« 計数そろばん | トップページ | かけ算 »

加減法九九

そろばんは五珠が存在するため、たし算・ひき算の際に独特な加減法九九を覚え、反射的にできるまで習熟を要する計算である。下の図は、珠算の加法九九と減法九九の一覧表である。

Img016

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

繰上→10の繰り上がりがある○・10の繰り上がりがない×

5合分→5の合成分解がある○・5の合成分解がない×

A(繰上×5合×)B(繰上×5合○)

C(繰上×5合×)D(繰上×5合×)

E(繰上○5合×)F(繰上○5合×)  

G(繰上○5分○)H(繰上○5合×)   

※C・Fは5の合成はないが五珠を含んでいる。

このA~Hの中で、E・F・G・Hは繰り上がりがある。

ここで注目する点はGである。Gは5の分解と10の合成を含んでいることがわかる。筆算ではこのような現象は起こらない。筆算の場合GとHは同じ領域の問題となる。さらに6+7の計算は、6+7=1+5+2+5=5+5+1+2=13という考えもできる。また、珠算は被加数分解(4+7の場合、4を分解して10を作る計算)だけが珠算の計算方法となる。(そろばんの構造上)したがって、9+2も9を分解しなければ計算が成立しないわけである。さらに、9+2=2+9=1+1+9という「交換律」もできない。

このように考えると、加減九九を丸暗記させる計算が非常に危険な計算方法であることが分かる。数の理解もしていない幼児にこの九九を覚えさせて計算を獲得させても、小学校の計算のプロセスを理解していくという保障はない。それならば、数(数の保存概念・数の観念・数の構成)をしっかり認識させることを重んじた学習の方がはるかに1年生の算数に役立つ。その前提があれば、珠算は大変すぐれた計算技能になると思う。

「算数ができない」という理由でそろばん塾へ入会してくる児童は「計算力をつけて欲しい」という願いがあるからだと思う。しかしそのような児童の大半は、計算よりも数がわかっていないのが現実である。このような児童に九九を覚えさせても算数力が付くわけではない。よってGの通過率UPにも、まずは数の理解を最優先すべきである。

|
|

« 計数そろばん | トップページ | かけ算 »

教育」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/218292/43891367

この記事へのトラックバック一覧です: 加減法九九:

« 計数そろばん | トップページ | かけ算 »