分数
整数・小数・分数の共通点は、単位数があるということである。整数は1、小数は10分の1の数であるならば0.1、分数は分母が2ならば、2分の1となる。このように数には必ず単位数があり、それを集めれば必ず集合数になる。(カントールの集合論)
例えば、35は1が35こ集まった数。3.5は0.1が35こ集まった数。3分の2は、3分の1が2つ集まった数。このような展開となる。
「1mのテープを3つに分け、その2つ分はいくつか?」という問題を指導する場合、「3つに分けた2つ分・・・3分の2m」(3つに分けた2つ分を分割分数という。)としてないだろうか?この分割分数では、「3つに分けた4つ分」が通じなくなる。つまり真分数から仮分数へ拡張が難しくなる。
3分の1が4つ分という考え方ならば、すんなり仮分数が理解できるようになる。(この場合3分の1を単位分数という。)※ 3分1の場合は、単位分数と分割分数が同じになる。分数を計算する前に分数の意味や分数の構造を理解していないと、分数の数直線や仮分数、帯分数の問題が解けなくなる恐れがある。
分数は整数・小数と違って十進構造がなく、基本的には「1」と比較する割合であるため、非常に理解が難しい数である。さらに商の分数、同値分数、十進分数、約分、通分、倍分、既約分数、分割分数、割合分数など、とにかく約束ごとの多い数でもある。このような背景を考えると「分数ができない大学生」が溢れ出してもおかしくないかもしれない。やはり小学生の段階でしっかりした基本をマスターした児童を育てることは言うまでもない。
『ABACUS 分数2』・・・真分数から仮分数へ、さらに帯分数へと拡張する問題。今後、分数1→分数2→分数3~分数6まで続くテキスト!
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