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原理・構造

珠算の12-5は、「10をはらって5を入れる」という運珠法を使うが、本来、計算方法は一つとは限らない。解答の解は「解き方」で、答は「答え」である。答は1つしかないから、12-5=7は、「7にきまっている」のである。それも地球固有のものでもない。つまり「月に行っても7である。」 

運珠法(解)の「10をはらって5を入れる」というルールは一種の表現に過ぎない。

たとえば12-5を減減法で行う場合12から2を引いて10、10から3を引いて7(5を2と3に分けて考える。

※引いて引くから減減法。)の解き方まで最近の算数指導ではOKとされている。

3+2でも、そろばんに3を布数して、1+1(数えたし)でも答えは求められる。実際そのような児童もたまにいる。

3+2=5であることは分かるが、児童はその手段が分からないのである。

年長児の知覚数は5であるが、5個と3個を比較した場合、「5個の方が2個多い」という程度のことは、別に大人から教えてもらわなくても具体物を見れば分かることである。

しかし、これが5-3であるという認識は、実は簡単にできるものではない。つまり、数学的な原理や構造が分からなければならないからである。幼児の発達段階ではとても難しいことであるが、それを教えることによってわれわれの仕事が成り立っているわけである。

12-5の場合、計算の仕方が分からなくても、ひき算の意味や数観念を獲得していれば、あとは手段を教えれば簡単に「演算決定能力」も「計算力」もついてくる。

3+2、5-3の合成分解も、意味や原理などの大切さを知っている指導者ほど、簡単に「運珠法」を捨てられるものである。

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