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2010年1月

式について考える

本日の「ぱちぱち日記」の割合を読むと、つくづく「式」は大切であると痛感する。http://ameblo.jp/nakajyuku/

もともと、「=」(イコール)は、「等しい」という意味がある。したがって、「=」の右辺も左辺同様に扱うことが大切である。

算数では、「=」を、○○は、という文章の一部として考えてしまう傾向が強い。数学になると、「等号」と教えられ、「交換法則・結合法則・分配法則」の意味をさらに深く理解することが大切となる。

一般的に珠算で式を書くことがない。これが算数と大きくズレているところであるがテキストは『KIDSスペシャル』から式を求められる。

式について簡単に説明すると次のようになる。

① 4+3   ② 4+3=   ③ 4+3=□   ④ 4+3=7

①が一般的な「式」というものである。自分で=と答えを書く。

③と④は、右辺に□と7が記してあり、右辺と左辺がつり合って正解である。

『ABACUS4』『ドリル4』には、3×4=3×3+□のような等式を意識した問題をたくさん作問してあるが、このような学習こそ数学の初歩的な問題である。

つまり、4+2=2×3 このような考え方ができる児童こそ「数学的な能力がある」と褒めてあげるべきなのである。

割合まで辿りつくには、『テキスト』を抜かず教えることに尽きる。

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九州地区本部講習会

1月24日(日)福岡市(天神)で本部講習会が開催された。

今回のテーマは、『ABACUSレッスン5』と『わり算』であった。

昔から「わり算」には大変なこだわりがあり、わり算を上手く教えることができるかどうかは、指導者の能力に関わる大切な演算だと思っている。

心理学に「動因」と「誘因」があるが、いくら一生懸命教えようと思っても、児童を「やる気」にさせなければ学習は進まない。この「動因」と「誘因」の一致が「気づくこと」になる、つまり「思考力がついてくる」というわけである。

今回の講習は、この点をふまえて講義した。講習会も、講師と受講者の一体感が大切であると写真からも感じとられるであろう。

全ての会員が同じ志をもって指導する術がテキストである。今回新しく入会された先生は10年振りの再会となったが、同じ志をもっていると数分で同化できる。

一人ひとりの志が一つになれば、同じ教材で同じ道を歩む同志となる。

今回、九州で学んだことを一つも余すことなく子供たちに還元して欲しいと強く願う。

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グローバル時代の計算

1学年の1桁どうしのたし算は、「繰り上がりのない計算」と「繰り上がりのある計算」に分けて学習する。「繰り上がりのある計算」については、具体物を用いて10までの数の合成分解(数観念)を十分に定着させる。その定着については、「繰り上がりのない計算」が土台になっている。

「繰り上がりのない計算」は、たし算の「概念形成」と「数観念」を養うことまでねらっている。珠算教育も「繰り上がりのない計算」と「繰り上がりのある計算」を分けて指導している点は同じ展開であるが、珠算の「繰り上がりのない計算」は、概念形成と数観念を養うことはふまえていない。

さらに、「繰り上がりのない計算」の学習量は極めて少なく、「言葉による計算」なので、むしろ「数え足し」のような記憶型計算となる。

アメリカの算数は、日本のように「繰り上がりのない計算」と「繰り上がりのある計算」に分けて指導はしていない。一般的に1桁どうしのたし算は、具体物を用いて数え足しをもとに、最終的には反復練習を通して暗唱できるようにする。

このように考えると、珠算の計算は「アメリカ型」となる。ところがアメリカは、2006年あたりから現在までの指導においては、「数観念(10をつくる)ことや交換法則・分配法則など計算の性質も教える」ように転換し始めている。→(日本型)

教育界もグローバル時代になれば、珠算も従来の指導法では通用しなくなり、算数からどんどん離れていくような気がする。

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割合

昨日、愛知県本部講習会が開催された。テーマは『割合』と『ABACUS12』であった。この2冊は「割合」が深く関わっているので、「割合の講習会」といっても過言ではない。

「割合」は昭和33年の学習指導要領では、「数量関係」の領域で扱われていたが、昭和43年以降の学習指導要領から「数と計算」の領域で扱うようになった。つまり、割合を「測定数」として捉えることや乗法の意味から(基準とする量)×(基準の大きさを単位とした数)と捉えさせるようになったわけである。

