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2009年10月

千葉県本部講習会

日曜日に開催される「千葉県本部講習会」は『暗算』の講習があるので、昨日『暗算1』の『解説&解答書』を徹夜で書き上げた。今回はこれをもとに話そうと思う。

珠算式暗算といってもなかなか奥が深いので、サプライズのところもあると思う。「このブログで内容を知りたいって?」「お~っと、これは日曜日のネタだから今はダ・メ!」

いずれ『解説&解答書』を発売するので、それからブログでさらに詳しく書く予定である。

とりあえず、『ABACUS 9』と『暗算1』は原稿を書き終わっているので、校正が終わり次第、印刷・製本に取り掛かる予定である。(いそげ~っ!)

日曜日の講習会は参加者が40名、だんだんSSKCLUBの講習会もBIGになってきたが、教える気持ちは10年前とまったく変わらない。ただ、赤面症は少し治ったかな?と思っている。

ところで月曜日は東京で「アールズ出版」のHさんと第2回目の原稿の打ち合わせがあるが、国語力の乏しい自分には、Hさんが先生のように思えてきた。

何事も勉強!勉強!です。

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解説&解答書

11月から始まる講習会(3週連続)は、講習会と自宅が3日・4日というローテーションが繰り返される。自宅にいる4日間も実はSSKCLUBの大切な時間となる。

現在『テキスト』は55作あるが、これから『解説&解答書』を21作(トータル41作)発行する予定である。

ブログに書いて、HPに発表した以上、「やらねばならぬ」(村田英雄か!)の心境である。

『共同通信』→『産経新聞→Yahoo』→ラジオ→TV→『アールズ出版』とメディアに紹介されたお陰で、新入会員が一気に増え始めた。これから「そろばんの先生になりたい」という先生もかなりいる。      

※(学習塾の入会はお断りしている。)

これからの課題は、新人の先生方をどう育てていくかである。

テキストの発行部数を考えると、講習会だけで指導者の育成は到底追いつかないので、できることを考えたら、やはり『解説&解答書』を発行することが最善だと思った。

まもなく発行される『解説&解答書』はこれだ!

「ワンツースリー!」

『ABACUS 9』 → 『暗算』 → 『暗算2』 

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指導ってなんだろう?

「子どもの能力を引き出す」とは一体どういうことなのか?

能力を引き出すのは確かに先生であるが、指導が強引すぎると逆に能力を潰してしまう可能性がある。これでは何のために教えているか首を傾げたくなる。

幼児や1年生では合成分解が従来の指導法ではなかなか理解してもらえなかった。これは「魚に空を飛べ」というような無茶な指導だったかもしれない。

ところが最適な『教材』を使用すると、簡単に合成分解が通過してくる。これが「無理なく子どもの能力を引き出す」ことであろう。

今まで幼児・1年生が使いこなせる『教材』が無かったことが、自分にはチャンスであった。チャンスをものにするには、状況に負けないことである。つまり世の中の流れに流されないことである。自分には「知力と運がある」と信じていなければ運は動かない。

運は天から降ってきたり、突然沸いてくるものではない。いつも試行錯誤しているうちに遭遇するものである。

もう一点SSKCLUBは「珠算と算数が融合している教育」である。これは従来の指導法をぶち壊すことで解決できる。一般的に破壊はそれで終わりであるが、「融合は壊したものを上手く組み立てることで再生できること。」を意味する。

「何も教えなくてもできる」 これが最高の能力の引き出し方だと思う。

強引に「合成分解」を教えても理解できなければ、ただ教え込んでいるように見えるだけである。

常識や固定概念から自由になること!これができない限り新しい指導法などありえない。

↓これだけで「6+7」ができるようになる。

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これからの予定

11月は千葉・富山・宮城(全珠連)と講習会が続く。講習会と講習会の間は、授業と執筆が中心の仕事になる。

今書いている解説&解答書は『小数』だが、これから『ABACUS 9 10A 10B』さらに『KIDS1~5 スペシャル』まで作る予定である。

さらに、アールズ出版から発売される『そろばん力=算数力』(仮名)を同時進行で書いている。

ほとんど平日は、書くことと教えることで一日が終わり、週末は講習会となるから、なかなか完全休養日がとれないのが現実である。

ただ、休みの日に書斎にいると、ついついパソコンを触るから、結局ブログや原稿を書いてしまう。

これでは家族からも「嫌われ者」にされてしまいそうである。

趣味&仕事の境界線が無い人生は幸せかもしれないが、「生みの苦しみ」が付きまとうようになっているので、これを何とか超えないといけないと思う。

プロフェッショナルの年齢には、まだほど遠いので、ゆっくり過ごす年があってもいいかも知れない。

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嫌われ者でも大丈夫

『テキスト』の指導に慣れてくると、解答の採点も流れ作業になりがちになる。確かに忙しい時は「ついつい」って感じだろうが、ただ、誤答から致命的な学習を早く見抜くことは大切である。

