一体三相の計算
昭和52年の小学校指導要領に「一体三相の計算」が記載されている。一体三相の計算とは「暗算・筆算・珠算を一体化した計算」のことである。
その当時はそろばんが計算器として活躍していた時代であるが、遡れば明治時代から続いた「そろばん教育」を算数に融合させようとした考え方である。つまり、珠算を学習することにより「珠算式暗算」が習得でき、それを生かして小学校の算数の暗算と筆算に結びつけば算数の計算力が非常に向上すると考えられたわけである。
そこで「算数現代化」で、当時4学年で習っていた「小学校のそろばん」が3学年に移行され珠算塾も入学者のほとんどが3学年からとなった。そこに着目した珠算業界は更に3学年から1学年にそろばんを導入してもらう働きがけをしたが結果はご存知の通りNOであった。
今、この「一体三相の計算」は死語のようになっているが、もしその当時に1学年から珠算が算数に導入されたならば、子どもの数学力は逆にガタガタになっていたと思われる。ただし、うまく計数そろばんを使えばこの一体三相は違った意味で通用するような気がする。
珠算の歴史を考えると、全盛期に珠算が算数の方を向いていたならば今の珠算の立場は大きく変わったような気がする。
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