新入会員の落とし穴(2)
前回の「新入会員の落とし穴」で、サイコロの確率の話をしたが、サイコロの確率は1回目と2回目の因果関係はない。例えば1回目に出た数が6だから2回目の数は6が出にくいとはならない。これは人間がサイコロの確率は1/6だから、続けて出ることが少ないと思い込んでいるに過ぎないことである。
実はこの「思い込みの心理」が珠算教育において、マイナスに働いていることがある。算数は必ず「前に習ったことをもとにして新しい知識を獲得する」という学問であるが、珠算教育はこのような関係が極めて希薄なため、点の学習に陥り易い。
『KIDS』の学習が、6+7の学習に有効に働いているとは誰も考えない。したがって、鍛えれば上手くなると思い込んでしまう。一度思い込んだことは、なかなか修正ができないのも人間の儚さであろう。
さらに、6+7ができない児童に対して、「○○だからできないのよ」という「後知恵」が働いて指導を正当化しようとする。実は、これが一番教育としては最悪なパターンとなる。その場しのぎの学習の弊害を、世論はそう簡単には許してはくれない。
これから日本は、組織社会から個の時代になる。この先、自分の教育を確立しておかないと、どうにもならない時が必ず来る。会員の皆さんには、その点をしっかり考えて新学期を迎えて欲しい。
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