『テキスト』はあえて「誤答」がでるように作問した箇所もあるので、誤答が偏って出た場合は、問題を分析することが大切である。この分析力が着いてくると、『テキスト』の見方も感じ方も変わってくる。さらに分析することが楽しくなる。もし「楽しい」と感じたら、研究者になれる素質があると思う。

昔は「誤算発見法」という研究もあったが、最近は研究者が少なくなったせいか、驚くような研究が少なくなったのは残念である。

今年の「関東地連」の講習会で、「研究者は組織から嫌われる。」と大先輩から言われた。「自分のことなんだ!」と思ったが、事実だから素直に認めることにした。

毎日、子どもを見ていると実に楽しい!

大人から嫌われても大丈夫です! 

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プロフェッショナル

昨日のNHKの「プロフェッショナル」を見て、SSKCLUBで学ぶと「脳によい」ことが証明されたような気がする。

自分も毎朝歩いているが、それは「健康のため」と講習会や『テキスト』の内容を頭の中で練ることができるからだ。講習会でノー原稿で話せるのも歩くことが元となっている。講演のトレーニングはこれが一番だと思う。人前で話せば、さらに脳は活性化するから、講師業は「若返り健康法」のようなものである。まさに一石二鳥の運動である。(笑)

「そろばんに算数や幼児教育を融合する」ことは、どちらかと言えば新しい分野の教育である。新しいことを始めるといろんなことを考える。教育は学ぶとだんだん奥が深くなるので、最終的に「思いもよらない」ことがたびたび起きる。

はじめから結果がわかることもあるが、創造性のある仕事ほど意外な展開が多いので非常に面白い。面白いことはさらに脳を使うので、結果的には脳のエキスが循環しているような気持ちになる。珠算も考え方を変えれば創造性の学問になる。

今回のプロフェッショナルに出演された中島先生の最近の活躍ぶりを見ると、楽しさと仕事が両立しているので非常に爽やかに見える。

「中島に続け」と若い先生が育っているので、SSKCLUBはこれからが楽しみである。

学ぶ→わかる→面白い→脳の活性化→若返る→磨きがかかる→幸せになる

先ずは「学ぼうSSKCLUB」から!

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茨城県本部講習会

10月18日(日) 茨城県本部講習会が開催された。

初めての本部講習会であったが40名の先生が受講し、講師としても大変有意義な一日となった。

今回の『KIDS』は、もう10年前から講義をしているが、自分も成長(勉強)しているので、随分内容が濃くなったと思う。

講義の始めに「幼児教育と言っても、ただ単に幼児に従来の珠算を教えていれば、それは幼児教育ではない。」と話した。

小学校に「学習指導要領」や「教育基本法」があるように、幼児には「幼稚園基本法」が別にある。つまり年齢に合わせた教育の仕方があるということである。

そろばんは、「五珠を使うから難しい」のではない。「5という数が分からないから難しい」のである。

したがって、「数を分からせる」=「そろばん力」という考えが大切である。

ところで「数」って何だろう?

これを知らない指導者が実は一番恐ろしいことである。

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分数3

『分数3』(5年生対象 平成22年発売)の第1回目の検査を開始した。

『分数1』を4年生、『分数2』を5年生、『分数3』を6年生にそれぞれ学習させ、分数の忘却率を測定する。一般的に分数は「1年後の忘却が50%以下に落ちる」と言われているので、先ずは忘却しているところを修復してから本格的な検査に入る予定である。

整数も「数の認識」がしっかりしていると四則計算の理解が高いように、分数も「分数の意味」がよく分かっている児童は、帯分数・仮分数・同値分数の処理がスムーズにいく。

分数は連続量から派生したものであるので、連続量をしっかり馴染ませることが大切である。それには小数の学習時点に量の換算をしっかり定着させておくことがポイントになる。

