発達心理とテキスト
ピアジェの発達心理学(波多野完治1972年発行第8版)は、児童の発達段階を、感覚運動期・前操作期・具体的操作期・形式的操作期の4段階に区別し、それらの特徴を、自分の子どもの観察から明確にしたことはよく知られている話である。
もっと細かく述べるなら、具体的操作期は、7・8歳の第1段階と9・10歳の第2段階に分類されている。この2・3歳の発達の違いは、珠算指導においても無視しては通れないものである。
さらに、9・10歳の児童においては「二次元の関係を自分の考えで論理的に説明し、正しく推論すること」ができる。
例えば「定位法」の指導の場合、「小数」と「定位法」を上手く関連づけながら定着できるが、7・8歳の児童は「小数」の意味が構造的に理解できないため、定位法は「覚えて指を動かせばよい」という記憶のみの学習に陥る可能性が高い。
小数と定位法は本来独立変数である。それなのに、小数の意味を教えてもらっていないにも関わらず、小数計算を指導される。小数が分かっている9・10歳児童さえ理解に苦しむ定位法が、果たして7・8歳の児童に理解できるのだろうか?
『小数テキスト』で小数を学び『10Aテキスト』で0.2×4の簡単な問題(同数累加→かけ算)から導入すれば7・8歳の児童でも「二次的な関連性」が分かり始めてくる。
そろばんという「教具性の強い」道具を操作させることは、発達心理においても優れた学習であるといえるだろう。
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