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2008年12月

静岡県 ひよこ幼児園

昨日、静岡県袋井市のひよこ幼児園で講習会があった。「来年3月より“KIDS数あそび”をスタートさせたい」と、先日SSKCLUBの賛助会員(山下先生)になり、今回5時間の講習を受けた。真剣にSSKCLUBの理念、指導方法を吸収しようとする姿はとても爽やかであった。(これからSSKCLUBの仲間として宜しくお願いしたい。)

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SSKCLUBの講習を受けた先生方は、「従来のそろばんと全く違う、この教材ならば子どもの算数力はUPする。」という理由で入会してくる。しかし問題は、実際に子どもたちをどう指導するかである。

「SSKCLUBの教育を理解・実践できる」ようになるには、相当なエネルギーが必要と思われがちだが「教育本能」(人の為に惜しみもなく教える気持ち)があれば問題はない。つまり、「珠算経験が長いとか、組織・団体で活躍している・経営手腕に長けている」等は必要がない。逆に「教育本能」が無く、SSKCLUBの教育理念を習得しようと思うと「教育ノイローゼ」になる。これも一般的な珠算教育では起きない現象である。

幼稚園でも成功する可能性はある。

ひよこ幼児園や金沢市の金城幼稚園(賛助会員)のように、珠算暦が無い先生方でも『テキスト』は忠実に使える。それは、はじめから従来の珠算指導法を知らないからである。これも従来の珠算教育では考えられないことである。逆に長い間、珠算教育に携わっている先生方が『テキスト』を上手く使えないことがある。

これは従来の指導法を捨てられないからである。!

つまり「捨てるということは、覚えることである。」 

    ↑ 問題はこれが理解できるかどうかだ。!

従来の珠算は、「計算器」という役割で江戸時代から伝わってきている。そもそも計算器に「理屈」はいらない。電卓に理屈がいるだろうか?便利な道具に理屈が付きまとったら、それは不便なものになる。しかしそろばんは、合成分解という厄介なものが存在するため「半思考的計算器」という側面がある。(わかり易くいえば、ロボコップのようなものなのかな!?人間なのか?メカなのか?)この思考部分を育てるには、実は珠算の指導力は要らない。むしろ要るのは算数力なのだ!!

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能力を引き出す

ソクラテス(哲学者)、「子どもを教えるというのは、知識を与えることではない。子どもの才能を引き出すことである。決して教え込むな。」と言っている。

子どもは、生まれもって異なる能力をもっている。能力が異なっていても「学習によって素晴らしい解答が得られたら?」・・・これこそ究極の学習方法であると思う。

これを合成分解の問題に置き換えて考えてみる。「6+7型の合成分解の通過率は、『ABACUS3A』を使うと、1年生および特別支援学級の児童でも80%以上の通過率を示す」という結果が出ている。(参考に全珠連の『珠算春秋90号・91号』にデーターを添付した研究論文が掲載されている。これが今までの珠算教育には無かった「教え込みをしない、能力を引き出す」学習方法である。

子どもが計算をしている様子を見ると、計算はたどたどしいが一問一問考えながら計算している。考えながら計算をしているということは、子ども自らが自分の知識を頭の中から引き出そうとしている姿である。実は、これもスパイラル的な学習方法である。

ところで「能力を引き出す」教材は、なぜ簡単に作れないのか?これにはとてつもないほどの時間がかかり、調査・研究が非常に難しいからである。(内容は記載省略)一般的に「教育は結果が出るまでに20年かかる」と言われている。今ブームになっている教育があるとするならば、「これが本当に素晴らしい教育です」と評価されるのは、今から20年後になる。つまり、失敗もあるということだ。

教育とは、生徒・先生・教材の3つの要因が柱となって成り立っている。珠算塾に入学した時から生徒、先生という関係(社会集団)※(家族は強制的集団が成立し、その仲介となる教材を挟んで学習が起きる。いくら優秀な先生でも「成功の法則」を間違っていれば、成功する確率は限りなく0%である。言い換えれば「成功とは成功する(真実)方向に向かわない限り成功しない」ということである。

したがって『教材』の選択ミスをすると、子どもの能力を引き出すことは難しくなる。

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アナログ人生

今年最後のSSKCLUBの授業も終わった。まだ月曜日に「ひよこ幼稚園の講習会」、火曜日に『SSKCLUB会報』の製本と袋詰めが残っている。

来年早々には、『会報22号』が届くと思う。(休みに働いてくれるスタッフに感謝です。)

仕事を「アナログ」的に捉えるか?「デジタル」的に捉えるか?

