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2010年2月

新入会員の落とし穴(2)

前回の「新入会員の落とし穴」で、サイコロの確率の話をしたが、サイコロの確率は1回目と2回目の因果関係はない。例えば1回目に出た数が6だから2回目の数は6が出にくいとはならない。これは人間がサイコロの確率は1/6だから、続けて出ることが少ないと思い込んでいるに過ぎないことである。

実はこの「思い込みの心理」が珠算教育において、マイナスに働いていることがある。算数は必ず「前に習ったことをもとにして新しい知識を獲得する」という学問であるが、珠算教育はこのような関係が極めて希薄なため、点の学習に陥り易い。

『KIDS』の学習が、6+7の学習に有効に働いているとは誰も考えない。したがって、鍛えれば上手くなると思い込んでしまう。一度思い込んだことは、なかなか修正ができないのも人間の儚さであろう。

さらに、6+7ができない児童に対して、「○○だからできないのよ」という「後知恵」が働いて指導を正当化しようとする。実は、これが一番教育としては最悪なパターンとなる。その場しのぎの学習の弊害を、世論はそう簡単には許してはくれない。

これから日本は、組織社会から個の時代になる。この先、自分の教育を確立しておかないと、どうにもならない時が必ず来る。会員の皆さんには、その点をしっかり考えて新学期を迎えて欲しい。

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長野スペシャル講習会

日曜日に「竹原珠算学校(長野県 SSKCLUB顧問竹原一夫先生)」のスペシャル講習会が無事に終わった。長野までは「特急しなの」で名古屋から3時間だが、山、川、雪もありと、いつもの新幹線と違って車窓からの風景を十分満喫できた。

今回は『分数1・2』の講習であったが、『分数1』は、「新・学習指導要領」に併せて改訂が行われるので、『分数2』をメインに話を進めた。分数の概念も難しいが、分数の約束ごとも多いので、指導は必ず『解説&解答書』を読んで欲しい。

特に「仮分数」と「帯分数」の問題は形式的に教え込んでしまうと、分数の大きさや順序性が理解できなくなる。これが分数が分からなくなる第1歩であろう。したがって、「仮分数」と「帯分数」の問題にテープ図等が示されているので、それを上手く使って教えると非常に効果的である。

竹原珠算学校だけど、最近生徒が急増しているらしい。竹原先生曰く「もっと早くテキストを使えばよかった。使わないとこのテキストの良さがわからない。なんで、合成分解が簡単にできるのか不思議で仕方がない。」ということだった。

当たり前のことを当たり前のようにできるようにするのが、我々教育者の仕事である。

明日も「愛知県スペシャル学習会」で、『分数2』の講習がある。自分自身も分数領域に強くなっていくことは嬉しいことである。

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新入会員の落とし穴

『テキスト』に切り替えた時、正しい指導法や理論を分析することは不可能に近い。不可能な故に、単純且つ直感的に判断しようと思うようになる。

たとえば、切り替えた時にたまたまうまく指導できた場合、指導者はうまく指導できたことがこれからも起きると思い込む。偶然という、少ない確率に依存し始めるのである。これを「小数の法則」といい、自己流や従来の指導癖が現れるもととなる。

サイコロの1/6の確率だって、10回程度サイコロを振っただけでは無理な話である。したがって『テキスト』を切り替えた後は、あまり「じたばた」しない方がよい。

もう一点、「SSKCLUB」がメデイアに流れると、『誰でもうまく指導できる』という成功の法則のような意識が働き、思い込みが激しくなることがある。

実際に児童が「満足した」と判断できるようになるのは、実はもっと先のことである。児童は従来のような『教え込みの珠算教育』を知らない。「考える」ように導けば、自ずと『考える珠算教育』に馴染んでいくのである。

このように、児童と指導者の感覚のズレが新入会員ほど大きくなるので、あまり焦らず指導に努めて欲しい。先ずは、「指導記録」のようなものを書くこと。これにより、毎日の意識が変わり指導者も成長するので実践してみたらどうだろうか。

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分数1改訂版

『分数』テキスト再版を期に内容を大幅に改訂した。

「新・学習指導要領」に伴い、平成10年以前の「学習指導要領」と同じ分数と小数の関連(十進分数)を追加した。また、従来の4年生の内容が3年生に移行することから、内容を少し簡単にした。

指導要領が改訂することは悪いことではないが、元に戻すなら初めから移行や削除しなければよいと思う。これでは子どもが可哀相だ。ゆとり教育で育った大学生が「俺らはゆとられた」と嘆くのも無理のないことである。

