のTちゃんの『KIDS1』。

「花に色を塗りましょう。」

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色が覚えられないのであれば、事前に選択した色を左手に持って塗らせれば良い。しかも「葉っぱは、緑色だから覚える必要はない」ことに気がつく。

このように、覚えるモノを少なくした方が記憶は鮮明に保持される。はじめは、ぎこちない塗り方も、学習を積むことによって要領を得てくる。これが学習によるエッジ(刃)の研ぎ澄ましである。

仮に「塗る場所が分からない」と言う幼児に、カードを見ながら塗らせたならば、これはただの「塗り絵」になってしまうので知能の向上は期待できない。

算数(論理数学的)に関わる知能は、記憶と概念思考である。色の記憶があっても「どの場所にどの色を塗るか?」 は、色と場所の関係が理解できないと簡単には塗れないのである。

幼児教育が難しいとされているのは、発達と学習のミスマッチが大きいからである。この時に、ほんの少しだけ信号(指示)を変えるだけで、幼児は生き生きと授業に参加してくる。

色を覚えて、場所を選択する二次的な学習が困難であれば、先に色を選択させて塗らせる一次的な学習に転換すればよい。こうすることで、学習経過と共に二次的な学習も可能となってくる。

二次的、三次的な学習は珠算教育には沢山出てくるが、先生のアドバイスや工夫により、学習困難から救われる児童がいることを考えて指導すべきであろう。

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福岡県本部講習会

福岡県本部講習会の前に風邪をひき、ガラガラ声だったが、なんとか無事講習会を終えることができた。帰宅後は疲れが残り、なかなかブログを書く気が起きなかったが、ようやく正常に戻った。

今年の講習会テーマは、『分数』と『KIDS1~3』(昨年の全国大会の講習)がほとんどだが、来年は『KIDS4~スペシャル』まで『解説&解答書』をベースに全国で話すつもりなので、来年度の本部講習会も『KIDS』の要望が多いと思われる。

『KIDS』の発売はもう10年前になるが、毎年ベースUPしているので、定期的な講習を受けた方がよいかもしれない。既にもう10回以上受講している先生もいるので、ひょっとしたら自分より詳しいかもしれない。(笑)

幼児教育は「疑いや疑問」から指導は始まるが、日本人が得意とする「丸暗記型の指導法」では全く通用しない。

この点を間違えると幼児指導はまず失敗する。失敗した幼児の学習は戻せないことを、重要に受け止めて指導して欲しい。

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園児からの手紙

今日、11月6日(土)に金城幼稚園の先生(3名)と園児から、お手紙を頂きました。

先生からのお褒めの言葉を紹介します。

『園児のみならず、私たちも改めて算数教育の奥深さを感じ、先生の指導にも感心させられ、ますます勉強を重ねていきたいと強く思いました。

チップにシールを1枚ずつ貼り、数を数える方法はもとても解りやすく魅力的でした。その後、子どもたちから「つぎ いつ 数あそびするん?」と聞かれます。

子どもたちが「このテキストを作ってくれた先生が来てくれるんだね!」ととても楽しみにしておりました。1時間があっという間に過ぎたようで、「また、伊藤先生が来てほしいなぁ!」と言っておりました。保護者の方々からも「また、是非このような機会をつくって、親子で数あそびを楽しんで学びたいです。」との声があがりました。』

今回の「数あそび」で学んだことは、エピソード記憶として残ると思います。授業で一体何を学んだか?これを思い描けるかどうか?が学問では大切なことなのです。

園児の顔は本当に輝いていました。

感動できる仕事に携わっていることに誇りをもって、また精進したいと思います。

金城幼稚園のスタッフの先生、SSKCLUBの池田・市川・中島先生にも心からお礼申し上げます。

21日(日)は、いよいよ福岡県(小倉)本部講習会が開催されます。今回のテーマは『KIDS1~3』 金城で行なった授業を少し再現する予定です。ご期待下さい。

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チップとの再会

今日ランチした店の窓際に、白川郷の民族楽器「ささら」が置いてあった。昔この楽器を誰に貰ったか記憶にないが、たまたま家にあったのだ。

現在数あそびに使っている「チップ」は、実は、この「ささら」の木片をばらしたものである。

今回、金城幼稚園の公開授業で使ったチップは、この「ささら」を作っている高山の職人に作って貰ったオーダーメイドの木片である。

この楽器をバラすと、ちょうど糸で縛るところに溝がついている。この特殊な仕様を活かしたチップは、10枚重ねると、丁度溝の部分に輪ゴムが止まるようになる。輪ゴムも、小さめのものを使えば、一重に留めるだけでOKである。

このように、テキストが無い時代はほとんど教具のみで、幼児の授業を行っていた。SSKCLUBが発足し、幼児のテキストが出来てからは、チップ以外の教具はほとんど出番がなくなったが、唯一このチップだけは健在である。

15年前に思いついたチップに再会するとは!