「アナログ」・・・仕事を人生として捉える。

「デジタル」・・・仕事を生活の手段として捉える。

仕事は毎日することだから、「アナログ」的に捉えている人間の方が幸せになる確率は高い。

どうしたら「アナログ」的になれるか? それは「SSKCLUBの教育を信じたり、指導の向上を念じたりする」ことである。つまりSSKCLUBの教育を信じて『テキスト』を使えば、必然的に指導力は向上して「アナログ」的になれる。

SSKCLUBの『テキスト』は心理学や算数理論が一杯詰め込んであるから、それを極めるには時間がかかる。「時間がかかる教育は面倒だ」と考える人間は「アナログ」的にはなれない。

今、SSKCLUBの会員の中で成功している先生は、きっとこの話に頷いて頂けると思う。

人間教育に「面倒」という言葉を吐いたら、教育者としても落第だと思う。

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ABACUS Lesson6 解説&解答書

本日、『ABACUS Lesson 6 解説&解答書』の原稿が完成した。これから校正に入り、冬休み中に印刷・製本を仕上げたいと思っている。

吉見出版の発売は1月6日(火)からとなる

『Lesson 6』は、「あまり解説するところがない」と思うかもしれないが、作問というのは「目に見えない原理」から構成されているので、できる限り講習を受けるか『解説書』を読むことを勧める。これが一番正しく『テキスト』を使える近道だと思う。つまり、著者の考えを理解して初めて教材を上手く使えるようになるのである。

間違った指導は子どもの成長を阻むし、社会の迷惑にもなる。しかし、一般的な『珠算の教材』には、誰が作ったかわからないものが多い。作った人間がわからない教材に、仮に『解説書』が付いているならば、これは『解説書』というより『オカルト書』ではないだろうか?『解説書』とは子どもの学習の方向を定めていく重要なものであることを認識して欲しい。

「誰のためにそろばんを教えるのか?」・・・「全ては子どものためである

大切なことは実行に移すことである。頭の中で考えている間は「モラトリアム」状態になっているだけで、楽しい気持ちになれるが、所詮は「絵に描いた餅」である。実際に子どもがスクスク伸びない限り、指導者としての力は未熟であると思うことである。

未熟さゆえに「学ぶ」。学ぶことによってさとるわけ!

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教育基本法

「21世紀を切り拓く心豊かでたくましい日本人の育成を目指す」という観点から、「教育基本法」が60年振りに改正される。

改正後の「学習指導要領」の「基礎的・基本的な知識・技能の習得」について次のような考え方が示された。

「読み・書き・計算など基礎的・基本的な知識・技能は、例えば、小学校低学年・中学年では体験的な理解や繰り返し学習を重視するなど、発達の段階に応じて徹底して学習させ、学習の基盤を構築していくことが大切」

この中で特に注目すべき点は「繰り返し学習と発達の段階に応じて」である。「繰り返す」とは同じ問題を計算させることではない。スパイラル(螺旋)的に問題を作り、学習体型を整えることである。『2A~3B』・『ザ・かけ算』と『ザ・かけ算2』・『ザ・わり算』と『ザ・わり算2』は、典型的なスパイラル学習テキストである。

「発達の段階に応じて」を珠算教育にあてはめると、幼児・1年生に「数の意味と理解」をさせないで、早い時期に計算を導入させる傾向が強い。これは明治20年から続く珠算指導法の影響だと思われる。「発達無視の珠算学習」と言われても仕方がない。「発達の早い児童はできるが、普通児では無理」そんな学習ならば低学年(幼児)から逆に指導しない方がいい。2年、3年生から学習を開始した方が遥かに障害は少ない。

SSKCLUBは、幼児・1年生前半までは「計数そろばん」を、それ以降の学年には「一般的なそろばん」を用いる。つまり、子どもの年齢に応じて使用するそろばんを区別して指導しているのである。さらに『テキスト』も細分化され、子どもの発達に合わせて(幼児は『KIDS』・小学生は『ABACUS』選択している。

