かけ算
乗法の基本的な性質には、次の①~⑤が挙げられる。
① a×1=1×a=a
5×1=1×5=5
② a×(n+1)=a×n+a
5×(3+1)=5×3+5 (乗法の定義)
③ a×b=b×a
5×3=3×5 (乗法の交換法則)
④ a×b×C=a×(b×C)
5×3×4=5×(3×4) (乗法の結合法則)
⑤ a×(b+C)=a×b+a×C
5×(7+8)=5×7+5×8 (乗法の分配法則)
※ ⑤を発展させると、5×(7+8)=5×(10+5)=5×10+5×5=75 となる。
これを写像的にみれば、次のような対応関係になる。
7+8=15 → 35+40=75 (対応数5)
このように、かけ算には数学的な要素がたくさん含まれている。つまり、かけ算=「九九」ではないことが分かる。また、珠算には定位法という「積の一の位を定める法則」がある。この定位法を使えば確かに積の一の位が間違いなく分かるが、それはあくまでも単純構造の計算に限られている。①~⑤のような問題は「定位法が適用できなくなる」したがって定位法も「数学的な法則」ではないと思う。
※ 5×10=5×9+5(定位法が合わない問題)
早い時期に「定位法」を教えて計算を正すと算数の法則が見えなくなる危険がある。さらに算数の大切な「倍概念」「関数概念」「可逆性」などの考えが、逆にできなくなる可能性がある。したがって、法則を使いならが計算をさせることが如何に大切であるかを理解してほしい。
SSKCLUBが「そろばん・さんすう」に拘っているのは、算数の問題を出題しているからではない。むしろ拘っているのは、「数学的な考え」である。ぱちぱち日記のブログを見れば分かるように「児童がスラスラできるようになる」のは、実は数学力がついているからである。
「数学的な要素が強い学習」
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