知能(1)
『KIDS1』『KIDS分類』『ABACUSパズル1』には、知能が測定できる箇所がある。そもそも「知能検査」とは、ビネー(心理学者)が100年以上前に「学習者の中に予め知能が低い者を調べておけば学習を円滑に進めることができる」という目的で作ったことが、事の始まりである。日本では「田中ビネー式知能検査(田中B式知能検査)」が有名で現在でも使われている。私も「全珠連主催の全国珠算研究集会(第26回「3年生の定位法の指導」)の発表をした時、実はこの「田中B式知能検査」を使ったことがある。
『KIDS1』『分類テキスト』の分類や『パズル1』の多少判断には、この田中B式に含まれているようなものがある。『テキスト』は本格的な知能検査ではないが、分類や多少判断程度ならば学習能力が低い児童を調べることができる。そのような児童は、「合成分解」の問題でも80%以上の確率で誤答や学習障害が起きることが証明されている。つまり、知能と合成分解には非常に高い相関があることがいえる。一般的に珠算の教材は、計算力を付けることが目的であるが、『KIDS1』『分類テキスト』のように検査を含む『テキスト』がある珠算教育は、非常に稀であると思って頂きたい。
分類・対応・順序づけのような概念形成は「覚えて獲得できるものではい。」例えば、「SSKCLUB数パズル」を使って、「青い 正方形を 3つ 集めましょう。」というような属性を3種類含んでいる集合(3次元 交集合)は幼児には難しい問題であるが、このような思考を使いまたはそれを順序だてて学習させていく指導により、非常に高い確率で合成分解の正答が得られるようになる。(これは従来の教育ではあり得ない本当の話である。)
学習によって知能が上がれば「遺伝説」から少しでも脱却できる。それが我々の仕事でもあり、教育の大切さを実感できる瞬間でもあるような気がする。分類や対応といった、ごく単純な学習を積み重ねていくことは、合成分解を超えてやがてかけ算、わり算へと繋がっていくようになる。
昔、若林繁太諸の『教育は死なず』」がベストセラーになったが、「教育は諦めたら死んでしまう。」ものである。現在、自分の心にも「珠算は死なず」と重く感じている。
今回の詳細は、2月15日(日)「千葉県スペシャル学習会」で講習します。
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