発達と学習が一致した指導をすれば、子どもの「学習障害」は起きない。「学習障害」が起きなければ母親の「育児ノイローゼ」も減少すると思う。

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パターンブロック

『パズル』講習会は、香川から始まり1月の愛知が最終になる。講習会を重ねていくうちにレベルが上がってきた感じがする。

東京の丸の内にある「丸善」で見つけた「パターンブロック」。これからKIDSに取り入れていこうと思う。

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十進法制

SSKCLUBの「そろばん・さんすう・KIDS」の3部門を十進法制の発達(理解)順に『テキスト』を区別してみる。

●KIDS

「計数そろばん」を使って、数を一と十の位に分割できる。幼児でも簡単に「3710が3つと1が7つ」と同定できる。また、チップ・パズル・分類カードのような具体物と数を対応させることができることから、数の観念(合成分解・集合数・順序数・計数)が早い時期に獲得できる。

●ABACUS

「そろばん」を使って、数を複雑な構成(一般的でない)で分割することができる。たとえば3710が3つと1が7つに分割するだけでなく、10が2つと1が17こにも分割が可能となる。つまり分割の方法を変えても、両者は等価であることが理解できるようになる。これは計数そろばんより数の構成が瞬時に見えることから「そろばんは計数そろばんより優れた教具」であると考えられる。

●さんすう

『計算のきまり』は、具体物(そろばん・チップ等)を外して分割を記号のみで扱う。記号は、「ことば」である。「ことば」は意味を含んでいる。この意味を読みとるには、数をイメージおよび具体物に戻せることが大切になる。

つまり数の概念・観念が十進法制の獲得に非常に大切な要因となる。

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もどし算

84÷28(もどし算)と135÷15(九立商)は「どちらを先に教えるか?」
算数(4学年)では、もどし算から九立商へ拡張されていくが、そろばんは、一般的に九立商からもどし算へ拡張されている。その根拠は何だろうか?「昔からそのように指導しているから」であるならば、単なる「経験主義」に他ならない。
算数は「共通点や関係などを重視する」が、珠算では「もどし算と九立商の関係など考えたこともない」のが一般的だと思う。
『テキスト』は、もどし算も九立商もかけ算から展開している。つまり、もどし算は「かけた数だけもどす」ことであるから、もどし算そのものがかけ算となる。
九立商は「10では商が大きいから、1小さい9を立てる」ということであるが、よく考えれば九立商はもどし算の「確商」である。したがって、九立商もかけ算がポイントになる。10倍した数がいくつであるかを類推すれば必然的に9が立つ。これを「ないときは、そばに9をたてる」という「わけのわからない」指導をすれば、子どもをますます混乱させ苦しめることに繋がる。
以上のことを考えると、「両者を統合」できる点から、もどし算から九立商へ指導した方がよいということになる。
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「SSKCLUB維新」

(共同通信)

政府の教育再生懇談会は18日午前、小中学校と高校で使う教科書のページ倍増など、教育の充実を求める第2次報告を麻生首相に提出。首相は「人材が1番の資源だ。少子化の時代にあっても質の高い、信頼できる教育が大変重要だ」と述べ、政府の施策に報告を反映させていく考えを強調した。報告は「ゆとり教育」路線から転換した新学習指導要領を踏まえて「自学自習」を促進するのが目的。


麻生首相の「質の高い、信頼できる教育」から「ゆとり教育は、質の低い、信頼できない教育」であったとも受け止められる。

来年度から学習内容が増えるわけだがら、「自学自習」をしないと「落ちこぼれる」可能性があると警告しているようだ。

珠算教育における「計算力」はこれからも必要とされるが、「数学力がつく」珠算教育であれば、なおさら『新・学習指導要領』に対応できる。つまりSSKCLUBが目指している教育は、今後どんな『学習指導要領』になっても問題はないと思う。

昨日、静岡県袋井市の幼稚園からSSKCLUB(賛助)へ入会があった。早速、今月29日(月)に幼稚園で「SSKCLUB講習会」の開催となった。これから珠算教育は、「幼児教育」がベースになって、「新しい珠算教育」が世の中に広まっていくような気がする。

まさに「SSKCLUB維新」である。

http://homepage2.nifty.com/ssk55/

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パズル

算数には、①数と計算 ②図形 ③数量関係 ④量と測定の4つの領域がある。1年~3年までは、約89%が「数と計算」である。

一般的にそろばんは計算が主体であるから「数と計算」以外は、縁がないように感じるであろう。ところが「図形」と「数と計算」には共通な点がある。それは合成分解である。

2+3=5であるように、三角形+三角形=四角形、台形+台形=平行四辺形になる。このことから図形も数と同じように、三角形、四角形の概念が非常に大切になってくる。つまり、その概念をもとに合わせたり回転したりして、図形を上位概念に構成できるようになるわけである。

