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2009年4月

学習エネルギー

はじめて「かけ算」を学習する場合、かけ算学習に対する「必要エネルギー」が求められる。一般的に算数嫌いの児童は、かけ算との出会いの段階で覚えることを強要されるため、考える楽しみを奪われ「興味エネルギー」を放出することができなくなる。

このタイプの児童が「算数とは自分で考えるものでなく、誰かに問題の解き方を教えてもらってそれを丸暗記するものである。」という勘違いをしている。したがって、いつの間にか「興味エネルギー」が消滅して「考えない児童」になってしまう。このような児童が「算数ができない」という理由でそろばんに入学しても、また同じように「覚える学習」を強要されるので、一向に算数の進歩が見られない。

初歩の「かけ算」程度であれば、覚えてもクリアできるが、やがて自分で解決できない問題に遭遇した時、一時しのぎの学習(覚えた学習)が仇になるのは結果を見るまでもない。

子どもが興味をもつ学習とは何だろうか?ズバリ『立体型教材』で学習すれば、簡単に学習エネルギーが出るようになる。

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美的創造力

よく「創造力を養う」と言われるが珠算教育で果たして創造力は養うことができるのか?

創造性に関して数学者の数学的発見における美的感覚について語られることがある。

ジャック・アダマールは数学における発明の心理を論ずる中で、次のようなことを指摘している。

「発明は選択であり、その選択はどうしても科学的美的感覚に支配されている。」

発見の意志なしには、重大な発見や発明はありえないことは、『テキスト』の制作からも明らかである。しかしそれ以上に、発見の不可欠の手段として美的感覚が関与していることを知ることが大切である。

珠算の場合、学習背景に数学的な感性があるかどうかを見極められるのは、指導者の美的感覚に他ならない。つまり豊かな感性がなければ、珠算を数学的に捉えられないことになる。

本日の「なか塾ぱちぱち日記」は、正に美的な解答であろう。指導者が美的感覚を持ち合わせていると自然に子どもの解答も美しくなる。この美的感覚は「幼児ほど培われる」と言われているのでKIDSの指導は特に大切となる。

SSKCLUBと他団体の講習の時に感じる温度差は、やはり数学的な感性の違いかもしれない。

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会報23号

『会報23号』が完成した。先生方の配付は来週の予定である。

今まで『テキスト』の解説を掲載していたが吉見出版から『解説・解答書』が発売されたことから、このブログをまとめたもの(珠算・算数編)を掲載した。      

★ その他掲載内容

① 講習会レポート(愛知県・石川県・島根県・三重県)  

② 関東地方連合会珠算指導者講習会「近代化珠算教育の考察」 4月19日 講演

③ 全国大会開催のご案内

・日  時  平成21年7月4日(土)・5日(日)

・会  場  千葉県 クロスウェーブ幕張

・研修会  『分数1・2』

・研究報告 「式と計算に関わる指導」・『KIDSドリル』

※ 会員外も参加できます。

④ 事務局だより

  通常総会のお知らせ

⑤ 編集後記

★ 今回の会報は内容及び編集が素晴らしい出来栄えである。

レポートを書かれた先生・編集に携わった委員に厚く御礼を申し上げます。090424_094803_2

 

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全珠連関東地方連合会講習会

4月19日(日)に開催された第49回関東地方連合会珠算指導者講習会(オークラフロンティアホテルつくば)が無事終わった。140名の参加者を前にするといつもより気が張って爽快だった。

講習会の内容は、これからの珠算教育について本日実施された「全国学力テスト」と「大学の進学率」および「検定受験者数」のデーターを基に話を進めた。

昨年の全国学力テストと大学の進学率の関係から、教育も日本の経済と同じように都会と地方の「二極分化」が進んでいる。このことから、都会と地方における珠算の需要も「算数に役立つ珠算というとらえ方が都会ほど強い」ことが言える。したがって地方で成り立っている珠算教育は都会では通用しないことになる。例えば「生キャラメル」や「さとうきび」は大都会で作っても需要がないことと同じである。

珠算のニーズが「算数」に向いているのであれば、珠算教育を算数へ移行することは自然の原理から同化できることである。つまり珠算教育の大改革が今後必要となる。もし改革ができなければ珠算の需要は都会ほど落ちていく。

教育を変えることは文化や歴史があるほど難しいが、まずは志す気持ちが無ければ何事も成功しない。

「はじめの一歩」・・・これができたらあとは続けるだけである。

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フラッシュ計算

珠算のフラッシュ暗算は、脳科学でいう即時強化の理論で記憶に焼き付けるという練習である。このフラッシュ暗算に似ている「フラッシュカード」というものが算数にある。(図のような展開で1年生の計算を指導する。)

例えば8+6の問題に関しては「フラッシュ暗算」と違って、答えを瞬時に出させることを狙っているのでなくむしろそのプロセスを重視しているカードである。

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珠算の場合は必ず被加数分解で計算を処理するが、算数の場合は加数分解・被加数分解・両数分解でも構わない。

「フラッシュカード」の学習の進め方

① 8と6のどちらの数を分けたらよいか。

② 6をいくつといくつに分けるか。

③ いくつといくつで10になるか。

④ 10といくつで答えがでるか。

確かに計算のプロセスを大切にしている点は「フラッシュ暗算」よりマシであるが、合成分解がしっかり定着していない児童は、はたしてこれでできるだろうか?

