割合と分数の関係
『分数1』P1の「1mを3つに分けた1つ分の長さ」は、1mを基本とする量を1として考えると「3つに分けた1つ分の長さ」は「1/3にあたる」という割合(比)に統合される。
分数の導入時に「はしたの量」だけに限定して教えることが、実は大切なポイントなのである。
この時点で、分数が割合につながっていることを指導者が理解していれば指導にも幅ができる。
また、分数を比較の対象として考えれば、同値分数(等しい分数)→倍分・約分にも有効である。このように考えると、分数は整数の部分と全体を同一視できる能力にも関係していることが分かる。
分数の先にある割合について、さらに深く述べるならば「割合」とは、ある量が基本とする量の「何倍」にあたるかを示す比の値のことで、基本的には2つの同種の量を示すものである。
例えば、基本とする量を「1」として割合の大きさを表す場合は、小数や分数を用いるが、基本とする量を「100」として割合の大きさを表す場合は、百分率を用いる。
「分数は割合」「割合は分数」という考えは珠算教育と相反することであろうが、これがわかる指導者には明るい未来があるのは言うまでもない。
愛知の全国大会で『分数3』の解説をしたが、形式的な指導に陥らないことが、テキストを使いこなす上で大切な留意点である。
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