計算は、数と数をつないだり、離したりする行為であるから、やはり「数の理解」が一番大切である。図形も同様に、面積や合同や内角の和へ拡張していくと「数と同じ原理」が見えるようになる。児童が計算と図形を同化できるようになるには「計算を覚えさせない」ことである。計算と図形の共通(合成分解)な点を、児童自身が頭の中で思考するようになって始めて調節ができるようになる。

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長崎県本部講習会

平成20年12月14日(日) 長崎県島原市において「SSKCLUB長崎県本部講習会」が開催された。

「島原」といえば、島原の乱が有名であるが、実はこの島原の乱に、あの宮本武蔵が参戦してる。宮本武蔵は剣の達人で有名だが、武蔵は『五輪書』という書物も書いてる。この中で武蔵は「鍛錬」のことを「鍛とは1000回修行をする。錬とは10000回修行をする。」と書いている。

それをSSKCLUBに置き換えると、「指導には3年かかり、『テキスト』の開発には30年かかる。」というこになる。

SSKCLUBの指導や『テキスト』にはメカニズムがあり、そのメカニズムとは「隠れた原理」である。そのメカニズムは、見た目ではわからないもので、実際に指導したり、また伊藤の話を聞くことで「わかる」ようになる。

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新学期に向けて

幼児教育から小数・分数計算まで教えます。

SSKCLUBは、数学的にアレンジした珠算テキストと単元別算数テキストを適時に導入し、計算力を活用しながら算数力を同時に伸ばしていく、まさに「ハイブリッドそろばん」教育です。

計算ができる=SSKCLUB=算数がわかる

「計算をする」ということは、頭の中にある数(整数・小数・分数)を引っ張り出して、計算の意味を関連づけるということです。つまり頭の中で正しく数を認識できるならば、算数的思考力が高くなり、計算は必然的にできるようになります。

SSKCLUBは、「新学習指導要領」にも対応できる珠算教育です。早い時期に学習を開始すれば早い時期に計算力と算数力が習得されます。来年度から算数が難しくなり、基礎的な能力がますます必要とされます。

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教育へのこだわり

子どもは一定の順序で発達する。それは「前の段階を十分に伸ばしておかないと、次の段階の発達があやふやになる」ということである。幼児の時には、行動をいろいろ変化させて、それを物との関係に置き換えることが思考の準備になる。つまり、具体物をしっかり扱わせることである。

KIDS数あそび」の『テキスト・計数そろばん・チップ・パズル等』は、物を操作しながら「数と計算」を獲得できるようにプログラムされている。まず、小学校1年生でやっている程度の算数ならば、必ず出来るようになる。これは「小学校特別支援学級」や「幼稚園」でも追跡調査で証明されている。

心理学では「下手に先を急いで、前の段階を固めぬうちに、次の段階へ行かせようという教育ノイローゼが一番いけない。思考の基礎は行動だから、ここから固めていくのが本筋である。母親や先生の中には、大切なことは何度も繰り返して教えるのがいいと思い、同じやり方ばかり使う人もあるかもしれないが、それはそれでそのやり方が「学習」されるまでの過程に限られている。」と言われている。

たとえば九九を覚えるとする。これを5回繰り返して覚えたとすると、この5回とも、子どもにとっては「刺激価値」になる。それは毎回毎回ちがった箇所が「新しく」覚えられていくからである。ところが一旦覚えてしまったところをもう一度くり返すと、飽和状態になり「またか」という気持ちになる。九九を覚えることだけに捉われている学習は、結果的に「かけ算」の理解が遅くなってしまう。

一般的な珠算塾は「九九は覚えさせる」SSKCLUBは、覚えさせるのではなく「九九は作りながら理解させる」。これは「SSKCLUBの教育へのこだわり」である。

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あまりのあるわり算

5÷4=1・・・1、6÷4=1・・・2、7÷4=1・・・3、8÷4=2、このような問題から「あまりは、わる数より小さい。」という意味が理解できるだろうか?たしかに関数的に問題を提示しているので、あまりの意味が理解できそうに思える。