やはり「数観念」の獲得が無ければ珠算も算数も苦戦することは言うまでもない。幼児期に「数観念」を育成することが如何に重要であるか考えるべきである。

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算数的なわり算

珠算のわり算は答えを出すことを強化することを目的にしている。ところが算数は、計算の仕方を言葉や図や式などで表現させる必要があることから、まずは考え方の強化から入る。

例えば、40÷2、150÷5、600÷2 などの問題は、10の束・100の束・10円玉・100円玉などで(4÷2)、(15÷5)、(6÷2)と考えて、式の意味や計算の仕方を理解させていく。この考えが根底になければ計算は成立しない。そろばんは、このような考えが無くても計算方法を機械的に覚えれば答えが出せるが、算数的なわり算と結びつくことは従来の学習方法ではあり得ない。

そこで『ザ・わり算 P14』のような展開をすると、珠算的わり算=算数的わり算に同化し、さらに6000÷2 → 48÷24 → 480÷24 へと類推できる。このような学習を積めばその都度教えなくても自ら考え、自然にできるようになる。

「あえて教えない」ようにすると、児童も「あえて聞かない」ようになる。090415_213201

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概数(3)

「0.512を 上から2けたの がい数にしましょう。」

この問題の誤答はほとんどが0.5である。上から2桁というのは、「5と1」の有効数字のことである。つまり0.512の「0」は、位を表している数字であるため有効数字ではない。

↓図のように、数直線を使って概数処理をすれば、有効数字の意味も理解できる。珠算は形式的な処理に走る傾向があるので、その点は全てにおいて改めるべきである。

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それでは一般的に概数の信用性は何桁までであろうか?円周率の3.14は上から3桁の概数(近似値)であり、もともと無理数であるから「真の値」は永久に求められない。そこで算数においては「上から3桁まで」を上限と決めている。

もし「棒の長さをものさしで測ったら、1.24896mでした。」と告げられたら、逆に「嘘ぽい!」というイメージがつかないだろうか?

ものさしで測った何本かの棒の長さの平均値を求めるならば話は違ってくるが、平均値でも小数点以下2桁目以降を出すことは、やはりあまり意味がないと思う。

それより、概数の意味・小数・量の換算などを理解させることの方が遥かに大切である。SSKCLUBが求めているのは数の大きさ(桁数)より「算数的な計算力」である。

指導者の「指導ものさし」が初めから狂っていれば、概数と言えども使いのもにならない数値になることを認識してほしい。

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概数(2)

算数における概数の誤差には「絶対誤差と相対誤差」がある。これは加減・乗除(概算)にそれぞれ発生する誤差の正式名である。

そこで計算における誤差について述べてみる。

計算の誤差というのは、計算を何回でも試みれば真の値が得られるようになる。しかし、大きな数になればなるほど誤差は許されるようになる。例えば「日本の人口」はたえず変動している点から、真の値が得られないので概数でも構わない。また面積なども測量以外は概数で処理されている。このように大きな数になればなるほど概数がつきまとうようになる。もし真の値を求めるならば、人的なミスは極力避けたい。そうすると珠算の計算より機械で処理した計算の方がミスによる誤差は少なくなる。

むしろ計算に重点を置くより概数の意味や判断性を考えた方がよい。つまり、珠算の計算能力はそこそこあればよいということになる。珠算学習の端数処理は「概数の意味」「四捨五入の意味」は基本的には教えない。また概数どうしの計算である「概算」も省かれている。極論で述べれば「計算がいくら優れていても、式が間違っていればどうにもならい」ということである。「判断ミスによる誤差」もあることを理解すべきである。

『ABACUS10B(概数)』090411_112213090411_112303

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概数(1)

概数といえば「およその数」である。珠算では「端数処理」と関連がある。今回の「新学習指導要領」の概数は「見当づけ」と結びつける狙いがある。

一般的に概数の指導では、概数の意味が問われるが、珠算では「四捨五入」による形式的な処理に限定される。つまり概数の本質であるところの「誤差」については全く触れていない。(次回解説予定)

