珠算検定試験
昨日、第334回の全珠連検定が行われた。
検定試験は、「制限時間内で合格点数がとれるか否か?」というもので、珠算以外の試験と形態は似ている。
珠算の検定試験は、「そろばん」を使う(暗算)ことから、むしろ技術を問う試験とも受け取られる。したがって試験中は、「計算を考える」ことより、「如何にミスをしないか?」ということのみに思考が働く。
では、ミスをしないようにするにはどうしたらよいだろうか?
野球で例えてみると、次のようなことが分かる。
バットやグローブを使うことは、珠算と同じように「道具的理解」から始まり、試合にエラーや凡打をしないために技術を磨くため毎日練習に取り組んでいく。これが「体験的記憶」となり、試合で好結果を出すためには欠かせないものとなる。
「道具的理解」から「体験的記憶」へのつながりを考えると、珠算は野球に似ているところがある。道具を上手く使いこなせるかという点だけで、検定合否に左右されるならば、やはり珠算は「算数」という仲間に入らなくなる。
算数や国語は道具が要らない。作家はペンだけでOKとなる。検定試験に合格することだけに集中して幼児・1年生を指導すると、「計算器は答えが正しく出ればよい。」という考え方になってしまう。
でも実際問題、珠算塾に入学してくる親からは「算数に役立って欲しい」という願いが強いのが現状なのである。
野球と珠算を対比してみると、「エモーショナル」が大きく違っている点から、野球には社会性があるので面白い。対するそろばんは、「算数の計算と本質的な部分で結びついている」ので、「道具を上手く使う」ことに偏れば肝心な「算数的思考力の育成」に悪影響を及ぼすことになる。
指導者に、この意識があるのか?無いのか?これが大きな分岐点である。
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