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珠算を帰納的に考える

合成分解が分からずして、そろばんはできない。その逆を考えると、そろばんが上手ければ、果たして合成分解の構造は理解できているのだろうか?

そろばんで小数の計算ができる時点で、当然小数の意味が理解できていなければならない。

だが実際問題、そろばんの算法のみで幼少時に小数計算まで習得し「1.2÷0.4=0.3」のような誤答を平気で出しているようでは、小数の意味をきちんと理解しているとはいえないのが現状である。このように考えると、そろばんは随分乱暴な演繹的指導に偏っているような気がする。

つまり、算法のみに固執した珠算指導は、いわゆる循環論法に他ならない。

例えば、合成分解を教える段階でつまずいた児童に最初に指導するのは、算法ではなく「何が原因なのかをはっきりと追求(理解)させなければ今後の学習に繋がらない」ということである。

一時「そろばん復権」という言葉が流行ったが、そろばんが復権したからといって、「合成分解ができる」ようにはならない。

政治でも「大きな政府」「小さな政府」と論じられているが、これと同じように珠算の発展は一つの塾・一人の児童の成長があってのことである。

合成分解で苦しんでいる児童がいるようでは、珠算が発展するのは今の時代では難しいし、珠算教育の今後を見定めるなら、合成分解や小数・分数・計算のきまりなどを帰納的に還元することが最優先であろう。

これによってそろばんが上手くなり、強いてはこれが珠算の発展に繋がる。このサイクルで循環していかないと、結局バブルのようにはじけて終わってしまうような気がする。

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