さらに、これまで3学年から教えていた「数量関係」も2学年から教えるようになった。

このように「割合」は、「量(長さ、重さ、体積)」が深く関係しているので、どうしても「割合」と「量」を結びつける「小数」の理解が不可欠になるのは当たり前である。

ところが平成10年の学習指導要領(ゆとり教育)は、「数量関係」の領域が大きく削減された。関数では「反比例」が扱われなくなり、比例も非常に簡単な内容となってしまった。

新学習指導要領では、「メートル法」の復活も含め、さらに「数量関係」と「小数」のウエイトが重くなってくる。

SSKCLUBの「算数テキスト」は、まさに新学習指導要領の先取りをした内容がたくさん濃く編集されている『小数』→『小数2』→『割合』を切り離すことなく使うことで、児童の能力(思考力)は一段と向上すると思われる。

「割合」は、単元的に教えるのでなく関連的に教えることが大切である。

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決めつけ

今日、SSKCLUBの問い合わせの電話があった。「今の自分の指導技能では幼児が教えられない。・・・高齢でもあるので周りの先生方から無理だと言われた。・・・」という内容であった。

周りから「決めつけられたように無理」と言うのは、従来の珠算教育で成功体験を持っているからだと思う。成功を繰り返すと心理学でいうスキーマ(これはこういうものだという枠組み)が出来上がる。スキーマは繰り返し使用するとステレオタイプ化する。するとスキーマは合致する条件は取り入れるが、合致しない情報は拒否する現象が生じてくる。

つまり、従来の珠算教育で成功している人にとって、SSKCLUBのような教育は絶対に受け入れられないということである。この「決めつけ」も思考停止になる。子どもが親に向かって「だから頭が固い」と言うのも一理あることかもしれない。(反省)

現実を素直な目で観察する能力を失ってしまうと、環境の変化すら目に入らなくなってしまう。これはSSKCLUBで成功しても同じことがいえる。指導の成功体験が積み重なるので、だんだん課題に気づく目を曇らせてしまう可能性が出てくる。

つまり「当事者意識」の欠如にならないようにすることが大切なのである。分かり易くいえば「学び続ける」ことである。

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無血革命

NHKの大河ドラマ「竜馬伝」が放送されているが、明治維新で「無血革命」に加わった人間は国民の0.1%である。SSKCLUBも日本全体の珠算の先生から考えたらきっと同じ位の割合だと思う。歴史的に見て、革命なんて始めはごく少人数で起こすものであるから、今のSSKCLUBはある意味革命進行中なのかもしれない。

「危機感のない会社は危ない」と言われているが、珠算の先生も教育者と経営者の両面をもっているわけだから、少しでも危機感を持った方がよいと思う。もしこの危機感が無ければ、「思考停止状態」ではないだろうか?いつリストラになるか分からない時代に、景気の回復を待っているようではチャンスなんて巡ってくるわけがない。毎日そろばんを教えていれば「マンネリ」になることは事実だが、マンネリしている今こそが逆に「千載一遇」のチャンスではないだろうか。

新人の先生は、とにかく「情報収集」から始め、沢山のSSKCLUBの先生と会うことである。まず行動しなければ成功なんてあり得ない。どんな業種だって「リスク」を考えている人間に成功者なんて存在しないのだ。

昨日、茨城から「スペシャル学習会(6月)」の依頼を受けたが、自分も沢山の先生方と会うことは勉強にもなる。できる限り依頼には応えたい。

さて、今日も原稿書きからスタート!

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一流の夢

『ABACUS12』と『ABACUS パズル』の解説&解答書を発売しました。

これで『ABACUS』シリーズは、全テキスト発行が完了!

