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2009年11月

珠算検定試験

昨日、第334回の全珠連検定が行われた。

検定試験は、「制限時間内で合格点数がとれるか否か?」というもので、珠算以外の試験と形態は似ている。

珠算の検定試験は、「そろばん」を使う(暗算)ことから、むしろ技術を問う試験とも受け取られる。したがって試験中は、「計算を考える」ことより、「如何にミスをしないか?」ということのみに思考が働く。

では、ミスをしないようにするにはどうしたらよいだろうか?

野球で例えてみると、次のようなことが分かる。

バットやグローブを使うことは、珠算と同じように「道具的理解」から始まり、試合にエラーや凡打をしないために技術を磨くため毎日練習に取り組んでいく。これが「体験的記憶」となり、試合で好結果を出すためには欠かせないものとなる。

「道具的理解」から「体験的記憶」へのつながりを考えると、珠算は野球に似ているところがある。道具を上手く使いこなせるかという点だけで、検定合否に左右されるならば、やはり珠算は「算数」という仲間に入らなくなる。

算数や国語は道具が要らない。作家はペンだけでOKとなる。検定試験に合格することだけに集中して幼児・1年生を指導すると、「計算器は答えが正しく出ればよい。」という考え方になってしまう。

でも実際問題、珠算塾に入学してくる親からは「算数に役立って欲しい」という願いが強いのが現状なのである。

野球と珠算を対比してみると、「エモーショナル」が大きく違っている点から、野球には社会性があるので面白い。対するそろばんは、「算数の計算と本質的な部分で結びついている」ので、「道具を上手く使う」ことに偏れば肝心な「算数的思考力の育成」に悪影響を及ぼすことになる。

指導者に、この意識があるのか?無いのか?これが大きな分岐点である。

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九州地区本部講習会のお知らせ

平成22年1月24日(日) 福岡市中央区 「アクロス福岡」http://www.acros.or.jp/

テーマ 『ABACUS5』『ザ・わり算1』『ザ・わり算2』

平成18年から3年間、長崎県島原市で開催していた「九州講習会」は、今年は大都市福岡のど真ん中で行われる。

今回のテーマは、「わり算」を中心に講義をするので、まだ一度も受講していない先生は、是非参加して頂きたい。

学年を、低学年・中学年・高学年と区切った場合、わり算は中学年が最初につまづく単元である。「算数の落ちこぼれは3年生から!」と言われているのは、実はこの「わり算」のことを言っているのである。珠算を1年生から習えば、2年生でわり算を教えなければならないことになる。したがって『テキスト』を使うならば、わり算の意味は絶対に聞いた方がよい。

講習会は年間20回開催されているが、『テキスト』が55作もあれば、次回、九州で「わり算」を講義するのは20年後かもしれない。

講習は受講者のレベルに合わせて話すので、正直「わり算の概念」が分からなくても、分かるように話すので全く問題はない。」むしろ「分からないまま我流で指導している」ことの方が問題なのだ。

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愛知スペシャル講習会

本日の愛知スペシャル講習会は、『小数・小数2』である。2時間で2講座は、時間的な無理があるのでピンポイント講習となった。

「テキストの内容は一度聞いたらOK」というものではないので、やはり講習会は定期的に受講した方がよい。

整数と小数は、十進構造は同じだが、本質的に異なる点が多いので、そろばんを「教具」として捉えた場合、間違った使用をすると逆に小数が闇の中へ消えていく。

例えば小数の意味を教えないで、暗算で小数を鍛えると、数の系列、数の順序性が吹っ飛んでしまう。逆に「定位法」を小数の前に教えると、小数の構成が崩れてしまう。

ましてや「単位の変換はどうするの?」と・・・矛盾がいっぱいに膨らんでくる。この場合、最終的に迷惑をするのは児童である。

この点をふまえて指導することが大切であるということは、SSKCLUB会員にとっては、今更いうまでもないことであろう。

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好きなこと

あと1週間で今月も終わるが、実は、11月末までに「アールズ出版」のHさんとの「本の骨組み」を提出する約束をしているので、この1週間はとても大切になってしまった。

明日は「愛知スペシャル学習会」 2時間の講義。

忙しくてもブログも定期的に書かないと、永久に書かなくなるような気がする。

「これアカンでしょう!」と会員に叱られそう! 

