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知能(2)

子どもの知的発達にとって、SSKCLUBはどのような役割を果たしているだろうか?

心理学者ピアジェは、学校教育について次のように述べている。

「学校教育は本質的に知的発達の役割を果たさない。子どもの発達を早めたり、遅らせたりさせるが、基本的には子どもの発達はどのような環境におかれようとも変わらない。」

一昨日のブログ「知能」に掲載した「田中ビネー知能検査」について1970年版と1987年版の比較データーがあるので紹介してみる。

★今の子どもと昔の子どもの知能の発達に変化が見られるか?

問題自体が変わったものもあり、87年版と70年版の全部の問題を比較することはできないが、内容の変わらない問題の通過率(同じ年齢の子どもがその問題に合格する割合)を同一年齢で比較すると、87年版の子どもたちの方が70年版の子どもたちよりも通過率が高い。つまり、知能の発達が進んでいる問題が多いということがいえる。

ところが、中には発達が遅れている問題がある。それは4歳児の「長方形の組み合わせ」である。この「長方形の組み合わせ」は、対角線で切断してある2つの三角形を組み合わせ、見本と同じ長方形にする問題である。

★この87年版と70年版の検査から次のような結果報告がある。

今の子どもは、幼稚園・家庭・本・TVからの影響で知能は伸びている。しかし「長方形の組み合わせ」の結果に示されているように、図形を認識する能力・いろいろな組み合わせを考える能力・その正誤を判断する能力等、自分で考え解決する・思考力を必要とする能力については低下している。

この田中ビネー知能検査によれば、子どもの知能は環境によって変わることが分かる。ピアジェが言っている「発達の普遍性」と異なる見解になる。

指導者や教材によって知能の発達は促進しないだろうか?幼児期に「数の認識」をさせる必要はないだろうか?しかし『テキスト』や教具を使うことにより、数の認識は確実にできるようになる。この事実(SSKCLUB KIDS)をふまえると、ブルーナー(アメリカ)、ヴィゴッキー(ソ連)の言っている「知能は文化や教育と深く関わる」意見に賛成したくなる。

図形は数学的な要素が沢山ふくまれる学問であるから、思考力は向上すると思うが、田中B式は、あくまでも検査である。問題は幼児の図形能力をどう養うかである。

SSKCLUBは、知的発達に貢献できることを目指している珠算教育でもある。したがって図形問題(『パズルテキスト1~3』)にも深く関わっていることを理解して欲しい。

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