したがって「分数」を単独的に捉えるのではなく、整数→小数→分数の関連を含めて学習すれば忘却はしない。

いくら「スパイラル的な学習が大切」と言っても、構造的なことを教えない限り、それはその場しのぎの計算になってしまう。

珠算にとって整数・小数は大切な数であるが、分数を学ぶことによって逆に整数・小数の理解が深まるようになる。(学習の還元作用)

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ものの数え方

幼児がものを数える時、その対象となるものは具体物である。この時に使われる言葉(数詞・助数詞)は、やがて具体物から離れ、抽象的な段階に入り、ほとんどその意味を失ってしまう。しかし、人間の発達は原始時代から不変であることを考えると、珠算で幼児を教える場合も、ものを数えさせることから始めなくては数概念は正しく育たないと思う。「概念」から「観念」を経て「数を抽象化」しないと、「計算の意味は理解できない。」

実際、「5」と言われても、大人でも何かあるものをイメージしているわけではない。原始時代と違って数を数える必要もないが、果てしなく続く数のつながりの中に、「5」が存在するわけで、それは「2+3」「5-1=4」「4の次の数」「6の前の数」等の意味も含んでいる。

また、幼児期は「数学力」が芽生える時期でもある。言葉による数を教える(記憶)ことに重点を置くと、数字の処理は早くできるかもしれないが、逆に数学力はつかない危険性がある。それを承知の上で指導しないと幼児教育に問題が生じる。

『KIDS』で具体物を数えさせたり、簡単な数を「あわせたり」「わけたり」していることが、集合数や順序数の理解に大切な学習となる。

カントールの集合論も「ものを数える」ことが原点であろう。

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数字と言語

平成6年に名古屋毎日文化センターで「数あそび」を教えていた頃、3歳児(年少児)が入会してきた。文化センターは幼児であれば無条件に入会させてしまうので、しばしば面食らうことがあった。

3歳児に具体物を数えさせたところ「いち に さん たくさん・・・?」となった。4以上の数は全て「たくさん」ということである。

「数の発達は、数の言語の成長と歩調が同じ」という説が一般的であるが、この「たくさん」という捉え方は、古くは19世紀のオーストラリアの原住民の言語とピタリと一致している。オーストラリアの原住民の言語数は三十くらいであるが、その数詞は4を超えることはなく、それを使っている種族は、数を数える基盤として、片手の指の数(5)の認識までもっていないのである。(基数詞は存在して序数詞は知られてない。)

このように「数は発達」であり、「言語は成長」と区別されるが、「成長と共に発達を促すような学習をすることが極めて大切である」ことがいえる。

幼児期の発達は段階が決まっているので過剰な学習は非常に危険である。さらにこの時期は「適量」と「適齢」にあった『教材・教具』を使用することが知識となり、この知識を使えば「学習量」が少なくても理解できるようになるのである。

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韓国の算数

韓国の数学教育は日本と非常に似ているといわれている。

そこで韓国の小学校1~3学年までの数学(韓国では算数を数学と呼ぶ)の内容を述べてみる。

●1学年

はじめて数を学習するので、数字の読み方や書き方をきちんと学ぶ。□を使用した式、2位数の加法・減法、時刻(時、分)100までの数の配列表から規則を探すこと等を学習する。ただし、加法・減法は、常に筆算と対応づけて学習する。計算練習、反復学習にかける時間が多く、問題数も多い。計算のスピードはかなり早くなるようである。

●2学年

3位数の加法・減法、48÷8などの簡単な除法、基本的な平面図形、立体図形の構成、分数の理解、表やグラフ、未知数を求めること等を学習する。平面図形は、いろいろな形を扱っており、日本よりも複雑である。問題数と筆算が多いのが目立つ。

●3学年

5位数までの数、4位数の加法・減法、時間、長さ、分数、小数の理解、棒グラフ等を学習する。重さの単元は、理科や社会科等の他教科との関連性や連帯性を強化するため、第4学年から3学年に移行された。日本では、3学年で「そろばん」を学習するが、韓国では、以前の教科書でそろばんを紹介していたが、現在の教科書では扱っていない。