だいたい仕事を義務のように感じてやっていると面白くないので、自分の嫌いなことは仕事の中には入れないようにしている。つまり「必死の努力」は、義務から生じるので長続きはしない。だったら始めからしない方がよいと思っている。義務を感じるから努力をする。楽しさを見つければ努力は無くなる。

本の原稿の息抜きに『解説&解答書』を書いていると、今まで感じなかった楽しさが沸いてくる。(あと少しで『小数』(新刊)が終わる。) 

「分からないことを知る」ことや「分からないことを教える」ことが好きだから、30年もこんな生き方が続いているような気がする。

さて、原稿を書きましょう!

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スペシャリスト

昨日、秋田県から「これから珠算の先生になりたいと思っています。そこでSSKCLUBで学ばせて頂けないでしょうか?」という電話があった。

珠算の先生になることは簡単だが、学ぶ気持ちが続くかどうかが問題である。

SSKCLUBは、競技や検定に拘らない「狭く深い」スペシャリストっぽい教育である。自分は二世だが、そろばんの技術よりも指導者としての一流を目指していた。毎日考えて生きていると、「いいこと」がひらめくようになり、そのひらめきを具体化したものが『テキスト』であるが、『テキスト』は考えに考えぬいたというより、ひらめきが詰まったところが多い教材だと思っている。

当然ここまで来るには、失敗なんて山ほどあるが、それを上手く忘れることが大切だと思う。物でも捨てないと、新しい物が買えないと同じように、頭の中にある「くよくよ」を早く捨てないと、次のものが入って来れない。

平均化した指導者より、幼児教育や算数教育だけは天下一品の指導者を狙ってみてはどうだろう? 

ここにはチャンスが一杯あるので頑張って欲しい。

まかしときゃ!

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珠算と算数の融合

珠算は2+3の計算を、一般的に「3は5を入れて2をはらう」という操作を重視して教えるが、20+30のような2桁の計算はどう指導するのだろうか?これも「3は5を入れて2をはらう」でよいのだろうか?  21+33は?

操作だけを教えても、確かにそろばんの計算はできるから別に問題はなさそうに思える。ところが30を「さんじゅう」と読ませたり、書かせたりすれば、そこに「位」というものが存在する。つまり30は3ではないことがはっきりする。この違いが算数ではとても重要なことになる。!

「30と20は50」を5と解釈させるには、「10が5つ」という数観念を理解していることが条件である。幼児や1年生は、数観念が完全に獲得していない段階なので、計数そろばんやチップを使って、「20と30を合わせたら50」という量を教えることが最優先であることはいうまでもない。

数観念が獲得できれば、もうわざわざ「3は5をいれて2をはらう」という面倒なきまりは逆に使わない方がよい。「30+20=50じゃないの?」なんで「3+2=5になるの?」子どもは文句は言わないが確実に迷っている。

子どもが自然に理解できることを、「文化や歴史」だからと言って、疑いもしないで教えていれば、珠算と算数の融合はできない。

SSKCLUBは指導者の育成を目指す会なので、どうぞ指導に悩みがある先生は相談して下さい。

「するか?しないか?」の決断は、二者択一である。どちらを選択するかが実は成功の分かれ目となる。成功率がたとえ10%でも、これに「決断力」が伴わなければ成功などあり得ないことである。