ところが「あまりのあるわり算」は児童には簡単な問題ではない。9÷2→「3・・・3」と答えた児童に「あまりは、わる数より小さい」という約束ごとだけを教えても理解できるとは到底思えない。つまり、あまりのあるわり算の構造が理解できない限り無理なことである。

そろばんを使って「あまりのある問題」を計算すると、あまりが「量」として捉えられ、わったものをかければ元の数になることが分かる。このような操作を繰り返しているうちに、やがて構造が分かり始める。そこで「あまりは、わる数より小さい。」と気づくようになる。さらに「9÷2=3・・・3」が「なぜ間違っているか」も証明できるようになるのである。                                    

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わり算

一般的に算数の落ちこぼれは「3年生のわり算から」と言われている。その理由は、①わり算には等分除と包含除という2つの意味が含まれている。②たし算・ひき算・かけ算と違ってわり算の計算に試行錯誤が含まれている。③あまりのあるわり算がある。この3点が挙げられる。

●等分除 「8このケーキを4人で分けると、一人何個ずつになるでしょう。」→ □×4=8 → 8÷4

●包含除 「8このケーキを2こずつ分けると、何人にあげられるでしょう。」→2×□=8 → 8÷2

《等分除と包含除はどちらを先に教えるか?》

わり算の意味を考えると等分除であるが、操作性を重視すると包含除の方がよい。珠算教育は1、2年生からわり算を教えることや、そろばんを使ってわり算を解くので「包含除を優先にした方がよい」ということになる。ただいずれ等分除も包含除に統合されるので、包含除優先はベストな指導だと思う。

《わり算の計算には試行錯誤がある。》

わり算はかけ算の可逆的な演算であることから2×□=18のように「2の段の九九で答えが18を探す」のである。(帰除法のように「わり算九九」を使えば試行錯誤は発生しない。)つまり頭の中で、「□の中にどんな数が当てはまるか」を探さなくてはならないのである。この頭の中で答えを探す試行錯誤は、実は数学力を養う重要な学習である。間違っても「九九表」を持たせて計算させてはならない。

あまりのあるわり算になれば、「九九表」は完全にノックアウトになる。あまりのあるわり算まで含めて「わり算」と考えておかないと、珠算=算数にならない。

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動機づけ

今までわり算の計算が解らなかったが、練習を続けることで解るようになったり、計算が上手にできるようになったりする。これが心理学で「学習」とよばれている現象である。つまり、学習は「行動の変化」が現れることである。※学習したことがマイナスになることもある。(負の転移)例えば3+7型の合成分解の後に6+7型の問題を学習し始めた途端、3+7に誤答が出始めてしまう場合。※運珠法にはその傾向が高い。

児童は先生によって操作される。この操作される児童のことを「独立変数」という。その独立変数に「学習」という「仲介変数」が働き、いろいろな行動の変化が現れる。この変化を「従属変数」という。この従属変数は、「動機づけ」によって上下するので、「動機づけ」は重要な要因となる。動機づけには、「学習をしてわかったり、楽しくなったりする内的動機づけ」と「物をもらったり、褒められたり、叱られたりする外的動機け」がある。 一般的に「外的動機づけは、学習に永続性がない」と言われている。

正しい「動機づけ」は児童の心を左右する。指導者の「ものの考え方や見方」は、児童の認知構造を形成していく上で大切なことである。したがって。児童から「わからない」と質問された場合「指導者はどのように対処するか?」ここが重大なポイントとなる。

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ELS原理

ブルーナー(アメリカ)が提起したELS原理というものがある。その原理とは「子どもの学習は次の①行動的表象②映像的表象③記号的表象の順に構成する」ことである。この原理は、算数・数学の授業における学習過程で活用できる。例えば学習課題を解決するにあたって、いきなり記号的表象で解決するのが難しい内容は、前の段階の映像的表象を取り込めば可能となる。


これを珠算教育に当てはめると、珠算の学習内容(教材)が数学的に編集してあれば、同じような構成を作り上げることができる。12×4の計算を数字のみで解けば「記号的表象」となるし、問題に鉛筆やお金やそろばんの図を用いて、量を見えるようにすれば「映像的表象」になる。また、そろばんは「操作する計算器」の立場から、同時に「行動的表象」も伴う。(行動→映像→珠算式暗算)1年生の児童では、①、②を中心にした学習の方が、計算の意味も仕組みもわかりやすくなる。このような配慮は、教材を作る者として心得ておくべきだと思う。