今回の『分数1』は、内容を改訂したことから、表紙も「薄紫」に変更したので、その点を配慮して学習させて欲しい。さらに改訂版に合わせて、『解説&解答書』もこれから書き始めるので、その点も含めて宜しくお願いします。

今年の全国大会で『分数3』も発売することから、SSKCLUB=算数が色濃くなる。

『テキスト』と『解説&解答書』を合わせて、100冊というゴールも見えてきたが、まだまだ知らないことが沢山あるので、学ぶゴールは遥か彼方という感じである。

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テキストに替えられない理由

従来のそろばん教材から『テキスト』になかなか替えられない。また、従来の教材と『テキスト』を混ぜて指導している理由は、『テキスト』が算数と深い関わりがあることはいうまでもないが、もう一点自分の指導を改めなくてはならなくなるからである。これは自分の所有している指導に高い価値を感じていればいるほど替えられない。これが「保有効果」というものである。

例えば、車を買い替える時、「値引額」より「下取額」の方が気になるのも「保有効果」が働くからである。

この「保有効果」は、実は児童にも起きている。『テキスト』に替える時、上手く学習に乗せないと、逆に「学習は負の転移」が起きる。したがって、『テキスト』に替える時は、少し学習内容(級)を落としたところから始めるとよい。

人間は「出来る喜び」と「出来ない辛さ」を感じた時、「できない辛さ」の方が強く残る。つまり「否定」が優先されるわけである。

したがって、指導者はできる限り早く「辛さ」を取り除いてあげることが大切である。これを長期間放置すると高原現象が起きる。さらに、「練習を沢山すればいつかできるようになる」という甘い考えは、指導者の損失回避である。これが結果的に児童が塾から去って行く要因となる。

『テキスト』を一貫して使えば、必ず上手く指導できるようになる。3年教えても上手くいかないのは、間違った教材の使い方をしているからであろう。つまり、100年教えても指導は上手くいかない。(サンプル調査の原理)

これに気がつかなければ塾の改革なんてあり得ない。

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教育は感情で動く

行動経済学では、「目先の利益に目がくらみ、将来の大きな利益に目がいかない」ことを『時間的非整合性』という。健康のために、タバコはやめた方がよいと理解していても、『目の前にあるタバコがやめられない』という現象も同じ理屈で解釈される。

教育もこれと同じことが言える。例えば「かけ算」を教えるときは、「わり算」のことを考えて教えることが非常に大切であるが、検定試験に振り回されると、「合格」だけが優先されるようになる。このような学習を強要された児童は「わり算」を習った時、かけ算とわり算の関係が理解できなくなり、結果的に『遠回り』をすることになる。

指導者が焦れば、ろくな教育などできるはずがない。SSKCLUBに入会するのは簡単だが、SSKCLUBを認めるのは児童である。塾の先生が「凄い」と思わせるには、児童の「否定より肯定」する気持ちを強く持たせることが大切である。

つまり、目先のことばかり考えている指導者の感情では、児童の気持ちを上手くコントロールすることは難しく、簡単に動いてはくれない。これも指導のつまづきになるので心得ておくことが大切である。

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教えることは学ぶこと

最近、保護者から「○○県○○市でSSKCLUBの塾はありますか?」という電話が多くかかってくる。HPを見て頂ければ指定教場が確認できるが、問題は保護者の求めている指導内容をきちんと実践しているかである。

昔ならばそろばん塾は「近くにある塾」というのが一般的であるが、最近はそろばん塾も「選ぶ時代」になったということである。

確かに塾の指導内容はオーナーが決めることであるが、「計算オンリー」という時代ならともかく、SSKCLUBのように幼児教育や算数教育まで教えるとなると、全く話が違ってくる。

今年は「SSKCLUB10周年」を迎える年でもあるので、『新・チラシ』は既に発売となり、現在『新・三つ折りパンフレット』も改訂中である。

チラシも三つ折りパンフレットも、「SSKCLUBの教育理念と教育方針」をますます色濃く紹介する内容となったので、指導者は広告相応に本腰を入れて取り組んで頂かないと、決して「オンリーワン教育」に辿りつけない。

教えることは学ぶことであるが、その前にやることは、「自分の授業に対する気持をしっかり考える」ことであろう。自然に「学びたい」「どうしても講習が聞きたい」という気持ちが無ければ本物にはなれない。

今読んでいる『ご冗談でしょう、ファインマンさん』は,1965年にノーベル物理学賞を受賞したファインマン氏のエピソード本であるが、やはり大成する人間は、子ども時代から観点も違っているが、それより学ぶことを楽しんでいるということが印象深い。

「そろばん好きな子どもにする」ことは、実は技能を習得させることと同じくらい大切であることを知って欲しい。このことを指導者が理解していないと学ぶことすらしなくなる。