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宮城県指導者講習会

日曜日に開催された「全珠連・宮城県指導者講習会」も無事に終わった。

今回は70名(県内40名 県外30名)という沢山の先生が真剣に受講し、大変気持ちのよい時間を過ごさせて頂いた。改めて心よりお礼申し上げます。

さて、講義の内容については、このブログで語ることは難しいが、概論を「SSKCLUBとともに」のブログで紹介しているので読んで下さい。

http://with-sskclub.blog.ocn.ne.jp/blog/2009/11/post_8135.html

仙台は東北新幹線で東京から1時間30分で行けるので、イメージより近かった。もっと「田舎かな?」と思っていたがとんでもなかった。

最近、宮城・秋田と東北地方の会員が増えているので、来年は是非とも宮城で講習会を開催したいと思っている。

「珠算・算数の融合」とは、「混ぜただけではできない。科学反応(化合)を起こすことが大切である。」

ただ、それは簡単なことではないことを知って欲しい。

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合成分解と数観念

『ABACUS 3A』のP11 (21)~(30)に次のような問題がある。

5+5-1(10の合成・10の分解)

3口で「見取算」が上手くなる学習は、従来の珠算学習には一般的にないと思われる。しかし、作問を見ると、3口の問題に合成分解が2回含まれているので、合理的に合成分解の学習ができるようになっている。

ところで、「合成分解の学習って何だろう?」

「○をはらって 10を入れる」「10をはらって ○を入れる」 場合、運指の練習は必要はないから、「○の部分の数が何か?」がポイントになる。この時、この○を意味もなく覚えさせる方がよいか? 意味をつけて考えさせる方がよいか?

これは誰でもわかることであろう!

「意味もなく覚えさせる計算」と「意味をつけて考えさせる計算」の違いは、「珠算と算数の違い」と断言してもよいほど大切なことである。

合成分解の手順は、算数も珠算も同じであるから数観念だけを指導者が捉えていれば、見取算も算数となる。つまり、計算している瞬間に「数観念」と「合成分解」の構造が一度に理解できるようになる。

へたな「言葉がけ」は、「算数脳停止」の合図となり、見取算は即「珠算脳」に切り変わる。

これは「かけ算」「わり算」にも同じことがいえる。「九九表」を見ながら計算させると、「半分、答えを教えている」ようなものである。これで算数がよく分かるようになるとは到底思えない。

珠算と算数の融合とは、根本から指導を変えない限りあり得ないことである。

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かけ算九九

「かけ算九九」は覚えるより作ることが大切である。

九九を作ることによって、児童自身が能率的に考えることの必要性を感じることが大切である。例えば、『ザ・かけ算2』P2の5×□=10のような問題は、九九の仕組みが分かれば、簡単に答えが求められるように作ってある。

九九を意味もなく覚えた児童は、「思考労力を節約しよう。」という考えは生まれない。また、「かける数が1増えれば、答え(積)はもとの数(被乗数)ずつ増える」というきまりも見つけられない。

九九を早く覚えると、かけ算がスラスラできるようになると思うかもしれないが、九九を作るような学習を積むと、「わり算」にも結びついてゆくので、結果的に計算が速くできるようになる。これは、「つまずき」が無くなるからである。(確実性の原理)

かけ算やわり算の意味を明確に捉えることが、演算の決定にも繋がるだろうし、文章問題なども自主的に解決できるようになる。

せっかく九九を教えるならば、児童の思考力UPまで狙って欲しい。

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富山県本部講習会

昨日、開催された富山県本部講習会は、写真の通り12名の参加であったが、部屋が小さかったため、満室気分で話しやすかった。

仙台からA先生も参加して頂き、SSKCLUBの先生方は本当に勉強熱心だと感心してしまう。今回の「分数」と「わり算」は共通点も多く、奥が深い内容だが、最後まで真剣に聞いて頂いて、ほんと、感謝、感謝です。

講習会後の夜から頭が興奮状態なので、結局月曜日に一気に疲れが出てくる。これも慣れてくればどうってことないことだし、とりあえず無事終わってよかったと思う。

今週の木曜日から新・解説&解答書の、『ABACUS 9』と『暗算』が発売される。特に『暗算』は理論的なことが沢山書いてあるので、是非!読んで頂きたい。

土曜日は宮城県指導者講習会へ行くので、今週も忙しくなりそうである。

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脳の話

先週の「千葉県本部講習会」の時に、『脳に悪い7つの習慣  林 成之著』を買った。

「今、自分が行っている『テキスト』作りや講習会は、この本の中でも具体的に紹介されていて、医学的にも大変脳に良いことを見つけてしまったんです。」(今更かい!)

