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2009年5月

講習会のすすめ

SSKCLUBは「勉強会」である。したがって、SSKCLUBへ入会する動機は非常に大切となる。「私は勉強が嫌いです。」という先生には、正直馴染めない組織である。

従来の『教材』からSSKCLUBの『テキスト』を使い始めると、まず不安を感じるのは誰でも同じである。自分でも『新・テキスト』を子どもに渡すときは、正直ドキドキする。この不安はなぜ起きるのか?「それは、結果が分からないからである。」

一般的に「教育の結果は20年かかる」と言われているので、教材を変えたからといって結果が直ぐにでるほど甘いものではない。『テキスト』を使い始めて3年くらい過ぎると、ぼちぼち子どもの結果が出始めるので、指導者の不安が安心に変わってくる。つまり、信じて3年間使うことが原則である。

「この世の中のことは、この世の中で解決するし、分からなかったら講習会で聞けばいいじゃん!」とにかく講習会に参加!

よく考えたら簡単なことだけど、その一歩が踏み出せない。ならば、「子どもにしっかり学びなさい。」とは言えないぞ!特に『KIDS』~『ABACUS3A』の間に、指導法の悩みがあるならば、くどいかもしれないが、講習会に参加すべきである。または弟子ブログを熟読すべきである。(結構いいこと書いてある。)

来月、全国大会があるが、2日目の講習は「あっと驚くタメゴロー」ぽいし、普段の講習会では話さない内容である。(資料は完成済み)講習会に行こう!

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高原現象

『テキスト』を使い始めてから「自分の指導力がどの程度ついたか?」という評価は、非常に気になるところである。「指導力を評価するものさし」として生徒の理解力や誤答の追跡等は大切であるが、最終的には自分で評価するしかない。この自己評価によって自分の効力感も上下するので、結果的に指導は真面目に取り組むことが大原則になる。

児童も学習を開始した時は、やる気があるし問題も簡単に作られているので、自己効力感は高いが暫らくすると突然「わからなくなる」ことがある。中には「分かっていたところまで分からなくなる」児童も現れる。これがいわゆる高原現象というものである。

高原現象とは『努力しているにもかかわらず、目に見えるような向上が見られない状態』のことである。この状態に陥った児童は「これが自分の限界だ。」と思い込み、非常に落胆してしまう。しかし、一般的に向上のプロセスには停滞期は必ずある訳で、この時期をクリアする場合に大切なのが「学習心理」である。

あまりにもハードルが高すぎる学習を続けさせると、停滞はもはや解除できなくなる。合成分解で躓いている低学年は典型的な高原現象である。

この高原現象を、いとも簡単にクリアできるような指導者こそ、高い評価を与えることができると思う。さらに指導者の効力感もプラスに働き、より一層指導力に磨きがかかると思われる。

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珠算式暗算

一般的に算数では「頭の中で計算をする」のが暗算で「紙に書いて計算をする」のが筆算であると定義づけられている。つまり、算数の暗算は「十の位から必ず計算する」という計算順序の拘りは低いのである。

仮に12+13の場合を例に挙げると、10の位から先に足す(10+10 2+3)方が、「およその数から答えが推理できるという」利点が含まれていることがわかる。

珠算は計算の順序や速さを意識しているが、算数では「計算の見積り」や「概算的な捉え方」を重視している。この違いを指導者側がしっかり把握していないと児童が算数で暗算力を活かすことが難しくなる。せっかく暗算を指導するならば算数で力を発揮できる暗算を考えた方がよい。

ところで珠算式暗算は、そろばん珠(数象)を使って計算をするが、それはそろばん珠を指で弾く(操作)ことから、自然に珠を頭の中に描くことができるようになるわけである。もし、おはじきを使って計算を覚えさせたならば、おはじきがイメージできるようになる。これがシェーマ(図)というものである。

昔、「水道方式」で、タイルを使って筆算(暗算大反対論)を教える教育がブームになった。タイルを使うことにより、児童はタイルをイメージしながら計算が理解できるようになった。やはり始めに教えたことはイメージになるので、珠算式暗算も算数的に作問した方が合理的であるということは言うまでもない。

『暗算テキスト』は、図の難易度を考えて作ったが、もう1点、合成分解の作問も『テキスト』と同じ配列で作成したテキストである。『暗算テキスト』自体は、実は珠算の導入テキストにも使える学習内容であるが、これは大変画期的なことである。1236

作った自分でも「むーん」と唸ったぞや!

