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2010年5月

付加価値

今日のネット新聞に「牛丼戦争」のことが掲載されていた。吉野屋は牛丼の値下げはしないが明日から「うな丼」を販売するらしい。松屋もすき家も限定品のみ、更に値引きをする。

目先で安売り商戦が繰り広げられれば、経済の付加価値(GDP)はどんどん低下していく。この現象こそが、実は深刻な社会問題なのである。

このように世の中がどんどん「デフレ傾向」に走れば、名目利益は同じでも実質利益はダウンする。逆にわれわれ消費者は、収入が変わらなくても値段が安くなれば収入アップとなる。

この現象は、一見珠算教育とは無縁のような話であるが、児童・親のニーズにあったものを提供すれば同じ月謝であっても付加価値が高まり、前述したことと同じように実質的利益は上がることになる。

珠算教育に伴って算数能力が著しく向上すれば、教育も経済も同時に上がる。これから先の日本が「危ない」と言われているのは、国内の付加価値がどんどん下がっているからである。

珠算は日本古来の伝統文化と教育に支えられているが、これからの珠算教育も付加価値をつけて指導していかないと、日本の経済と同じ傾向になる可能性は大である。

現代社会のように先が見えない時ほど、しっかり勉強することが大切ではないだろうか?

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地アタマ

「地アタマ」とは、基本的なルールや法則を、操作を通して教えると、子どもの頭の中に本質的な数学力が習得できるということであろう。

例えば、かけ算の計算において重要な分配法則を使わなくても計算ができることから、筆算の「かけて足す」という基本的なルールさえ理解不能になり、挙句の果てには「計算の意味は分からないが計算はできる」ようになる。

つまり、早くから「計算だけをトレーニングする」と、「計算の意味や仕組みを理解しなくても計算ができる」という考えが起きてしまうのだ。

「KIDS」で計数そろばんやチップ・パズルを使うと、操作からイメージ→数字(記号・言葉)へ信号化される。信号化された能力は、そろばんでも算数でも学習する合成分解や、かけ算・わり算に共通して影響を及ぼす。さらに『テキスト』を使うことにより、信号とイメージのスイッチが瞬時に入れ替わり「構造の理解」が可能となる。

合成分解やかけ算・わり算が同じ思考領域で処理できれば、珠算が一本の線で結ばれる。これにより、児童にとっては非常に学習が楽になり分かりやすく感じられるようになる。

今の時代、「高い計算力」より「深い計算力」を求めている親が沢山いることを、我々珠算教育者は忘れてはならない。

この書籍『かしこい子どもを育てる地アタマのすすめ』を読んで、知能の開発を目指すSSKCLUBの教育理念と「地アタマ教育」も目指すところは同じであると強く感じた。

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全国大会 打ち合わせ

あと1ヶ月で「SSKCLUB全国大会」が開催される。

今日は「サンルートプラザホテル名古屋」で、講習会・懇親会・役員会となる会場と客室の下見をし、ホテルの担当者と打ち合わせをした。

名古屋駅から徒歩5分という好立地条件の会場なので、迷うことなく会場に到着することができると思う。

今年は10周年の記念大会でもあるが、昨年の入会数が50名を超えているので、長年在籍している先生方と初めて参加する先生方双方にとって、新鮮な全国大会になると思われる。

とくに新しい先生は全国大会で会員間の交流を深め、積極的にアクションを起こし、指導に活きる情報を得て欲しいものである。

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KIDS解説&解答書

本日『KIDS解説&解答書』1~3(4冊)を発売した。

特に『KIDS1』は、『Lesson 1』と『分類(classification)』を合体させた解説&解答書である。1ページずつ交互に解説を書いたので非常に読みやすくなっていると思う。

7月に開催される全国大会では、いち早くこの『解説&解答書』を使って、重要な箇所を厚く、熱く講習するのでご期待下さい。全国大会ではプロジェクターを活用するので、説明箇所もわかりやすいと思う。

ところで『解説&解答書』は、今期21冊を発行したが、残すところあと9冊(『文字テキスト』と『ドリル』を除く)となった。「先生や児童のために」と思い書き始めたが膨大な原稿量なので、やはり3年を要してしまった。3年間校正をして頂いた、池田・中島(ふくふく会長)には改めて御礼を申し上げたい。

全テキスト完成の折には、2人の大好きな美酒で乾杯しようと思う。いつもありがとう!