「読んでいて驚きが連発した気分である。」(なるほどね!)

明後日は「富山県本部講習会」があるが、人前で話すということは、始めは緊張するが、時間が経つにつれてだんだん心地よくなってくる。これが脳には大変良い時だろうと思うが、「心地良い?」これは話してみないと分からないかも知れない。

ただ、さすがに4時間後は脳も疲れてくるので、思考と話が縺れ始めてくる。これがきっと終了の合図だと思う。

講習会は先生方に喜んで頂くことが目的なので、ずーと「自分に連勝」でなければならない。毎回ベストで臨むには、まず準備から手を抜かないことである。この準備をしている間、実は開催県の先生方の顔がずら~っと浮かぶ。(マジっすか!)

きっと恋人に会うような気持ちかもしれない。(笑)

このわくわく感が、また脳に良いかもしれない。

という訳で、人生楽しく脳も健康でいられることに感謝して終わり。

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珠算式暗算

「珠算式暗算」って何だろう? 「頭の中にそろばんが入っていて、数字を見た瞬間に珠が動いて計算をする」というのが一般的な認識だと思う。

そろばんの珠は「数象」といって、その数象が頭の中で描かれることを「写像」という。つまり写像できないと珠算式暗算もできないことになる。

ところで、2+6の問題を珠算式暗算を使って計算するだろうか?「2+6程度の計算ならば、別に珠算式暗算を使わなくても理屈なしで8」と答えられないだろうか?このように数字(記号・言葉)を見ただけで計算処理できる暗算を「概念暗算」という。

しかし、桁数や口数の多い問題に関しては、珠算式暗算が一番速く正しく解答ができる。したがって、珠算式暗算の導入は「2桁から」が一般的であるが、1年生は数観念の未獲得者が多いので、逆に2桁だと難しくなる。

珠算式暗算は写像の計算であるが、実はこの写像については「直観像素質者」であるかどうかということが問題になる。いくら練習を積んでも「珠が描けなければ計算はできない」わけであるから、その点も配慮して指導に当たることが大切である。ちなみに「直観像素質者」は15歳以上になると極端に減少する。

上記のことをふまえて、「珠算式暗算も導入時期や教材を誤ると学習困難に陥る」ということを指導者は知っておくべきである。

↓暗算も「珠+数字」を使うことでさらに写像はUPする。

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分数テキスト

今年度発売した『分数2』は、「新・学習指導要領」対応テキストであるので、本年は『分数1』・・・4年生 『分数2』・・・5年生で使用して欲しい。

なお、来年度も分数が苦手な児童には、『分数2』を5年生の復習として使っても効果があるので、あくまでも児童の能力に合わせて学習させることがベストである。

さて、19年度の「全国学力状況」の調査で

「0.5・7/10・4/5 の3つの数を数直線上に表してみましょう」という問題が出題された。

この問題の正答率は55.9%で、誤答としては、7/10が一番大きいと選んだ児童が17.2%いた。

この調査から分数・小数は、「数の認識に課題がある」ということが言える。結局、意味や関係が分からないことは、算数では致命的なことである。これは珠算にも当てはまることだから正直耳が痛い話である。

R・スケンプは、「わからないが、計算はできる」ことを、「道具的理解」と言っている。算数は「できる」というより「わかる」ことを重点に置いているので、やはり「概念的理解」が土台となるのは言うまでもない。

『テキスト』が吼えているのも「概念的理解」である。(分かって~!)

分数は抽象的な数であるので、「わかる」ように教えないと最終的に行き詰る。「これが分数ができない大学生」の実態であろう。

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