先日TVで、「仕事、スポーツ、芸術等を毎日3時間、9年間続けると一流になれる」(一流の法則)と放映していた。

『テキスト』の開発も現在9年目だから、自分もようやく一流になったような気がした。一気に『テキスト』を開発することは辛いが、ローンと同じように、毎月、支払っていけば物理的にも精神的にも楽になる。つまり若い時期に行動したほうが更に得かもしれない。

毎日、3時間とは言わないが、1時間でもSSKCLUBの『解説&解答書』・『会報』・『ブログ』などの理論と実践を交えながら真面目に取り組めば、誰でもSSKCLUBの一流になれるはずである。

今年(平成22年度)は10年を迎えるので、あと3年も過ぎれば一流の先生が出始めると思う。

人を育てることは、夢があって本当に楽しい!

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天職

『会報25号』の「新年の挨拶」で、珠算人を4つのタイプに分けて論じたが、そろばんの先生は、子どもの時からそろばんが上手く、まるで天職のように思われている節がある。

自分はそろばんの腕前は普通だから天職だと思ったことは一度もない。それより世に生を受けた限り、自分を表現しながら社会に貢献したいという気持ちを強く持っている。

だからこそ「自分でなければできないこととは何だろうか?」と自問し、その結果「生徒を教える」ことと「先生を教える」ことを両立させながら、『教材を作ること』に辿り着いたわけである。

だが実際に経験・実践する中で、このトライアングルを均衡に保つことはそう簡単にできることではないと気づいたわけである。

「一つのことを極めれば極めるほど奥が深くなる。」というが、これは例えば穴を掘る場合、深く掘るほど幅が必要になってくる。つまり、幼児教育と算数教育を珠算に結びつけるには、考えに幅がないと出来ないということである。

今まで歩んできた過去を振り返ってみても、誰も考えたことがない『テキスト』や「指導法」を作り出していくことが、自分にとって天職だったかもしれない。

対する会員の先生方は、実践と講習で『テキスト』の指導法の術(ギフト)を習得すれば、「珠算は天職」と成りえるかもしれない。今はそんな時代であると思う。

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講習会の聞き方

今年の仕事もようやくスタートした。いつもの気持ち配分で、規則正しい一日を過ごしていられることは嬉しいことである。

1月~5月までは、月2本の講習会(4月3回)が控えている。多忙ではあるが、逆に毎日の生活も充実している。やはり好きな仕事で頑張れることは幸せかもしれない。

修辞学では「聴衆の心理操作が大きな位置を占め、さらに演説をより魅力的に見せるためには、身振りや発声法などが重要視される。つまり、言語学、詩学、演技論などの総体だった。」と記してある。

この修辞学には「黙説」という分野がある。端的にいえば、「一つひとつを説明し過ぎないということ」である。一見、不親切なようにも感じるが、黙説することで「受け手の想像力をより能動的なものにさせ、学習する意味を深めていく」ことになる。

『テキスト』は理屈よりイメージを大切にしている。講習は常に「身近な例え話」を交えながら話している。もし講習内容で意味が分からないことがあるならば、「直ぐに質問する」のではなく、一度家に持ち帰り『テキストをじっくり見ながら反芻』した方がいい。

講習会に勇んで参加しても、実際に子どもを教えている時に思い出したり実践できなければ、講習は「ただの話」で終わってしまう。また、どんなに「良い素材」を使っても、「どう料理するか?」は、コックの手に掛かっている。

これから受講する先生方はこの点も考慮し、少し角度を変えて聞いてみたらどうだろう?まずは実践あるのみである。

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今年もよろしくお願いします

新年明けましておめでとうございます。

『会報25号』は元旦に届いたでしょうか?

1月6日は『ABACUS12 解説&解答書』が発売されます。元旦から良いスタートがきれた。(満足!)仕事はズーっと継続しているものだから、そこに「たまたま元旦がある」と考えた方がやる気も失せないと思う。元旦も珠算の検定試験も「制度」である。

それに加えて、普段の学習の方がはるかに大切であることは間違いない。『結果より中身を考えない指導者が一番困るわけ』で、児童や親達は毎日の学習に対しても、しっかり評価しているはずなので、指導者側もその点をもっと真剣に考えた方がよいと思う。

珠算は「検定しかない」という考えは、今の時代では通用しない。

一番怖いのは、指導者が「無情で鈍感であること」だと思う。

SSKCLUBの会員の先生方のため、そして先生方の先にいる子どもたちのために、今年もお役に立てるように「継続」して努力します。

本年もよろしくお願いします。

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