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勉強中!

最近は授業より次のような日々(人生)にすっかり変わってしまった。

本を読む(勉強)→テキスト・ブログ→講習

明日は久しぶりのオフで天気予報も雨らしいので、絶好の読書日和となりそうである。

珠算は10個の数字を、+・-・×・÷に沿って計算する学習であるが、SSKCLUBは、四則計算のみならず「算数」「心理学」がくっついている。これらのものがなければ、珠算を創作の世界には導けない。

例えば「創作料理」も、基本的な料理にさまざまな施しをすることで彩りを添える。つまり、SSKCLUBは「創作珠算」ということになる。創造は膨大な知識が必要となるが、この知識を得るエネルギーは、「知的好奇心」である。

我々は教育者という立場から、知識は浅く広く教えるより、深く教える方が子どもが理解し易いことを知っている。この深く教えることを具体化したものが『テキスト』である。

講習を聞く→素直に受け入れる→実践指導する→壁にぶち当たる→へこむ→悩む→また講習を聞く

これを繰り返すことによって、ある日突然「テキストの原理」が分かるようになる。

とにかく「勉強!」 これしかない。

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群馬県本部講習会

最近、講習会後の疲れが火曜日まで続くことが多い。やはり体調管理はつくずく大切に思う今日この頃である。

群馬講習会のテーマ『ABACUS7』は、2桁×2桁→2桁×3桁→3桁×3桁とパターン1~4をダブルスパイラルで構成されている。これが『ABACUS8』・『ABACUS9』へとスムーズに繋がっていくのである。

特に「もどし算」と「九立商」に関して言うならば、従来の「もどし算」と「九立商」の指導法は経験主義を強いてきた。これではそれぞれが独立した単独学習となってしまい、双方の関連を紐解いて一本の線で繋ぐことは非常に困難である。

つまり、せっかく珠算で2桁のわり算を学んでも経験主義で覚えただけでは、算数に結びついていかないということだ。

1本の線で「かけ算」も「わり算」も繋がるからこそ、児童は有効に「算数脳」を使うことができるようになるのである。

これは「算数理論」、これは「形式的理論」

このスイッチを指導者自身が上手く切り替えられて、尚且つ頭の中でショートしないことがSSKCLUBの理念を最短で習得するキーポイントである。

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操作活動 2(パズル&パズルテキスト)

1学年の児童の場合、身の回りの具体物から色や大きさを捨象し「さんかく」、「しかく」を図形的に捉えられるようになる。このような発達段階を考慮すれば、パズルを触ったりなぞったりする学習は非常に大切であることがわかる。(KIDSパズル)

「これが辺よ」「頂点よ」と言っても、図形を構成する要素に着目できる考察力が無ければ、図形の意味が理解できるようにはならない。つまり「辺よ、頂点よ」と教える前に「パズル」を使って、指で「かど」や「へり」を触ることが図形の素地的な学習となるわけである。

計算と図形の因果関係はあるのか?そんな質問が珠算の先生には多いが、計算のもとになるのは数(かず)である。数は共通の部分を抽象したりする能力が必要となる。これはある意味、図形的な能力だと思う。この抽象がなければ、数(かず)から数(すう)へ拡張できない。つまり、これが最初に起きる幼児の躓きなのである。

計算だけに拘っていれば、「計算は数学力」という考えはできない。計算も図形も算数(数学的な考え)であるという大きな考えが、指導者には必要である。

6月に開催される宮城県本部講習会~茨城県スペシャル学習会~SSKCLUB全国大会と「幼児教育オンパレード」である。まだ一度も私の話を聞いたことが無い人は、是非講習会に参加して欲しい。

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操作活動

低学年の算数では具体物を用いた活動を通して数・量・形などの感覚を豊かにすることにより、思考力・表現力の向上を目指している。

例えば「10までの数の合成分解の学習では、おはじきやブロックを使って2人組で10になる数を出し合うゲーム感覚の学習が行なわれている。

これは『KIDS』でいう計数そろばん・チップ・パズルに当たると思われるが、大切なのは補数の直観による判断力を育てることである。チップを数え10個を超えたら10個を1まとまりにする(束の原理)ことで、十進構造による大きさが養われるようになる。