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ブログ

講習会が続くとやはり「ブログ」の更新が遅くなる。

『ぱちぱち日記』のブログ本が発行され、随分差をつけられてしまった感じがする。継続は知識も無いと書けないので、きっと頭の中に情報が沢山詰まっているような気がする。真面目に勉強してきて「よかったと思います。」

自分も若い頃から真面目に勉強してきたが、4月に行われた関東地方連合会で、大先輩から「組織では研究者ほど嫌われる・・・」と言われた。確かに若い頃から組織では浮いていたがスタイルを変えないで前に進んで行けば、なんとか生きて行けるものである。

連日全国大会の資料作りや会の運営で多忙であるが、吉見出版から「ABACUS Lesson5・8の解答書が完売です。」と連絡が入った。『ABACUS Lesson8』はまだ『解説&解答書』に変更していないので「大至急、解説を書かなくては」と・・・! そこで今月末までには『ABACUS8』の解説&解答書を発売する予定である。

『ブログや解説書』は先生方に、『テキスト』は生徒に書いているが、ものを書くということは相手のことを考えなければならないが、自分の場合、頭の中にモデルを描きながら書くことにしている。そうすることによってレベルが安定する気がする。とりあえずブログはこれからも続けようと思うが、毎日ネタも湧き出ているわけでもないので、たまに休みも「あると思います。」

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先生の指導

珠算の受験者数が1980年の2,045,636人をピークに、2005年には181,899人まで落ち込んだ。また珠算の先生においては、平成元年から平成20年までに約10,000人が減った。『中日新聞』に「そろばん復権な~り」と掲載されたが、珠算の先生が減れば、塾も生徒も受験者数も減る。この先「復権」は右肩状態で上がっていくとは到底思えない。

そこで珠算界をどう発展させるか?ズバリ「先生の指導」である。一般的に珠算の先生は「そろばんが上手い、有段者である。」という条件で先生になれる。昨日まで素人がいきなりプロになってしまう。どぎつい言い方をすれば、「素人が素人を教える」ようなものである。

どんな世界でもそれなりの学校や養成所のようなものがあるはずだが、珠算界にはそのようなものがない。SSKCLUBでは、教材の使い方・先生の育成までもふまえた組織ある。SSKCLUBで学べば必ずプロの道が開けてくる。珠算界は世襲制度が蔓延っているから、一般人が珠算界へ飛び込むことは非常に難しいが、SSKCLUBは基本的には「学ぶ気持ちがあれば誰でも歓迎する」組織である。事実このブログを見て会員になられた人もいる。

後継者を育てなければ未来など語れるわけがない。

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合理性

17日(日)に群馬県講習会が終わり今期の本部講習会も無事終了した。群馬県講習会は、『2A』~『3B』を、最近発行した『解説・解答書』を中心に話した。やはり『解説・解答書』を作ってよかった。従来の講習とは少し違った味が出たと思う。

『2A』~『3B』は、珠算教育(初歩指導)において要とも言える内容が多いので、この段階で指導を間違えると、特に低学年は致命傷になる恐れがある。

本来、珠算教育には「運珠法」という音声言語のような指導がある。つまり2+3は「5をいれて2をはらう」、5-4は「1をいれて5をはらう」という言葉を使う教え方である。この「運珠法」は、「2+3はいくつ?」という問いかけをしているにも関わらず「5をいれて・・・」 これでは計算の前に答えを教えているようなものである。

「運珠法」を教えなければ、児童は自然に「2+3はいくつだろう」と考える。さらに2+3の合併や交換法則も理解できるようになる。「2をはらって3とあわせて5にする」方が、式における音声言語や数理的な立場からも正しい。『テキスト』で証明)

http://with-sskclub.blog.ocn.ne.jp/blog/2009/05/post_b55f.html(参考ブログ)

「運珠法」は「これを覚えれば計算ができる」という発想から100年前に作られたものであるが、一見合理的に思えても計算に無駄や誤答がたくさん出ればこれは合理的とは言えなくなる。つまり「簡単に教えられる」というのは指導者の合理性に過ぎない。「よくわかる」というのは児童の合理性である。

この勘違いは大きい!

