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珠算教育

昔の話であるが、全商協会主催の珠算実務検定試験の創設にあたり「珠算能力検定試験の1級に合格しても、実務には役立たない。」という考えから、文章題の商業計算が大幅に採用されるようになった。これは当時としては画期的なことであったが、この文章題について珠算界の中から次のような考えを唱えた人間がいた。

「この文章題だけでは、世間の要求に対して、万全の答になっただろうか。問題を規格化し、計算が機械的にできるようなものでは、文章題を大幅に取り入れたということだけで終わってしまう。問題は、もっと根本的なところに伏在している。すなわち、新しい問題・新しい場面に直面して、これを如何に解決するか、いわゆる解決の能力が必要なのである。珠算1級の計算能力と、問題解決の能力を併せもっていてこそ、役に立つものである。」

当時は電卓もない時代(昭和30年代)であるから、珠算は100%計算器という役割であった。したがって実務計算でも良かったわけである。それにも関わらず「問題解決」という数学的な考えをもっていた人間が当時いたとは驚きである。仮に珠算全盛期に実務計算が算数に置き換えられていたならば、珠算の歴史は大きく変わったと思われる。

学習は反復練習という説がある。人間は他の動物が発達したように機械的な反応を示す部分もあるが、だからといって、与えられた数字を反射的に計算するだけでは考える動物としては情けないことである。これでは本物の計算能力にはならない。

今、SSKCLUBが目指しているそろばん・算数教育は、昔から珠算人が目指していたものかもしれないが、ただそれを具体的に証明した教育は長い歴史の中では僅かである。

今、そろばん・算数教育を実現している教育の中で「SSKCLUBが一番」と言われるようになりたいものである。

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