このチップ・パズルのような操作的な学習は、算数と珠算の「繰り上がりの加法」に共通して影響を及ぼす。念頭で答えを出せない低学年の大半は、この操作活動の欠如と言っても過言ではない。

その証拠に、1学年の児童に『KIDS』を与えると今まで分からなかった合成分解や位取り記数法を一発で理解し始める。

念頭で答えを誘導するのは手っ取り早いような気がしても、肝心な計算の構造が理解できなければ、結果的には危険で誤った指導法となる。

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★ 特注チップ

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岐阜県本部講習会

昨日の岐阜県本部講習会『ABACUS7AB』は、来週の群馬と同じテーマなので、話す側としては気持ちは楽である。まさか岐阜講習会に参加された先生が、群馬にも参加するとは思えないので同じネタでOKとなる。

ただ『解説&解答書』に記載されていない内容は、その時々により千種万様である。だからきっと「同じテーマを何度聞いても大丈夫」となるのであろう。

この『解説&解答書』以外については、事前に考えているわけではなく話している瞬間に、頭の中にある知識を引っ張り出すようなタイミングで流れていく。これはまるで、自分の体内に瞬間自動配付システムがついてしまったような不思議な感覚である。

したがって、『解説&解答書』は、道から外れない「ガードレール」のような存在であろう。

人間は鍛えるとある程度の結果はでる。新入会員に言いたいのは、とにかく「続けろ!」それだけである。教育なんて1年で結果がでるようなものは無い。自分でもはじめの10年間は悩み苦しんだものだ。この歳になり、やっと「継続は力なり」という言葉を実感している今日この頃である。

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指導力

一般的に「説得メッセージ」は、1回聞かせるよりも2回聞かせた方が説得効果はUPする。2回目に同じ話を聞かされた時「この話は前にも聞いたことがある」と思い、それが真実性を高めるわけである。ただし、内容の無い駄洒落の2回目は、白ける可能性が高いのであまり使わない方がよいと思われる。

講習会で同じ話を繰り返すことは、非常に大切なことになるが、受講者が退屈しないように、ディテール部分には少し変化(脚色)をつけないとつまらなくなる。

また、講習では声を張り上げたり動き回ったりとパフォーマンス性も重視するが、これは居眠りや私語を禁止させることができるからである。

さらに、いつも「ノー原稿」で話すことで講習資料から視線をそらし、こちらの話に興味をもたせるような配慮も欠かさない。このようなパワーの源は知らず知らずのうちに身に付いたものであるが、この手法は先生方も是非授業で披露して欲しいものである。

『ザ・わり算』と『ABACUS5』に同じような問題が作問されているが、スパイラルな構成は「繰り返し効果」により児童の理解を容易に高めることができる。

指導力とはこのような隠れた心理面を上手く使うことでもある。

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計数の三原則

最近、教育界では幼児の「数の理解(認識)」の研究がさかんに行なわれるようになった。SSKCLUBの幼児教育『KIDSテキスト』を学習した幼児は、他の1学年よりはるかに計算力に大きな差が出る。学力低下が叫ばれる現代社会において、幼児から数を理解させることは正しい選択だろうが、むしろ遅すぎたとも思える。

一般的に数を理解させるには、「計数の三原則」が大切となる。

① 「一対一対応の原理」

 モノを指で指して、数詞(いち、に、さん・・・)とうまく連携させて対応操作ができること。

② 「安定した順序の原理」

 数詞を同じ順序で使うことができること。

※「いち、に、さん、ご」 「いち、に、さん、ろく」など、日によって数詞が不安定になる場合、これは3以降の数の認識不足が原因である。

③ 「基数性の原理」

 モノを数えた場合、最後の数詞が全体の数を表していることが理解できること。

『KIDSテキスト』と「チップやパズル」を使って、数を理解させることは計数力を養うことでもある。

さらに「計数そろばん」を使って、珠を「入れる・はらう」操作は、「メンタル数直線」にも繋がる大切な学習となる。

そして、計数そろばんの珠は、視覚的に量を捉えられることから「量の理解」も同時に行われるようになる。

これがピアジェの発達心理における「数と量の保存」である。計算を覚えさせる前に、数と量の認識は、常識であるということを知っておくべきである。

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メンタル数直線

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