『ドリル Lesson5 №2』に、300円・500円で買えるものを見当して立式する問題がある。いくら計算力が習得できても「数を見通す力」がなければ、やがて概数を学習する時に形式的な処理の仕方に陥る恐れがある。

例えば、買い物をした時1円までの計算は機械ですればよいが、所持金で「何が何こ買えるのだろう?」という考えは機械ではできないことである。このような能力の根底には、数の認識力が大きく関わっている。幼児期に早くから計算を導入すると、数感覚が養えなくなる。珠算式暗算も「概数」と組み合わせると、算数に磨きがかかると思う。090410_095517

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文字テキスト

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090408_100225『文字テキスト』は、↑写真のように複スパイラルを用いて文字の学習ができる。

『KIDSテキスト』・『文字テキスト』は、このような複スパイラルで構成されて作られている。このスパイラルを一番よく理解しているのは、実は学習している幼児である。

頭の中に知識が入り込んでくる時、まず分類操作が始まりそれを記憶させていくわけであるが記憶は一晩で70%は忘却される。それを防ぐには時間をかけて繰り返すか、学習方法(学習心理)を考えて教えることが大切となる。

文字と数字は、物理的には異なるものであるが、数字は「記号」であり「意味を含んでいる言葉である」という点は共通性がある。幼児の瞬間的な集中力は10分程度であることから、学習を10分単位にまとめて展開をした方が短期間に文字も数も理解できるようになる。

幼児に早くから計算を鍛えても、もともと数観念がないわけであるから、数(かず・すう)と文字の基本的なところをしっかり抑えた方が完全に学力は向上する。これが昔の学習指導要領の「基本に帰れ」である。今回の「新・学習指導要領」が昭和時代に戻ったことを考えると「学力=基礎能力」が如何に大切であるかを物語っている。

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三重県本部講習会

昨日の「三重県本部講習会」は『文字テキスト』と『KIDS2・3』だった。『文字テキスト』は一般的に「文字の練習」という概念があるが、SSKCLUBの『文字テキスト』は他のテキストと同様に数学的なとらえ方とスパイラル的に作ってある。

平成22年改正の教育基本法が「読み・書き・計算」を重点に置いていることから、幼児期に文字が最低でも読めるようにしておきたい。したがって幼児期は『KIDS』と『文字』で「読み・書き・数(かず・すう)」をしっかり学習することが、1年生の落ちこぼれ対策になることは間違いない。

前回のブログで、「あえて教えない」ということを述べたが、この『文字テキスト』も書き順をあえて提示していない。美しい文字を要求するならば書道教室の方が最適であると思う。算数は国語と相関が高いので、文章が読めることが大切であることは言うまでもない。したがって「文字を覚えるために書く」、これが『文字テキスト』の狙いである。

↓おはじきを使って単語を座標的に捉える。

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脳と珠算

一般的に珠算教育は「覚える・訓練する学問」である。例えば、合成分解は「3をはらって10を入れる。」という運珠法を用いる。また、かけ算の場合「はらった となりに 10の位の九九を布数する。」といった乗加法則を覚える。

このような決まりを覚えて訓練することと「なぜ3をはらって10を入れるのか?」という自分で原理原則を発見することは、脳のメカニズムからも異なる。「考える」ことによりドーパミンが分泌されるわけであるから、九九でも丸暗記より「九九を作らせる」方が遥かに脳に良い。つまり「あえて教えない教育」の方が子どもは、遥かに賢くなるということになる。

九九が分からなければ法則やヒントだけを与えて、後は調べたり、たし算を使って自ら答えを作った方が九九が早く正しく定着するようになる。指導者に観察力や分析力がないと「待つ」こともできなくなる。

この脳については、脳学者・茂木健一郎氏が次のように述べている。

ドーパミンは、脳の真ん中あたりの中脳というところから、前のほうにある前頭葉に放射される神経伝達物質です。脳には様々な働きをする神経伝達物質がありますが、その一つ。
 何らかの行動によって脳が「喜び」を感じたときにドーパミンは分泌され、人間に「快感・快楽」をもたらします。脳はその快感をもたらした行動をよく覚えていて、また同じようにその快感を再現しようとする。
 このとき脳の中では何が起こっているかというと、より効率的にドーパミンを分泌させようと、脳内にあるニューロン(神経細胞)がつなぎ変わり、新たなシナプス(神経回路網)ができます。つまり脳が変化している、ということですね。
 そしてその快感をもたらした行動を繰り返すうちに、上達していく。これが「学習」のメカニズムです。特に、試行錯誤を経ることでそのシナプスはより強化され、その行動に熟練していく。
 こういった一連のサイクルを脳科学では「強化学習」といいます。これは学問としての勉強だけに当てはまることではありません。

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