合成分解は、合成分解そのものより、そのメカニズムを理解した方が大切である。

http://ameblo.jp/nakajyuku/day-20090105.html(参考ブログ)

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数の構成

「SSKCLUBとともに」のブログに、数の構成が掲載されている。このブログは『テキスト』の構造を非常にわかり易く書いてあるので、参考にするとよいと思う。

http://with-sskclub.blog.ocn.ne.jp/blog/2009/05/index.html

数の構成には「構成的な大きさ」と「相対的な大きさ」の二つがあるが、算数はいずれ数学へ繋がって行くわけであるから、数の構成は整数より小数・分数が理解できなければ話にならない。最終的には整数も小数も分数に包含される。

今回の「新・学習指導要領」では、概数と見当づけの関連性を強調している。例えば、2.5×3の答えは、「2×3=6から3×3=9の範囲内にある」というような認識を問われる。

自分が二十歳頃、ガソリンスタンドで給油した時、バイト風の男性から「いくらになりますか?ぼく 計算ができないです。」と言われたことがあった。なんで質問に質問されなければならないのか!!ビックリした。

「5円です!」と言えばよかったかもしれない?「違うか!」

昔はコンピューターが無い時代だから、計算は暗算かそろばんしかなかった。したがって計算力は非常に大切であった。今は逆に消費者が大体の概算力がないと困る。日常生活では小数の世界までが必要となる。つまり珠算教育では『小数2』のような学習が大切となる。『小数2』は暗算で処理するテキストであるから『暗算テキスト』にもなる優れものである。

どうして「数の構成」が大切なのか?それは「小数の意味を理解させる」ためでもある。

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岐阜県本部講習会

5月10日飛騨市で岐阜県講習会が開催された。今期も17日(日)の群馬県講習会を残すのみとなった。

人前で話すことは正直パワーがいる。ご存知のように、いつも『原稿』を読まないで話しているが4時間分の原稿をいちいち読んでいたら逆に大変な労力になる。読むより話している最中に原稿を頭の中から引っ張り出した方がはるかに楽である。

子どもだって「合成分解」を運珠法を見させて教えるより、考えさせた(数観念を引っ張り出す)方がよくできる。もし漫才師が『ネタ』を見ながら話していたら「ドン引き」になる。テンポも間も無くなる。

そろばんもトレーニングをすると数字を見た瞬間に指が動くが、講習も同じで話している最中に次の原稿が頭の片隅に待機(原稿が見えている)するようになる。後は時計を見ながら原稿の長さを調節するわけである。早い話カーナビの目的時間が分かるというようなものである。

話は文字と違って、耳から入ると消えるので、内容をスパイラルにしないと残らない。さらに話す速さも変えないと心に残らない。このように講習も『テキスト』の制作と同じように「趣味の世界」と思えば楽しくなる。

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岐阜県講習会の会場は「飛騨古川駅」の裏。(近代的な建物)

近くに古い町並みと鯉が泳いでいる小川がある。講習会を兼ねて観光もいいですよ。

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全国大会に向けて

全国大会まであと2か月となった。毎年この時期になると準備に追われる日々が続く。

現在会員数も200名を超え来年はSSKCLUB10周年を迎えるが、これも先生方の厚いご支援の賜物だと思います。心よりお礼申し上げます。

今年の全国大会は、新テキスト『分数2』・「式と計算に関わる指導」・「KIDSドリルの考察」の3本(5時間)を予定しています。内容は、『分数2』・・・実践指導、「式と計算に関わる指導」・・・研究報告、「KIDSドリル」・・・誤答分析