今後、韓国では「数学の概念や理論を重視し、思考力や表現力、意思疎通力、活用力を伸ばし、問題解決能力を高める教育」へと大きく変わろうとしているように思われる。

日本の算数も「学習指導要領」が変わり、韓国と同じように「数学の概念や理論の重視」は同じである。

世の中の算数が変革し始めた中で、子どもたちに珠算をどう教えていくのか?これから珠算を背負っていく指導者の意識は非常に大切であるような気がする。

(参考文献 斉藤 昇 鳴門教育大学大学院教授 「海外の算数教科書」)

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小数計算

そろばんは「量が見える」という特性がある。数字より数がイメージし易いし、「定位点」を使えば「二百五」という命数を布数した瞬間に記数に転換できる。

反面、数字は0を表記するので、「2」と「2000」の区別が簡単にできる。そろばんは布数すると「0」が消える現象が起きる。これが「0」を含んだ問題の誤答の要因である。

かと言って、「0」の誤答を防ぐために「定位法」を早くから導入するのはどうだろう?定位法に頼るあまりに、10倍、100倍の概念が定着せず、それどころか「そろばんの教具の良さ」が消えてしまう。これを防ぐためには、0の意味や10倍概念を数理的に理解しておくことが非常に大切である。

また、0.2+0.3の計算は2+3より難しい。ところがそろばんに0.2を布数すると、0.2は2と見える。(整数と逆に小数は0が見えない方が都合がいい。)これがそろばんの「小数を整数化(分離量化)する」という教具性の意味である。

算数の場合、小数の0が見えるために難しいが、そろばんを使って小数を教えれば、簡単に記数法と数の構成が理解できる。つまり小数の加減算の導入は、暗算でするより、そろばんを使った方が小数は簡単に理解できるということである。

このような学習を省いて「定位法」の指導をすれば、小数を布数する段階で誤る可能性が高くなる。したがって、小数の加減算は定位法を指導する前に教えることが重要である。

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文章問題(2)

毎年、年度末に東京都算数教育研究会が各学年に行なっている調査によると、19年度の調査結果では、「計算処理の正答率に対して演算決定の正答率は低い」という結果が出た。

第3学年では計算4問の正答率が73~95%であるのに対して、乗法の式になる文章問題を選択する問題の完答率は56%、除法の式になる文章問題を選択する問題の完答率は52%であった。

(都算研の分析)

正しい演算決定ができない原因としては、問題文にある「言葉や数の大小」にとらわれていて、「問題場面を正しく把握できていない」ということが考えられる。

正しく計算できても、正しく立式できなければ活用することができない。特に、第3学年では加減乗除をすべて学習するので、正しい問題場面の把握が難しくなる。

この分析から3学年あたりから文章問題などが出来なくなる可能性があるので、珠算塾の退会者が昔より早くなるのは避けられないことだと思う。しかし、「演算決定能力を付けながら、そろばんで計算力をつければ親のニーズに合致する」ので高学年までそろばんを習うようになる。

幼児からそろばんを習っても、早い時期にそろばんを辞めてしまうのでは全く意味がない。SSKCLUBのそろばんに通塾する児童は、「算数の学力向上を狙ってそろばんに入学している」のが大半である。

我々は、この点を理解して指導しないと保護者のニーズと相違し、珠算の就学者が増えることは難しいと思う。

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水道方式

本日の「SSKCLUBとともに」のブログに遠山啓氏の記事が掲載されていた。だんだん算数に目が向くようになると、結構古い記事でも新鮮に感じるようになる。

正直、ここに目をつけたとは凄い!

http://with-sskclub.blog.ocn.ne.jp/blog/2009/10/1953_a088.html

少し、関連したことを話すと、遠山氏は「水道方式」の創設者でもあり、『KIDSテキスト』のチップも水道方式のタイルを参考にしている。

写真(1984)は、西尾市米津小学校の松崎重弘先生の「タイルを使った大きな数」である。(この先生から水道方式を教えて頂いた。)

タイルを使って量感を養い、筆算へ結びつけるのが水道方式である。SSKCLUBはチップを使って計数そろばんへ結びつけている点は同じ原理であるが、計数そろばんは「入れる、はらう」という操作がある点がタイルより更に優れている教具だと思う。

現在では筆算は算数の主流になっているが、1953年当時は、暗算(珠算式暗算)を重んじていたため、量を無視されていた。したがって算数検定教科書からは外されてしまったが、現在ではしっかり量を意識した内容となっている。

「珠算も量に結びつけば算数になる。」

この簡単なことに気がつかない限り、珠算は昭和時代に取り残された教育になるような気がする。

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