小数計算
そろばんは「量が見える」という特性がある。数字より数がイメージし易いし、「定位点」を使えば「二百五」という命数を布数した瞬間に記数に転換できる。
反面、数字は0を表記するので、「2」と「2000」の区別が簡単にできる。そろばんは布数すると「0」が消える現象が起きる。これが「0」を含んだ問題の誤答の要因である。
かと言って、「0」の誤答を防ぐために「定位法」を早くから導入するのはどうだろう?定位法に頼るあまりに、10倍、100倍の概念が定着せず、それどころか「そろばんの教具の良さ」が消えてしまう。これを防ぐためには、0の意味や10倍概念を数理的に理解しておくことが非常に大切である。
また、0.2+0.3の計算は2+3より難しい。ところがそろばんに0.2を布数すると、0.2は2と見える。(整数と逆に小数は0が見えない方が都合がいい。)これがそろばんの「小数を整数化(分離量化)する」という教具性の意味である。
算数の場合、小数の0が見えるために難しいが、そろばんを使って小数を教えれば、簡単に記数法と数の構成が理解できる。つまり小数の加減算の導入は、暗算でするより、そろばんを使った方が小数は簡単に理解できるということである。
このような学習を省いて「定位法」の指導をすれば、小数を布数する段階で誤る可能性が高くなる。したがって、小数の加減算は定位法を指導する前に教えることが重要である。
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