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割合の重要性

「速さ」の問題で、よく児童たちが「はじき」という「変な公式」を書いているのを目にする。文章の中にある「速さ」「時間」「距離」という「キーワード」の中から求めるものを探し、式を決めていると思われる。

この「はじき」を学校で教えているのであれば、非常に疑問に思う。これで速さの問題が理解できるのであろうか?速さも「割合」の一種なので、割合のように「もとにする量」「割合」「くらべる量」と同じ比の3用法が用いられる。厳密にいえば、速さは「時間あたりに進む道のり」であるから、「時間でわる」という意味をしっかり理解させることが大切となる。

割合は「はじき」というような「変な公式」は使えない。それは割合の問題にキーワードが文章に記されていないからである。割合の意味をしっかり理解させないと、結果的に速さの問題で「はじき」を使うはめになる。意味が分からない=解けないとなり、「変な公式」を覚えこまされた児童はせっかく習った割合まで混乱し始める。

さらに、中学になると「オームの法則」を学ぶ。これも「電流」「電圧」「抵抗」の割合の問題である。これも「公式を覚えた」からといって複雑な回路の問題は解けない。やはり理解する重要性が問われる。

『割合』テキストの解説&解答書で「公式を覚えさせない」と書いているのは、このような児童の実態があるからである。このようなことを関連付けていくと、先日書いた『日本人は本当にバカになったのか』ということを真剣に考えることが教育者として大切であろう。

そろばんでも「たし算九九」を覚えさせる指導が多いと思われるが、「覚えたことが仇になっていること」を、児童より指導者が理解していないことが実は一番怖いことでなのである。

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子どもを救う教育

『週間現代』(2月1日)「日本人はバカになったは本当か」が掲載された。その中で次のような記事があったので紹介してみる。

私立大学情報教育協会が私立大学の約1500人の学生を対象に実施した調査によると、「大学生の2割が四則計算のとき、計算のきまり(かけ算・わり算は、たし算・ひき算より先に計算すること)を理解していない」というデーターが出た。

また、京都府は2008年に行なわれた「全国学力テスト」の結果、中学校3年生の数学で小学校レベルの分数問題が解けない生徒が12%もいたことから、昨年より中学1年生に小学校の学習内容を教える「振り返り集中学習」(ふりスタ)の実施を開始した。この振り返り集中学習の中で、四角形の角度の計算方法や小数の計算などを復習させるという。

さらにNHK教育テレビの『高校講座』でも、義務教育の学習を振り返る放送が開始された。第1回目の放送は『15÷(3+2)×3はいくつ?』という小学生レベルの内容だった。

大手教育支援企業・ベネッセコーポレーションが700校近くの高校を対象にした調査によると、『10倍したり10で割ったりすることができない』・・・50%の高校生が『小学校段階から教育をやりなおす必要がある』と述べている。

このような話は「学力低下」が問われるようになってから、一向に改善がなされていない。ゆとり教育から既に10年である。「これからは学習塾に頼る」あの言動は何だったのか?ゆとり教育で目を引いたのは、「計算力の向上」しかなかったような気がする。

もう一度小学生レベルを勉強しなければならないのは、計算力よりむしろ「計算のきまり」や「小数・分数」の基本的な算数力である。

「分からないところを分かるように教える」「できない児童を救済する」教育機関がなければ、今回のような問題は改善しないと思う。

小学生のうちに「数学的理解」の元に計算力をつける指導がいかに大切であるかを理解してほしい。

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脳エネルギー

一週間前の「九州本部講習会」で体調を崩し、まだ万全ではないが、脳だけは問題なく動いているので、『KIDS解説&解答書』を、少しずつ書き始めている。

人間の全体のエネルギーの約30%は脳で消費されるらしいが、仮に毎日使っていない脳を無理矢理使うと、大量のエネルギーが消費されることになる。これがいわゆる脳の疲れに繋がるのである。反面、講習会や原稿や授業で絶えず使っている脳に関しては、知らず知らず鍛えられているので、さほど疲れは然程感じなくなっていく。

この脳エネルギーが消費される時に、例えば男性が家事(洗濯)のように普段したことがないようなことを行う場合に関しては、「面倒臭い」という心理が働く。

SSKCLUBの女性の先生は、仕事も家事も育児も両立してフルに脳を使っていると思う。このような視点で物事を捉えると、男性である自分が毎日がむしゃらに仕事のみに打ち込んで働いても、オールマイティーな女性陣とはある意味同等だと思うので、あまり偉そうなことは言えない(言ってはいけない)と思う今日この頃である。

自分の「好きなこと」「得意なこと」に使える脳エネルギーに感謝して、明日も全身全霊を込めて仕事をします。

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