とくに「式と計算に関わる指導」は、教育課程実施状況調査と「計算のきまり」の学習検査を元に研究報告をする。普段講習会では話さない内容ですので聞いて損はないと思います。また「KIDSドリル」に関しては、幼児が塾内で学習した『ドリル』を誤答調査をしてドリルの効果や幼児教育のアドバイスをします。

今回、全国大会の締め切りが5月11日となっていますので、お早めに申し込みをして下さい。※ 会員外も参加できます。ただ今『KIDSドリル』調査中!090508_173557

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分散的学習

A君は幼児から入学して現在3年生である。

A君は小学校に入学する寸前に幼稚園で行なわれた「能力検査」を受けたところ、幼稚園の先生から「医者で検査されては・・・」と言われたらしい。確かに普通児より若干落ちるところもあるが、特別支援学級の児童ではない。

写真を見ると見事によくできている。これは学習を分散することによって(分散的学習)、集中力が持続できるようになるからである。集中するというのは「乗加法則」を頭の中から引っ張り出すことである。

低学年や学習が遅い児童は、集中力が欠けていることが多いので、一気に沢山学習させると、逆に集中力が発揮できなくなる。(これは指導者の判断力が大切になる。)基本を丁寧に、基本に忠実に学習させれば、定着も早く誰が指導しても同じ結果が出るのが優れた教材であると思う。

生徒-先生-教材→ このトライアングルが上手く機能すれば授業は快適になる。

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珠算の将来

東京大学算数研究会が出版した『算数に強い子どもを育てる』の中に「やり方のわかっている問題を競争でやらせる学習効果について」が記載されている。

・・・これは無意味なことではない。計算技能の向上にもなるし既に理解している事柄を定着させる効果がある。ただ、いつも同じやり方で競争させていたのでは限定的な意味しかなく、競争を毎回やっていると理解の早い子どもにとってはすぐに退屈な儀式のようなものになってしまう。

すでに解法のわかっている問題で競い合うと、処理速度が遅い子どもにとってはいつも順位が低いということになり面白くなくなる。これを続けると算数の意欲は失われるかもしれない。

「珠算と算数は、全く別のものである」と考えるならば、珠算は「将来役に立つ」という認識がない現代社会では、珠算の競技は「楽しいゲーム」で終わってしまう可能性がある。算数には分からなかったことを解明していく「わかる喜び」がある。これに対して珠算は「できる喜び」が大きい。つまり珠算は「意味がわからなくても計算ができる」という指導法であり、その延長線上に「珠算の競技」がある。

珠算教育の概念を、従来の「将来役に立つ」から「算数に役立つ」に変えない限り、この先の珠算の発展は厳しいと思われる。『テキスト』は、将来の珠算教育を見越して具体化したもである。『テキスト』を使いこなす能力は、これからの珠算人には絶対に必要となる。したがって、将来の珠算を考えるならば今!学ぶことが大切である。学ぶことなくして大成した人間はいない。これはどんな世界でも通用する「原則」だと思う。

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論理的思考と直感

珠算と筆算のわり算の類似点に「アルゴリズム」(たてて・かけて・ひく)という論理的な思考がある。これは意識的に覚えれば計算が可能となり、わり算の意味を理解しなくても計算ができるようになる。

珠算の計算はトレーニングすると速く珠を弾けるようになるが、速く弾ければわり算の意味が比例してわかるようになるとは限らない。

例えば、「この問題はわり算なのか、あまりがでるのか」といった判断は、直感(ヒューリスティック)のような一瞬で判断処理できる能力の方が論理的思考よりも必要とされる。初めは試行錯誤しながら演算を決定していた児童が、無意識に問題を捉えられるようになるのは一見なんの論理的根拠もないように見えるが、実はもの凄いスピードで論理的に演算を組み立てているわけである。このような直感は『KIDS』や『かけ算』を繰り返し学習することによって養われるようになる。つまり無意識のアルゴリズムこそ「直感」となるのである。

要は「考える学習」が如何に大切であるかだ!

私の講習会に参加された先生も、実は話を聞きながら倫理的思考を働かそうとしているが、1時間過ぎても「頷く」ようにならなければ論理的思考は直感に転化していないことになる。

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