子どもが自らやる気を起こして取り組むのは、「あそび」である。人間をホモ、ルーデスン (あそぶ人)と捉えたJ.ホイジンガーは、あそびの本質を次のようにあげている。
① 自発的、自主的活動

② そのこと自体が目的である活動

③ 緊張と歓喜感情に満たさせる活動

SSKCLUBの『テキスト』は「あそび」と「論理数学的な考え」を取り入れて編集が施されている。「競う学習」はおもしろさを奪う可能性があるが、未知のことや出来なかったことが出来るようになる過程には「喜びと面白さ」がある。

http://homepage2.nifty.com/ssk55/

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数感覚

九九は「2×1・2×2・2×3・・・」と唱えることによって覚えることができる。(聴覚的記憶)そろばんは、この九九を利用して練習を重ね、桁数を上げ、難しいかけ算やわり算の計算を短時間で解くことができるようになる。これは一種の技である。理屈のないシンプルな計算器であったため、100年も前から使われ現在も素晴らしく生きている。

「シンプルな計算器」であるということは、「計算のプロセスが見える」ということである。つまり、教具としてのそろばんとしても十分活用できるのである。

そこで図のようにかけ算をそろばんを使って展開すると3×5=5×3・7×6=6×7、8×2+8×3=8×5の交換法則や分配法則が理解できるようになる。せっかく九九を覚えるならば、このような法則をふまえてそろばんを学習した方が、遥かに「数感覚」を養うことができる。「数感覚」が習得できれば、今まで見えなかった九九全体が見えるようになり、さらに簡単な計算の見積もりまでが理解できるようになる。

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新学習指導要領との関連

「新学習指導要領」で追加されたものを単元別に挙げると次のようになる。

4位数の加減・3位数×2位数・円周率3.14・素数・不等号・□△を使った式・合同・対称な図形・縮図・拡大図・反比例・比例の表、式、グラフ・度数分布表・資料の平均や散らばり・ひし形、台形の面積・角柱、円柱の見取図、展開図、体積・メートル法

これだけのものが算数に増えれば、かなり時間を要すると思われる。

つまり、「ゆとり教育」における算数の考えが必然的に変わることを意味する。算数が複雑になれば「数学的な考え」は今まで以上に必要となる。しかし、面積・体積・度数分布・メートル法など、最終的な処理はどうしても計算がつきまとう。最後は計算力が「モノを言う」ことになる。ただ計算だけできても、「計算力をどこで活用するか?」という判断が大切になることは言うまでもない。つまり柔らかい計算力の必要性である。数学力+計算力=SSKCLUBの理念は「新学習指導要領」でも間違いのないそろばん教育だと思う。

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数理的に捉える珠算

珠算を数理的に捉えさせるためには、個々の関係が適切に、知識の中に埋め込まれていくことが必要である。例えば、たし算とかけ算が知識の中で分離・独立していると、同数累加からかけ算へ展開できないし、さらに「かけ算九九を覚える」ことが中心であれば、なおさら演算は独立してしまう。

カレブ・ガティーニョは、「学習は気付くことから始まる」「教えるということは学ぶということに従属しなければならない。教えることなくして学ぶということはもちろんあり得るが、学ぶことなくして教えることはあり得ない。子どもの気付きに働きかけないと子どもは学ばない」と言う。

「九九を覚える」ことから「九九を作る」という考えが指導者(教材)にあれば、子どもは素直に九九を作るようになり、九九の構造も自然に理解してくる。この構造力がしっかり習得できればOECDのPISSAで指摘された「リテラシー」も解決すると思う。

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記数法と命数法

1年生の児童が10+2を102と誤答するケースが多い。これは、12を「じゅうに」と読む命数法が原因である。(いち に と書いて12と表すことを記数法という。)書字的には確かに正しいが、これは算数では通用はしない。そろばんは珠を使って12を表す(構造上)ことから、このような誤答は極めて低くなる。

また、3桁の問題も同様に展開すると、空位の0(206の十の位が0)の意味もよくわかる。ただし206が100が2こ・1が6こである意味(数の構成)は、量感を示して学習することが大切である。

※ 幼児期に12と20の誤答が多いのも命数法が原因である。

詳しく説明すると、記数法は十進位取り記数法・命数法は十進位取り非記数法である。

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