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練習

一般的に珠算は、「やり方を覚えた段階で、学習を中止すると忘れてしまう」 傾向がある。つまり、珠算は「練習」によって学習が完成する教育である。これは算数の計算でも「数学的な理解」が必要であるとはいえ、やはり練習によって覚える点は同じである。

「珠算も算数も、練習が学習指導において占める割合が大きい」という点から、効果的な練習が新しい問題を正しく、そして速く解決できる能力を養うことになる。それは「理解の成立」後、その思考原理と行動を反復(スパイラル)的に適応することである。新しく習う内容が既に習った内容と異なるようなものは「練習する」とは言わない。

例えば4+7の運珠を理解した児童に、6+7の問題を与えても練習にはならない。それは4+7と6+7の運珠が全く別なものであるので、練習というよりはむしろ「理解」であると思った方よい。

練習によって計算ができるようになったが、その後練習を怠ったために、一度成立した理解が崩壊してしまうことである。これを「練習の忘却」という。そこで、ゲイツの「仮想曲線」を珠算教育に当てはめてみる。Fsfs_2

                                                                                                                                                                                 

図のAのように、反応の成立直後にその学習から離れると、ほとんど0に近いところまで落ち込んでしまう。ところが、C・Dまで練習を続けると、崩壊のカーブは緩やかになる。つまり、珠算の学習を開始して直ぐに止めてしまうと、また初めからやり直しになる。ところが1級合格以上であれば全く初心者に戻ることはない。

このように考えると、初歩の児童には「理解を優先させる学習」をしなければ「忘却率」が高くなる。したがって「4+7と6+7が運珠が違う」という捉え方より「4+7と6+7は計算の構造が同じ」と捉えた方が忘却は止められることになる。

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