「なんで こんなところに あるの?!」

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SSKCLUBのハブ

先週の土日は、金城・千葉と講習会が続いたが、あれからもう1週間が過ぎた。来週は小倉で講習会があるので、気持ちは完全に小倉に向いている。

実は小倉の講習会はSSKCLUB発足当時に2回開催したが、受講者が3~5名と少なく、結局取り止めになった。あれから、会員が250名を超え今回は25名が参加する。

珠算界の先生の数が激減する中でSSKCLUBの会員が増えるのは正直言って嬉しいことである。

この250名の先生方との繋がりに、家族のような強い繋がりはないが、テキストをハブ(結節点)にした仲介で広がっている。

このような繋がりは、「貨幣空間」と言って、輪は家族や友達(政治空間)より大きくなる。

つまり、家族や友達より紹介で知り合った人間関係の方が仕事では逆に「強い絆」になっていくということだ。

SSKCLUBの入会は原則的には自由であるが、入会したと同時に絆が生まれる。この絆無くして現代社会で組織の存続は難しい。

このような観点で組織を捉えると著者自ら講習会に出向き、講義するのはハブとしての役割を担っていることは言うまでもない。

著者⇔会員、会員⇔子ども達

多くの子ども達にSSKCLUBの珠算教育を施すという意味で、会員の先生方もハブとしての役割を担っていることを念頭において、日々の指導にあたって欲しい。

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金城幼稚園講演会

-昨日のブログ続編-

公開授業の後、保護者様対象に講演会(90分)を行った。

普段はSSKCLUBの先生方を指導しているが、今回は幼児の保護者様なのでどのような反応が返ってくるか不安であったが、非常に熱心に聞いて頂けたことに、改めて御礼申し上げます。

ここで少し講演内容を書いてみることにする。

一般的に知能と言えば、言語的知能と論理数学的知能が思い浮かぶと思うが、対人的知能や内省的知能のようなEQ(心の知能)も、実は重要な知能なのである。

EQが低いと大人になった時に幸福感を感じなくなってしまう訳はここにあるらしい。

KIDS(数あそび)は、論理数学的知能を向上させることが目的となるが、その中でも概念思考と記憶力を中心として展開していく。

例えば、12という数は、命数法で「じゅうに」と唱えても、記数法で12と書字できなければいけない。

さらに「12は10が1つと1を2こ あわせた数」「1を12こあつめた数」でもある。命数法は位を覚えなければ表せない数なので、記憶が重要になる。ところが記数法は、位よりポジションが大切になるために構成力(概念思考)が大切になる。

漠然と12を教えているようでも、数にはこのような基があるということを教えていかなければ、論理数学的な能力は養われない。同時に、12を十二と表すことができるならば、言語的知能にもプラスになる。

「計算が上手い」ことが算数に役に立つのは、はるか彼方のことである。幼児期に数の認識を重点的に指導すれば、計算は自然に付いてくる。つまり、幼稚園で行われている数あそびで十分な効果を望めるのである。

講演後、保護者様から多くの質問を受けたが、3・4学年の算数の悩みが非常に多かった。その内容も計算ができないというよりは、むしろ小数が分からない・文章題ができないという相談の方が多かった。

このようなことから、SSKCLUBの教育理念は、珠算界だけではなく一般的な保護者の需要にもしっかり応えられるものであるということを確信した。

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金城幼稚園公開授業

今回の講習会は6日(土)金城幼稚園(石川県)・7日(日)千葉県本部講習会とハードであったが、無事に終えて帰宅できたのでホッとしている。

金城幼稚園では、年長・年中児の「数あそび」の公開授業と、保護者向けに「幼児教育と算数」について講話した。

「数あそび」は自分の塾でも授業を行っているが、初対面の幼児に通常の授業を行うのは、正直言ってかなり難しい。

ただ、発達段階と学習を上手く絡ませれば何とかなると思って臨んだので幼児の反応も良く、結果は予想以上の出来栄えであったと思う。

今回の公開授業ではテキストを使用しないで、対応・数唱・計数・保存概念・順序数(順序位置数)・集合数・記数法などを、チップ・数表・パズルを使いながら指導した。

具体的にいえば、年長児は30までの数・年中児は15くらいの数を基準に、2分割で同時進行した訳である。

授業内容についての詳細は、中島先生が会報で報告する予定。こちらもどうぞご期待下さい。

※私からの講演会の報告は、後日改めてブログに記載する予定。

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