形態知覚(2)
昨日の「形態知覚(1)」に関連した内容を波多野完治氏が次のように述べているので参考に掲載してみた。
「寄算や引算などもはじめは頭の中では出来ないからして、はじめは実際の物についてやってみる。そうして結果を目で見て、それから段々と頭の中の計算に入っていくのである。そのような頭の計算と、実際にやってみる計算との中間に、そろばんの計算が来る。そろばんにおいては物の方が、そろばんの珠に抽象されているわけで、つまり半分抽象的な計算なのである。子供にそろばんを使って、計算を習わせることの意義はここから来ている。もちろん日本の現在のそろばんは、かなりむずかしい原理をもっているから(すなわち、そこには1をあつめた集団だけではなく、1を5つあつめた集団を一まとめにする五珠なるものが存在するから)、小学校の初学年からは使えない。初学年では、五珠のない、いわゆる計数器を使わせなければならない。」
※ 計数器・・・計数そろばん
波多野完治
東京生まれ。錦華小学校から府立一中受験に失敗したが開成中学入学。のち一高を経て、1928年東京帝国大学文学部心理学科卒業。法政大学教授、東京女子師範学校教授を経て、戦後改称したお茶の水女子大学教授、1969年同学長となる。
ジャン・ピアジェの発達心理学を中心に学び、アンリ・ワロンなどを紹介、また文章心理学、創作心理学、視聴覚教育などに多数の著作がある。 著書に「文章心理学大系」、「ピアジェ入門」、「新しい児童観」など。心理学のほか文学評論も行い、『文章心理学入門』はロングセラーとなった。そのほか『十五少年漂流記』など児童文学の翻訳も行う。全集12巻がある。
ここで波多野完治氏が述べていることは、SSKCLUBが実践している「KIDS」そのものである。波多野氏が述べている時代より現在の方が珠算の低学年化が進んでいるので、尚更珠算教育を考え直さねばならない。教育は社会性を含んでいるので、一部の子どもが特別にできてもダメである。
幼児、1年生のほとんどの児童が「わかる」教育でなければ、これからの珠算教育は厳しくなると思う。SSKCLUBは、児童の発達や学習能力に合わせて『テキスト』を提供している教育団体である。講習会へ参加してSSKCLUB理論を学んで欲しい。
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